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宝塚歌劇花組公演
三井住友VISAカード ミュージカル
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
製作発表が行なわれました 記者会見
公演について
上演回数799回、観客動員数192万3千人。
宝塚歌劇を代表する人気ミュージカルとなった『エリザベート』が、
宝塚歌劇100周年を記念し上演されます。
一人の少女がオーストリア皇后になったことから辿る数奇な運命に、
黄泉の帝王という抽象的な役を配した独創的なストーリーから成り、
美しい旋律で彩られたミュージカル・ナンバーは高い音楽性を持ち、
多くの人々を魅了してきました。
世界各地での海外上演に先駆け、1996年に宝塚で初演されてから、
今回で8度目の上演となります。
花組新トップスター明日海りおがトート役を演じる大劇場お披露目公演です。
製作発表が行われました(2014年5月14日)
◆宝塚歌劇団理事長 小林公一
『エリザベート』は今回で8回目の再演となりますが、8月22日の初日でちょうど800回目の公演となります。また、この公演中にのべ200万人のお客様を動員することが見込まれております。
宝塚の財産となりました『エリザベート』。再演のたびに、各組がその時々の 『エリザベート』を作り上げて来たからだと思っております。
今回も花組の新トップスター明日海りお、蘭乃はなを中心とした花組でしかお見せできない『エリザベート』を皆様方にお見せできるものと思っております。
多くの皆様に劇場に足を運んでいただき、楽しんでいただけたらと思います。
我々も一丸となって頑張って参りますので、ご支援いただきますよう、お願いいたします。
◆三井住友カード株式会社代表取締役社長 島田秀男
この度、花組ミュージカル 『エリザベート-愛と死の輪舞-』にVJAグループとして協賛させていただくこととなりました。
私どもは1988年の『キス・ミー・ケイト』以来、宝塚歌劇に冠協賛させていただいておりますが、本公演がちょうど40作品目となります。宝塚版『エリザベート』は1996年の雪組での初演を含め、7度の公演全てに協賛させていただいておりますが、これまでの観客動員数は192万3千人を誇り、8度目となる今回の公演では宝塚大劇場の初日で上演回数800回が達成されることとなります。このような宝塚を代表する作品を、宝塚歌劇100周年という記念すべき年に再び協賛させていただけますことを私どもVJAグループとしても大変光栄に感じている次第でございます。
本作品の主人公、黄泉の帝王トート役を演じますのは、VJAグループのイメージキャラクターでもあり、今回が宝塚大劇場トップお披露目公演となります明日海りおさんです。明日海さんは2005年の新人公演でオーストリア皇太子の少年時代ルドルフの役を演じ、2009年には青年になったルドルフを役替わりで演じるとともに、新人公演では主人公トート役を見事に演じられておられます。今回は花組のトップとして、より神秘的で、そして存在感のあるトートを見せていただけるのではないかと今から楽しみにしているところでございます。
ハプスブルク家最後の皇妃である孤高のヒロイン、エリザベートを演じられるのは、正統派な娘役らしい、清楚な雰囲気が際立つ蘭乃はなさんでございます。この二人を中心とした新生花組の皆さんと小池修一郎先生の演出。シルヴェスター・リーヴァイ氏作曲の美しい音楽が織りなす、愛と死の輪舞が5年ぶりに甦り、新たな感動を呼び起こすものと確信しております。VJAグループとして本公演の感動を一人でも多くの方にお届け出来るよう応援をさせていただきたいと思います。宝塚歌劇、並びにVJAグループをご支援賜りますよう、お願い申し上げます。
◆宝塚歌劇団演出家 小池修一郎
宝塚では5年ぶりになります。久しぶりの公演となりますので、私たちスタッフも、もう一度きちんと思い出して、向かい合わないといけないなと思っております。
