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SOUND THEATRE『eclipse』
イベントが行われました
原作・脚本・演出:藤沢文翁による「みどころ」(資料より)
◆見どころ その一
歌舞伎「蘆屋道満大内鑑」と能楽「殺生石」の融合
歌舞伎と能という、本来全く異なるジャンルで演じられる物語を、今回SOUND THEATREが一つにします。
幼い頃狐に育てられ、離ればなれになる安倍晴明の物語。もう一つは、九尾の狐を退治する安倍晴明の物語。
歌舞伎と能、狐と晴明。SOUND THEATREだから語れる今までどこにもなかった安倍晴明の物語です。
◆見どころ その二
今回は演出の一部に、日本古来のマジックである手妻を使用します。妖艶な陰陽道の世界、
鬼や妖狐が飛び交う1000年前の都を、手妻を使用した演出で表現します。
◆見どころ その三
声優・ミュージカル・宝塚と異ジャンルのトップスター達に、若手実力派俳優と、
垣根を越えたコラボレーションはSOUND THEATREの見どころの一つです。
皆が同じものになるのではなく、それぞれがそれぞれのフィールドで培ってきた個性が生きる演出をしたいと思います。
◆見どころ その四
SOUND THEATREでは常に生演奏でお楽しみいただいております。今回も土屋雄作を音楽監督に、
素敵なバンドが編成されております。特に、太鼓・鳴り物、尺八・笛という和楽器が入っているのが見どころです。
◆見どころ その五
物語ですね。今回は、人間ならば、誰の心の中にもいる「鬼」をテーマにしました。愛、憎しみ、恨み、悲しみ・・・
色々な顔をした鬼達が登場します。鬼や妖怪が沢山登場する物語ですが、どこまでいっても人間の物語なのです。
STORY
今宵、安倍晴明が死ぬ
84歳の高齢となった晴明は危篤の床にあった。
晴明が今死ねば、都の結界は破れ、再び魔物が暴れ始める。
臨終の床に集まった安倍晴明ゆかりの4人、
藤原道長、源頼光、朱華、賀茂守道。
そして4人は語り始める。
狐の子、妖の子と蔑まれながらも人のために戦った男、
大陰陽師 安倍晴明の物語を・・・・・。
時は平安末期、人心は乱れ、乱れた心は鬼を生み出し、
その鬼は人を襲っていた。
朝廷は、鬼を倒すべく陰陽師達に討伐隊を結成させるも、
増え続ける鬼を前にしては、若い陰陽師達の尽力など焼け石に水。
人の心が作り出す鬼。誰かが誰かを恨むごとに、
鬼は産み落とされ、若き陰陽師達の手は鬼の返り血で汚れていった。
そんな最中、さらに今度は妖狐まで都に現れた。
妖狐の好物は、鬼の肉。鬼を宿した人の心。
夜の都で、人も鬼も見境なく喰い荒らしてゆく妖狐。
人の心の闇が生み出す鬼とそれを喰らう妖狐。
そして妖狐は神格化された神、人には殺められない・・・。
頭を抱える朝廷が指名したのは、人間で唯一、妖狐を殺められる
と噂される若者、狐の子だという若き陰陽師、安倍晴明だった。
母と同じ香りがする敵と対峙する晴明。
鬼とは? 狐とは? そして人とは?
愛する我が子を人間界に残し立ち去る狐の物語、
歌舞伎「蘆屋道満大内鑑」そして、安倍晴明による狐退治を
元にした能楽「殺生石」ふたつの物語がひとつになる時、
母の香りがする敵を倒す宿命を持つ子、安倍晴明は何を見るのか?
1000年前の京の都で、人の鬼(こころ)がぶつかり合う!
