エンタメ ターミナル

平成27年1月よりここにおいでの中村翫雀さんが、四代目中村鴈治郎の名跡を襲名いたしますことを、皆様に発表させていただきます。私が申すまでもなく、中村鴈治郎という名前は明治から昭和初年まで上方歌舞伎にて大きな足跡を残されました初代に始まり、皆様のご記憶にもあるかと思いますが昭和の名優であった二代目、そして現在は坂田藤十郎を襲名されました三代目に至るまで、歌舞伎界の大名跡でございます。三代目のご長男である翫雀さんは、子孫伝来の上方歌舞伎、和事の芸を始め、天性の明るさと熱心な舞台ぶりで、特に近年はこれからの上方歌舞伎、また広く次世代の歌舞伎にふさわしい俳優として我々も期待しているところでございます。私共松竹は会社が厳しい創業時代に、初代鴈治郎さんと手を携えて大きな成功をおさめ、今日の礎を築いたという歴史があります。奇しくも、四代目襲名の来年は、松竹にとって創業120周年を迎える年です。全くの偶然ですがそういう節目に新しい四代目が誕生することは、まことに喜ばしく意義があるものではないかと思う次第です。新・鴈治郎となる翫雀さんは当月もお父様と充実した舞台を勤めていらっしゃいますが、こののちも精進を重ね立派な鴈治郎になっていただけるものと確信しております。四代目中村鴈治郎に絶大なるご後援を賜りますようよろしくお願い致します。

いよいよ中村翫雀さんの鴈治郎襲名が発表されました。お父様が坂田藤十郎を襲名する際に、あわせて翫雀さんが鴈治郎を襲名することも発表させていただき、それからだいぶ時間が経ちましたが、明年いろんな節目の年に襲名出来ますことをとても嬉しく思います。来年1月、2月の大阪松竹座から始め、来年1年をかけて襲名興行をさせていただきたいと思います。鴈治郎という名前は歌舞伎を代表するということですけれども、特に大阪、上方の俳優として素晴らしい実力を兼ね備えた方で、当人の強いご意志で大阪から襲名興行をさせていただきます。来年1月、2月の大阪松竹座に続き、4月歌舞伎座、6月博多座、そして12月南座顔見世、さらに公文協の公演で全国各地でも行われる予定となっています。襲名披露狂言は、色々なお話をしている中で、どういう座組でいくかも含めて相談しております。1年掛けて興行致しますので、是非ご期待頂けたらと思います。

本日はお集まりいただきありがとうございます。来年晴れて四代目鴈治郎という大きな大きな名前を襲名させていただくことになりました。先ほど専務からもお話がありましたが、父の藤十郎襲名の際に鴈治郎襲名のお話がございました。ただ私自身の気持ちで、父が藤十郎という名前を継いだのと近い時期に私が鴈治郎を継ぐということに少し抵抗がございました。鴈治郎という名前と藤十郎という名前が一緒について行くことが自分の中で嫌で、成駒屋にとって大事な名前であり、藤十郎という名前はもうひとつ違う域での大事な名前という意識があります。そういうわけで父が鴈治郎から藤十郎へ、私が翫雀から鴈治郎へというのが一連の繋がりになることに抵抗がございましたことと、私の機が熟すのを待ってという思いもございました。昨日、二代目鴈治郎の祥月命日でございました。菩提寺にお参りに行き、鴈治郎を継がせていただく報告をしたわけです。私にとりましてもこの名前は大変憧れであり、好きな名前です。翫雀を襲名する際に弟が扇雀という名前になり、頭の中でなぜ扇雀という名前が告げなかったのだろうという思いもございました。翫雀という名前になり来年で20年になることに気付き自分でも驚きました。鴈治郎という名前はどうしても自分が継ぎたい、これだけは誰にも譲りたくないという思いがございました。父が藤十郎を襲名したお陰で私が鴈治郎を継げる、そういうことも大きいと思います。来年4月二代目鴈治郎の33回忌です。私が初舞台を踏んだのが初代鴈治郎の33回忌でした。これも何かの運命かなと感じております。この時期に鴈治郎を継げるのは大変嬉しいことです。来年1年間長丁場となりますし、その後もずっと鴈治郎としてどんなことが出来るのか、自分でも確認をしながらやっていくことになると思います。どうぞ皆様、よろしくお願い致します。