ウィーンで2年前に3度目のリバイバルをいたしました。初演のシリーズがあり、少し空いて再演があり、今度再再演されました。上演する度に、他の国でやった場面など、少しずつ取り入れられたりして変わってきていたのですが、ウィーンでの3度目のリバイバルでは、宝塚のために提供していただいた「愛と死の輪舞」という曲が、ついに採用されました。1996年の一路真輝さんのさよなら公演として書いていただき、その直後のハンガリー公演では使われていたのですが、それから他の国々では歌われておりませんでした。もちろん色々なご意見の中に、割とマニアックな方の中では、あのシーンでトートがあの歌を歌うのはおかしいというような意見もあったりして。ウィーンで、この曲が採用されるまでに、時間がかかったんだなぁと思いました。ただウィーンでの歌われ方は1番はトートが歌い、2番はエリザベートが歌うという、歌詞が違いますので。そういうスタイルで、なるほどなと観ていました。
私どもは、初演通り、トートの歌として歌っていきたいなと思っております。この作品そのものが、日本の宝塚だけではなく、海外でも歴史変遷を辿っています。韓国でも上演されました。各国で曲の順番が変わったり、解釈の仕方が色々違ったりするのですが、宝塚版は宝塚版としての魅力を持っていると思いますので、それに磨きをかけて、また新たな『エリザベート』を100周年という年にお送りしたいと思います。
◆宝塚歌劇団花組 明日海りお
私は幸運なことに『エリザベート』という作品に出演させていただくのが3度目となります。1度目はアンサンブルのカフェの男などを演じておりまして、2度目は皇太子ルドルフと革命家を役替わりで演じ、3度目は、とうとうトート閣下をさせていただくこととなりました。
この作品のファンの方も沢山いらっしゃいますし、皆様、曲もよくご存知ですので、8代目トートをさせていただくということでとてもプレッシャーはあるのですが、花組にとりましては久しぶりの挑戦でこの作品に出ることを夢に見ていた下級生もおりますし、すごく皆楽しみにしているので、新生花組の団結力というか花組らしいパワーある舞台になれば良いなと思っております。
最後になりましたが、三井住友カード様、VJAグループ各社様にご協賛いただけますことを心より感謝申し上げます。
◆宝塚歌劇団花組 蘭乃はな
初演から18年。多くのお客様に愛されてきた、この作品でエリザベート役をさせていただきますことを大変光栄に思うと同時に、大きな責任を感じております。
また、本公演は明日海りおさんの宝塚大劇場トップお披露目公演となりますので、新生花組が素晴らしいスタートを切れますよう、私も初日まで1日1日を大切に努力を惜しまず、稽古に励んで参りたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。
質疑応答
―――今の花組でしか観られない『エリザベート』というお話が出ましたが、
明日海さんと蘭乃さんの魅力をどう感じ、どんな『エリザベート』にしようと考えていますか。
◆小池修一郎
明日海りおは、新人公演でも1度トートを演じていることもあり、本人はドキドキしていたと思うのですが、
危なげないというか、堂にいったというか、自分のビジョンを持っています。
彼女は少年というか、とてもアイドル性のあるところが魅力だと思う反面、籠った情念というか、
内側の熱っぽさを外に出してくることができるスターだと思います。
今回も籠った情熱を出すトートとして、クールに見えて心は熱く艶やかで殺気のあるものになるのではと
楽しみにしています。歌唱力はもともとありますが、さらに磨きがかかるんじゃないかと期待しております。
蘭乃はなは清楚なところが魅力だとは思うのですが、同時にキャリアがあります。
エリザベートは若いお姫様というだけではなく、その後結婚もし、出産もし、
そして夫婦間や親子間の問題に悩んで行く1人の女性としての人生を演じなくてはならない。
それを受け入れるだけのキャリアを持ったんじゃないかなと思って、楽しみにしています。
とても歌唱も安定してきているので、見応えのあるものができるのではないかと思っております。
―――明日海さんはトートとして、蘭乃さんはエリザベートとしての向き合い方、
こういうものを見せたいというものを教えてください。
◆明日海りお
最近、ギャップにこだわっておりまして。脆(もろ)そうに見えて強いとか、冷たそうに見えて熱いとか。
そういうギャップに人は惹かれるんじゃないかと思い、自分も取り入れてみようと思っています。
良い意味で、お客様を裏切っていくような。こう演じると思ったら、こう演じるのか!