イベントが行われました(2014年9月10日)
公演まであと2週間を切ったこの日、
シアタークリエのロビーで行われました。
参加したのは、碓井将大、伊礼彼方、真琴つばさ、藤沢文翁(原作・脚本・演出)の計4名。
当初は外で開催する予定でしたが、雨が降ったため急きょ会場を移しての開催となりました。
この日大勢詰めかけたお客様がなるべく見られるように、「全員立っていると後ろの方が見えないと
思うので、前の方は座りましょうよ」との伊礼さんの呼びかけでスタート。
その後は、SOUND THEATREとは何か、どんな作品になりそうか、という話題に。
それぞれが公演にかける想いを語りました。
◆藤沢文翁(原作・脚本・演出)
SOUND THEATREというのは何かと申しますと、朗読劇のことです。朗読劇と言うと、座って読んでたまにピアノが鳴って終わるという感じを想像する方が多いと思いますが、この作品に関してはそれを忘れていただきたいと思います。ただ単に朗読するというのではなく、言葉と音楽の掛け合いにプラスして煙を使ったり、風を使ったり、今回は使いませんが炎や爆発も使ったりして五感を刺激する手に汗握る朗読劇としてやってきました。今回もクリエの方と話し、今まで使っていなかったテクノロジーを駆使した演出で異業種交流を行い、五感を刺激するものになっております。
◆碓井将大(安倍晴明役)
今回安倍晴明役をやらせていただきます。実在したのかしないのか、人間なのか人間ではないのかというキャラクターなので、安倍晴明をもう少し研究したいなと思って役作りのために京都の清明神社を訪れました。清明の家紋である「五芒星」などもあり、清明の像と並んで写真を撮りました(パネルで写真を見せながら説明)。(藤沢:清明が手を見せないようにしているのは相手に印を悟られないようにしているんです)僕はそんなことを知らずに印を結んでしまいましたが(笑)。今まで阿倍清明を演じられたような方のサインなども飾ってありました。僕も今回主演で安倍晴明役なので、その仲間に入るのかなと思いましたが、いっこうに気付いてもらえず(笑)。チラシを渡して「こういうのをやるんですよ」、と巫女さんに言ってみましたが、絵馬は500円で購入しました。この作品を大成功させて、京都での僕の認知度も上げたいと思います。皆さん是非協力してください(笑)。今日全部写真をお見せできなかったので、公演中クリエのロビーに飾ってもらおうかなと思っています。
◆伊礼彼方(賀茂守道/蘆屋道満役)
急きょ決まったイベントにも関わらず多数の方にお越しいただきありがとうございます。(司会:お稽古の様子は?)それはもう楽しくやらせていただいています。(藤沢:飲み会の思い出しかないね。笑)あはは。お稽古は2回目です。あと何回ですか?(藤沢:あと3~4回かな)。そうなんですね。碓井くんとは『テンペスト』でご一緒し仲よくさせていただいています。真琴さんとはクリエのコンサートでご一緒しましたね。(真琴:この間会ったばかりなのでまだどんな人か分からない。笑)何をおっしゃいますか(笑)。(碓井:僕もどんな人か全然分からない。笑)何を言っているんですか、皆様(笑)。こんな感じで和気藹藹とやっております。山寺宏一さんはご自分でSEをやっていていろんな声を持っていらっしゃるんですよね。僕の好きなシーンがあるんですよ。詳しくはネタばれになるので言えないのですが。(藤沢:山寺さんは七色の声をお持ちで今回3役演じていただいていて、目の前で声が変わっていくのを見ることはないですもんね)これはもう鳥肌もんですよ。
◆真琴つばさ(源頼光/葛の葉/玉藻前役)
このお仕事をやらせていただいた理由はすごく難しそうだったからです。挑戦してみたいなと思いました。朗読劇ですが、共演者のみなさん100パーセントに近い形で稽古に臨まれていて私は内心焦っているのですが、台本が面白いんです。たとえがおかしいかもしれませんが「ヘンゼルとグレーテル」がエサを見付けながら(客席笑)、あ、エサじゃなくてお菓子?(笑)を集めながら歩いていたら、不思議な世界に迷い込んだ、そんな不思議な魔力を持った台本です。引き込まれると思いますので、みなさんのお越しをお待ちしております。
◆司会:SOUND THEATREと言えば音楽です。
ヴァイオリン、尺八・笛、ギター、太鼓・鳴り物の生演奏です。
今日は録音ですが「雨露」という曲をお聞きください。
◆藤沢:この曲で使われている尺八は現在では消滅してしまった楽器です。
尺八は西洋界のドレミが出来ないんです。オークラホテルの大蔵一族が
財力でドレミ音階が出せる尺八を作ったんです。この楽器時代が製造されなくなってしまったので、
今回演奏している小湊昭尚さんがエンジニアと力をあわせてこのたび完成した楽器・オークラウロです。
これを生で聴く機会はなかなかないと思います。
曲は全部、土屋雄作さんのオリジナルで、全部生演奏です。音楽的要素としても楽しんでいただけると思います。
僕たちはBGMとは言わずにフロントグラウンドミュージックという形で、役者さんと一緒にコラボして
一緒にセッションしながら進めていく舞台です。
チラシも役者とミュージシャンが同じように並べて書いてあります。
◆碓井:稽古でもすごく感じているのですが、音楽が入ると言葉の乗りが全然違うんです。
今まで経験してきた朗読劇や芝居の中に音楽が入ってくるのとは違ったシュチュエーションに
なるのかなと思います。みなさまに、新感覚朗読劇を体感していただきたいですね。
◆藤沢:ジャズのセッションのようなもので、その日によって役者さんのコンディションや気持ちの持ち方も
変わってくると思います。それによって音楽も反応していく。そういう楽しみ方もあると思います。
◆真琴:演者は座っていて読むときだけその場所に行くんですよね。
◆藤沢:ところでみんな、楽屋の時の方が話していたよね(笑)。
◆伊礼:楽屋で話しちゃったからね。新鮮さがなくなっちゃったんですよ(笑)。
朗読劇なのに、モニター(返しの音を聞く機械)があるんですよ。
それってミュージシャンの発想ですし、ライブなんだなと。
◆藤沢:演劇でありながら、普段はライブをやっている音楽スタッフなんですよ。
◆伊礼:じゃあ、音量にもこだわったり?
