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こまつ座第100回記念公演
『頭痛肩こり樋口一葉』開幕
8月11日(日)まで、紀伊國屋サザンシアターにて、小泉今日子の主演でこまつ座第100回記念公演『頭痛肩こり樋口一葉』を上演しています。1984年のこまつ座旗揚げ公演として書き下ろされた、この作品は、一葉19歳の明治23年から、死後2年後までの盆の16日の夕刻を舞台とする樋口一葉の評伝劇です。上演回数はこまつ座公演だけでも573回を数え、提携などの上演を入れると700回近くになる、こまつ座最大の人気作です。
貧困のどん底から筆一つで「たけくらべ」などの名作を残した「樋口夏子(一葉)」役は、ドラマ・CMや映画にとどまらず、近年舞台で活躍のめざましい小泉今日子さんが演じます。一葉の母「多喜」を演じるのは、安定した演技力を発揮するベテランの三田和代さん。一葉を支える妹「邦子」を演じるのは、期待の若手、深谷美歩さん。旗本のお姫様に生まれながら時代に翻弄される「稲葉鑛」を、元宝塚トップスターで、ミュージカルからストレートプレイまで幅広く活躍する愛華みれさん、玉の輿から女郎にまで転落する「八重」を、映像から舞台まではつらつとした才能を発揮する熊谷真実さんが演じます。そして、幽界(あのよ)と明界(このよ)を行き来して夏子と心を通わせる幽霊「花螢」を、「一度は演じてみたかった、憧れの役です」と意気込む若村麻由美さんが、確かな存在感をもって演じます。
こまつ座第100回記念公演の節目を迎えるにあたり、井上ひさしを代表するこの作品を、井上芝居を熟知した栗山民也による新演出となります。初演から約30年、まったく新しい『頭痛肩こり樋口一葉』に注目です!
夭折の天才女流作家、樋口一葉の十九歳の明治二十三年から一葉の死の二年後の明治三十一 年までを、一場をのぞいて、盆の七月十六日の夕刻に展開する、樋口一葉の評伝劇。
若くして樋口家の戸主となった夏子(樋口一葉)の肩には、母と妹との貧しい生活が重くのし かかっていました。世の中がまるで、あれもだめこれもするな、と云っている。…ただ墨を擦 り筆を動かすためだけに身体をこの世に置いてある、夏子はそう心を決めます。
そして、明治二十四年の盆の夕刻。 「ぼんぼん盆の十六日に 地獄の亡者が出てござる…」
少女たちの歌う盆歌に導かれて、一人の幽霊が夏子のもとを訪れてきます。「花螢」と名乗り、 歌い踊る幽霊。夏子と幽霊は、互いに心を通わせ合いますが…。
◆栗山民也
台詞の一つひとつ、あるいは人間の出会いの密度など、舞台の上で起こるすべてのことが観た人の心の栄養になる、そこが井上戯曲の強さだと思います。『頭痛肩こり樋口一葉』も、観客席にいる一人ひとりの方が登場人物の想いに自分を重ね合わせ、人間という存在を強くも弱くも、いとおしく大事に感じてもらえれば――そう願いながら、この作品に取り組みました。
◆井上麻矢(こまつ座代表取締役)
「頭痛肩こり樋口一葉」はこまつ座の旗揚げ公演でもあり、それから29年もの間、8回の再演をするほどお客様に愛され続けた作品です。栗山民也さんの新演出で魅力的なキャストとともにお届けできることは、100回の記念公演に大きな華を添えて下さいました。若くして逝った明治の女流作家、樋口一葉への井上ひさしの鎮魂歌(レクイエム)であり、登場人物はすべて女性達ですが、女性だけでなくすべての人に捧げる応援歌です。
こまつ座第100回記念公演・紀伊國屋書店提携
『頭痛肩こり樋口一葉』
日程:2013年7月11日(木)~8月11日(日)
会場:新宿南口・紀伊國屋サザンシアター
ほか、兵庫、金沢、山形、仙台公演あり
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演者:小泉今日子 三田和代 熊谷真実 愛華みれ
深谷美歩 若村麻由美
お問い合わせ:こまつ座
TEL:03-3851-5165
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