というサプライズを…と、大きく言ってしまいましたが、大丈夫でしょうか・・・(笑)。
そういう作戦を練り、自分なりのトートを作り上げていけたらと思っております。
新人公演で演じさせていただきましたが、その時は抜粋版でカットされてしまったナンバーもありました。
今回はエリザベートを演じるのが蘭乃はなちゃんになり、共演する花組の仲間、
フランツ・ヨーゼフ役には専科から北翔海莉さんがいらっしゃいますので、
まわりの方とのコンビネーションもガラッと変わりますので、
そんな中で試行錯誤していきながら作っていきたいと思います。
◆蘭乃はな
先日、宝塚歌劇100周年式典のパーティで、シルヴェスター・リーヴァイさんがお越し下さり、
その時に、ご挨拶をさせていただきました。
リーヴァイさんから「エリザベートの魅力は、強さの中に弱さがある。彼女のアンバランスなところに
人は惹かれるから、繊細に、そして大胆に作って行って欲しい」という言葉をいただきました。
私も明日海さんと似たようなことを考えていたのですが、
丁寧に、緻密に作り上げていけたら良いなと思いました。
―――演出の変更点と、主要キャストの起用理由を教えてください。
◆小池修一郎
宝塚バージョンとして1つの定まったテキストでやらせていただいておりますので、
基本的に大きな変更点はありません。
ビジュアルでは、トートの衣裳はデザイナー有村淳さんが
毎回その人に合わせたコンセプトとして作ってくださるのですが、
エリザベートがセミロングになるとかいうことはありません。
形が決まっている中で、それぞれのアプローチというか役作りをして、
この物語に向かって行くことによって、色々な見え方がする、
多面的に見える面白い作品だと思うんです。
普通の作品だと、どうしても同じようになってしまう。でも今回8回目を迎え、
それぞれの演技者によって、見え方が変わってくるというのが面白い。
明日海、蘭乃がそれぞれお客様が持っているイメージをちょっと良い意味で裏切りたいという
二人の気持ちの方向性が向いていますので、私もそこを考えて稽古を進めていくと思います。
新しい場面が増えたり、曲が増えたりすることはありません。
フランツ・ヨーゼフ役の北翔海莉さんは、歌も含めて実力もありますし、
フランツ・ヨーゼフはとても難しいというか、男性の一生を演じていくし、
これは色々な社会的責任を負わされている男性が感じるであろう苦悩とかを背負うわけです。
それを今の彼女なら見事に演じるのではないかと期待しております。
望海風斗のルキーニは、歌唱力やシャープな演技力が生かされて、魅力的で色気のある
ルキーニが生まれるのではないかと思います。
ルドルフはオーディションの結果、若い二人になりました。
芹香斗亜は、彼女はとてもピュアで、純粋なところが魅力だと思います。
狂気に追いつめられて行くところが、とても魅力的に見えてくるのではないかと思います。
大変伸び盛りな人なので、これで一段本格的な大人の男役になっていくプロセスとして
良いところで出会ったのではないかと思います。
もう1人の柚香光はルーキーと言いますか、非常に注目されている人ですが、個性の魅力で
光っている人なので芹香とは対照的なインパクトの強いタイプです。普通じゃない個性を
感じさせるルドルフになっていくんじゃないかと思います。
狂気の世界に向かって行く様が芹香とは違う角度になると思うので、大変楽しみでもあります。
それを明日海があしらって、扱っていく。明日海トートの返し方がそれぞれに違ってくるでしょうし
トートとルドルフの2人のナンバー「闇が広がる」という曲がありますが、まったく違う印象に
なるのではないかと思います。
また、役替わりは明日海がいっぱい経験してきたと思うので、今回は向かう立場として、
良い意味で楽しんでやってくれたらいいなと思います。
―――明日海さんは、トップとして2日目ですがトップしての責任と、退団した蘭寿とむさんから学んだこと、
送られた言葉などあったら教えてください。蘭乃さんは、明日海さんの魅力と、
