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明治座新春特別公演『春日局』
初日囲み取材が行われました
『春日局』あらすじ
時は江戸時代初期。
戦国の世に翻弄され、悲しい子供時代を送ったおふく(後の春日局)は、
貧しいながらもやっと掴んだ家族との幸せなときを噛みしめていた。
しかしその幸せも、つかの間。
徳川家の乳母として推挙されたおふくは、悩んだ末家族と別れ、江戸城・大奥へ―。
竹千代君が天下の和平を支える将軍にお育ち下さるよう役に立てればと、心に固く誓う。
江戸城大奥には、おふくと同じように戦国の世に翻弄されたもう一人の女性がいた。
二代将軍秀忠の正室・お江与。
お腹を痛めて生んだ我が子を、自らの手で育てることを許されずその寂しさに苦しめられていた。
子を思う二人の母の愛は、天下を、和平を築き上げていくのか・・・
囲み取材(2015年1月2日初日公演終了後)
◆高島礼子/おふく(後の春日局)
―――初日を終えての感想を。
12月31日、1月1日と2日間あいてしまったので、私もそうですがみんなの緊張感も伝わってきました。
―――稽古場での苦労点は。
私はあまり舞台の経験がないので皆様に御苦労をかけたということを置いておくと、私にとってはいい緊張感と、苦労と言うよりはやることなすことが新鮮でワクワクして楽しゅうございました。
―――役については。
春日局とお江与のおいたちが違うのですが、全く違うということではなく母であるという共通点はあります。立場の違いで子供に対する思いが別の形で出てきているんですけど、今も女性は強いと言われますが、昔から女は強かったんだなと再確認しました。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
私はいつも欲深いんです。出来るものは何でもやっていきたいです。
―――メッセージを。
最近、映像でも舞台でも時代劇が減ってきていると思うのでこういう本格的にこだわった時代劇をたくさんの方に観ていただきたいです。子供から大人まで楽しんでいただける作品だと思いますし、(これを機に)もう一度時代劇を楽しんでいただければいいなと思います。実在した人物が登場人物になっていてそれを脚色したものですので、こういう人たちがいたということを想像していただけたらまた全然見方が変わると思います。本格的な美しい舞台をたくさんの方に観ていただきたいと心から願っています。
◆一路真輝/お江与
―――初日を終えての感想を。
「あけましておめでとうございます。初日おめでとうございます」という状態だったのでいい緊張感でしたね。
―――稽古場での苦労点は。
高島さんとは『女たちの忠臣蔵』でご一緒させていただいて、その時初めてと言っていらして今回2度目なのですが、その時と今回では目つきも雰囲気も全然違ったので稽古場でびっくりしました。短い期間ですごくたくさんのことを吸収なさって立たれているんだなと思いましたし、私自身も刺激を受けて楽しい稽古場でした。
―――役については。
石井先生と橋田先生がタッグを組まれると女性の強さが二乗になって出てくる作品が多いので、演じる私たちも覚悟でのぞまないとなと思っております。(加藤)清史郎くんのお芝居で私に対する母への愛と、おふくに対する乳母(めのと)への愛を演じ分けてやっていらっしゃるのですごいなと思います。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
昨年もいろいろな舞台をやらせていただいて、今年もこのお正月から舞台に立たせていただいているので、いろんな役に挑戦する年にしたいです。
◆大空眞弓/お安
―――初日を終えての感想を。
全然覚えていないです(笑)。初日は緊張しますね。
―――稽古場での苦労点は。
私は若い人たちと一緒に舞台が出来てとても楽しいです。ほかの共演者とあまり舞台上で会えないので、楽屋で話したいと思います。(高島)礼子ちゃんが本当に頑張っていますね。でも頑張っているというのが見えないから素敵です。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
まずはいい千秋楽を迎えたいです。
◆西郷輝彦/徳川家康
―――初日を終えての感想を。
いい緊張感はやっぱり必要だなと思いましたし、これがあるから千秋楽があるんだなと。
―――稽古場での苦労点は。
稽古場もそうですが、とにかく女優さんがきれいなのでとても楽しいです(笑)。座長が一座を背負っているなという感じです。(高島さんは)出番も多いし大変だと思うのでとにかく身体に気を付けてね。女性が家を守り、国を守っているというのは、今も昔もすごいですね。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
どうやって悔いがないよう、楽しくおもしろく、いい仕事が出来るか、をテーマにしたいですね。
◆加藤清史郎/竹千代(後の徳川家光)
※竹千代(後の徳川家光)役の・加藤清史郎、土師野隆之介は日替わり出演です。
―――稽古場での苦労点は。
和物の舞台をやるのが初めてで、和物のセリフの言い回しも大河ドラマ以来で覚えるのも難しかったですし、お客様に顔が見えるようにという舞台での立ち方や角度も細かく決まっていて、和物ならではのことがたくさんあるので、それを自分の頭にインプットするのに時間がかかりました。
―――高島さん、一路さんとの共演はいかがですか?
ほんと優しいです。稽古でセリフを間違えても「大丈夫よ」と本当のお母さんのように接してくださるので、そういうのが嬉しいですし、僕も安心して出来ます。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
充実した年にしたいです。1月は和物の舞台が初挑戦、2月は歌舞伎初挑戦です。初挑戦なことばかりですが、初挑戦の波に打ち勝っていこうと思います。(共演者一同感嘆の声があがりました)
◆石井ふく子(演出)
―――豪華出演者での上演ですがいかがですか。
26年前に帝劇で上演されているのですが、明治座さんからこの作品のお話をいただいた時にはすっかり忘れておりました。その後再演もなかったので。あの時3幕物で4時間あったので、2幕にまとめるというのは、人間の成長を描いた作品なので難しかったのですが、協力的なみなさまで無事に初日が明けたので良かったなと思います。演出としてはこうすればよかったというところもありましたが、客席からこの舞台を観て、「とても美しい」と思いました。色彩ではなく、人間の心が皆様に美しく映るといいなと、自分自身でそう感じました。こういう人たちが生きてきたというのを、文明と文化の差が激しい今の時代に、ちゃんとやっていかないといけないなと思います。
―――今年どういう年にしていきたいですか。
こういう時代劇をきっちりやるところが少なくなってきているので、この時代の人が生きていないので(本当のところは)誰にも分かりませんが、観にいらしてくださった方が心にお土産を持って帰っていただけるような作品を作りたいなと思います。
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