◆藤沢:こだわりますよ。
◆真琴:あ、そっちのオンリョウね。怨霊かと思っちゃった(笑)。
◆碓井:俺は怨霊を全開で出していきますよ(笑)。
◆藤沢:僕も東宝さんに資料送りますと書いたつもりが、死霊になっていました(笑)。
◆碓井:死霊も出していきますよ。
◆真琴:今回なぜ安倍晴明が題材なんですか?
◆藤沢:シアタークリエでやるのは3回目なのですが、安倍晴明をやりたいというご希望があり、
僕もやりたいと思っていたので。プロデューサーに歌舞伎好きな方がいらして、
そういうエッセンスを使えば僕らしさが出せるかなと。
◆真琴:一番難しい言葉を使っているのが伊礼さんですよね。
◆伊礼:そうなんですか。僕にとっては日本語そのものが難しいから(笑)。
いつもゼロからのスタートですが、本番はきちっとやりますから大丈夫です!
◆藤沢:真琴さんも3役ですね。江戸言葉、貴族言葉、花魁言葉。
◆真琴:難しすぎて、しゃべれていない(笑)。
こうやって昔の言葉を今やることにより、昔のこと?あ、歴史?をやることにより。
私も日本まだ浅いんで・・・(ウソです。笑)
◆藤沢:こうしてくださいとお願いするとすぐにそうやってくださる。
どんだけ引き出しあるんだろう、この人はと思います。
◆真琴:引き出し?狭いですよ~。
◆伊礼:でもすごく深そう。一回入ったら出られなそう。
◆真琴:奥行きがずっと続いているんでしょ(笑)。
◆碓井:何の話なんだか分からなくなりましたが(笑)。
D-BOYSという若手の俳優集団に所属していて、
そこ以外では初めての主役です。音楽や手妻という昔の手品のようなものなども入って、
みなさんも僕も体験がしたことがないようなものになると思います。
1回観たらもう一回観たくなるような作品だなと僕は思っているので、どのようにそれを
共感していくか、残りの稽古日数でいろんなことを経験したいと思います。
◆伊礼:残りの稽古で藤沢さんが目指す色と方向性をしっかり出せるように稽古に励みたいと
思います。現時点で僕はものすごく楽しくて、特に碓井くんとのやりとりがね。
彼はキザなんですよ。安倍晴明がキザなのか、碓井(くん)がキザなのか分からないのですが(笑)。
彼の腹黒さをサポートしていきたいなと。友人でもあり、ライバルでもあり、
戦友でもあり、もしかしたら夫婦にも似たような関係かもしれません。
彼の発した言葉に乗って、楽しく明るく、クリエを照らせればいいなと思います。
◆真琴:役の話を言っていませんでしたが、安倍晴明の母親と狐の親玉と金時のじょうしの役を
歴史上の男性を女性に変えてやっております。狐風に「みなさまのお越し、まっているぞえ」。
◆藤沢:ご覧頂いて分かるように、仲のいいメンバーで笑いの絶えない現場です。
それぞれのジャンルからいらした一流の方たち。1週間一緒にやるために終結したメンバーです。
なかなか観る機会がないものだと思いますのでぜひお越しください。お待ちしております。
▲ライトのある場所を探している真琴さんの前に、先ほど使ったパネルの裏の白色部分を
レフ版にして差し出したのは伊礼さん。場内大爆笑でした。
▲レフ板!?を手に持って話す真琴さん。
▲碓井さんは清明の顔出しパネルで撮った写真を披露。
▲イベント中、碓井さんのパネルを持つ係や真琴さんのレフ版を持つ係を買って出て、
大忙しの活躍だった伊礼さん。真琴さんからは「チームワーク抜群です!」との言葉が。
新感覚・音楽朗読劇 「エクリプス」
SOUND THEATRE『eclipse』
日程:2014年9月23日(火・祝)~9月29日(月)
会場:シアタークリエ
原作・脚本・演出:藤沢文翁
音楽監督・ヴァイオリン:土屋雄作
出演:碓井将大、伊礼彼方、山寺宏一、
寿 美菜子/豊崎愛生(Wキャスト)、真琴つばさ
尺八・笛:小湊昭尚、ギター:齋藤純一、
太鼓・鳴り物:美鵬直三朗
手妻:藤山大樹
http://eclipse.soundtheatre.jp/
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