どうやって花組を支えて行こうかという想いを教えてください。
◆明日海りお
組子の皆とは千秋楽以来、ちゃんと会う機会が無かったので、
明日の集合日で何か違う感覚があるのかなと、緊張と楽しみとの両方の気持ちがあります。
蘭寿さんは、すべてがハナマルで広い海のような心を持ったお方。先日の公演の間にも
ご飯に連れて行ってくださって、沢山お話をしてくださいましたし、聞いていただきました。
仲間の生徒、スタッフ、ファンの方への気持ちや細やかさ、舞台の空気の動かし方も教えていただきました。
組替えして1年経ったのですが、蘭寿さんの元で学べたことは私にとってもとても大きかったなと思います。
まゆ(蘭寿)さんは、愛する花組にはずっと輝いていて欲しいと思って下さっていますし、
「みりおは、みりおらしく花組を引っ張っていって欲しい」と言ってくださいました。
気負い過ぎずと思うと、私の場合怠けてしまいそうなので、緊張感を持ちつつ、良い意味で皆に甘えて
皆のことをもっともっとよく知って頑張っていけたらと思います。
◆蘭乃はな
花組に組み替えになる前は、月組で明日海さんとご一緒させていただいておりました。
下級生の頃からお稽古場で役に入った瞬間に、まわりで見ている生徒や先生をスッと
引きつけるような集中力のある方だと思います。今日の製作発表の本番前もそうだったのですが、
お稽古場から舞台に行かれた時に、その求心力を発揮される方だと思っております。
初めて新人公演でヒロインをさせていただいたのが明日海さんの相手役だったので、
まるで初恋の方に再会したような気分なのですが、そんな浮かれたことも言っていられません(笑)。
トップ娘役に就任して、かなりの年数やらせていただいておりますし、色々な役にも出会ってきましたので、
一筋縄ではいかないと思いますが、エリザベートという役を深め演じることで花組を支えていけたらと思います。
―――大劇場のお披露目公演が『エリザベート』になると発表された時と今の気持ちを。
蘭乃さんは『エリザベート』が集大成になると思いますので、そこへ向けた思いを。
◆明日海りお
お話をお聞きした時は、再び『エリザベート』に出演できるという、こんな幸せがあるんだなと
本当に感慨深かったです。こうして3度も出られることを、とても嬉しく思います。
そして、蘭ちゃん(蘭乃)が今回で卒業します。蘭ちゃんは『エリザベート』がきっかけで
宝塚を目指したと聞いていたので、集大成として自分なりに洗練して磨いてきたことが
『エリザベート』で花開くと思うので、それをそばで見守れてすごく幸せです。
相手役というよりか、月組の新人公演で長として見ていた印象が強くて。
そんな彼女の集大成を見守れるというのは本当に嬉しいです。
◆蘭乃はな
集大成をお見せ出来ればいいのですけれど、エリザベートという役は歴代の方々も苦労して
作り上げてきたというお話を沢山伺っておりますし、2009年の『エリザベート』に出演させていただいた時に、
凪七瑠海さんがエリザベートに立ち向かって行く姿を間近で拝見しておりましたので、
いざ自分が演じるとなるとかなり緊張もあるのですが、音楽に寄り添って、
エリザベートを楽しんで演じられたらと思います。
宝塚歌劇花組公演
三井住友VISAカード ミュージカル
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション ウィーン劇場協会
潤色・演出 小池 修一郎
主な配役
トート:明日海 りお
エリザベート:蘭乃 はな
フランツ・ヨーゼフ:北翔 海莉
ルキーニ:望海 風斗
ルドルフ:芹香 斗亜/柚香 光(役替り)
【宝塚大劇場】2014年8月22日〜9月22日
【東京宝塚劇場】2014年10月11日〜11月16日
http://kageki.hankyu.co.jp/elisabeth2014/
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