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彩吹真央さんインタビュー「彩吹真央 LIVE 2015『The woman Y』」 2015年04月

(2015年04月06日記載)

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彩吹真央さんインタビュー
丸の内コットンクラブで「彩吹真央 LIVE 2015『The woman Y』」を開催
お話をうかがいました

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彩吹真央(あやぶき まお)さんプロフィール

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1994年宝塚歌劇団入団。繊細な演技力とのびやかな歌声を持つ男役スターとして活躍。宝塚版『エリザベート』では、深みのある役作りでフランツ、ルドルフ役、などを演じ豊かな歌唱力を披露した。2010年宝塚歌劇団を退団。主な出演作品は『DRAMATICA/ROMANTICA』『Pal Joey』『COCO』『モンティ・パイソンのスパマロット』『サンセット大通り』『シラノ』『ウェディング・シンガー』等。 また、コンサートなどの歌手活動や声優など様々なジャンルにも積極的に挑戦している。 2013年春には、20周年記念コンサートをBunkamuraオーチャードホールで開催した。
今後の出演予定、舞台『アドルフに告ぐ』。

彩吹真央オフィシャルサイト
http://www.grand-arts.com/ma/index.html

彩吹真央オフィシャルファンクラブ「Precious」
http://www.mao-ayabuki.jp/



彩吹真央さんインタビュー(2015年3月29日/取材・文・撮影:住川絵理)



――― 彩吹さんのお好きな季節、春がやってきましたね。
宝塚を卒業して5年経ち、この春をどのような心境でお迎えになりましたか?


宝塚に入学したのも卒業したのも春でしたから、毎年この季節が来る度に身が引き締まります。
本当に良い季節に宝塚を卒業させていただいたなと思いますし、それをあまり意識し過ぎなくとも、
自然と意識する季節でもあるのでそれは運命だったんじゃないかな、と思いますね。
女優としての第一歩を踏み出した時から、1年目の春、2年目の春・・・を迎え、5年目の春となる今年は、
丸の内コットンクラブでライブをやらせていただくことになりました。
一昨年、彩吹真央20周年記念コンサート『80seasons』をやらせていただいた際、
「次はライブが出来たらいいな」と思いました。普段はミュージカルなどの舞台に立たせていただく機会が多いの
ですが、コンサートやライブは自分が表現したいことをお見せする場所でもあります。
女優として歩み始めてから丸5年が経ち、“今の私”を感じていただけるライブにしたいなと思っております。

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――― タイトルの『The woman Y』は、どのような意味があるのでしょうか。
やはり愛称である「ゆみこ」の“Y”ですか?


そうですね。皆様が「ゆみこさん」と呼んで下さるので、私の中での“Y”というのはそういう意味での“Y”でもあります。
最初にライブをさせていただいた時には『Y+9cm』というタイトルでした。これは「ゆみこ+9cm」という意味で、
女優になった時に初めて履いたヒールの高さが9cmだったからそう名付けたんです。
今思い返すと、女優として9cmのヒールを履いて奮闘していた私がそこに居ました。
「今は、どんなYかな?」と自分でも考えています。そういう意味では、聴いて下さった方が、
そこに存在する“Y”を楽しんでいただけるライブになったら嬉しいな、と思います。

――― “Y”の部分もそうですが、“The woman”と付いているということは、
“女性として”ということも意識しているのかな?と、想像しました。


初めてのライブや宝塚を卒業した直後だったら、こういうタイトルは自分で付けられなかったと思うのですが、
5年経って培ってきたものに対する自信が出てきたからなのかもしれません。舞台人としてもそうですし、
女性としての存在の仕方が、「男役の頃とは変わってきたな」と自分の中でも思えるところが増えてきたので、
今の私=『The woman Y』で表現したいなと思ったんです。

――― 5年前のことは懐かしい感じですか?

感覚的にはこの5年間はあっという間だったなと思います。
舞台に立つ仕事をしていること自体は宝塚時代と変わりませんが、やはり演じる役の性別が違うのは
一番大きな変化ですよね。最近も宝塚時代の自分の写真やムービーを観たのですが、自分じゃないような感覚なんです。
「あ、宝塚の彩吹さん?」みたいな感じ(笑)。男役としての彩吹真央は宝塚の卒業とともに完結していたので、
“男役・彩吹真央”と、“女優・彩吹真央”は、違う人生だと思って進んできているからこそ、
切り替えられたのかなと思います。別にかけ離して考えようとしているわけではありませんが、
男役を卒業し女優として歩んでいる“今の私”が振り返ると、男役時代は懐かしいというより、別人というか・・・(笑)。
でも、決して寂しい気持ちではなく、潔く、「頑張っていたね」という言葉を掛けられる自分がいるんです。
宝塚時代も「男役・彩吹真央としてこうありたい」という意思を貫いてやってきたので、
振り返ると胸を張って、「カッコいい生き方していたね」と言えます。
ちょっと自分のことを誉め過ぎですけど・・・(笑)。

――― 宝塚をご覧になる機会もありますか?

観に行きますね。(自分が在籍していた)雪組と花組が多いのですが、見方は全然変わりましたね。
在団中は男役目線でしたが、今は客観的に「カッコいいな」って思います。娘役さんの髪型や仕草に目が行き、
「素敵だな」とか「自分の引き出しになりそうだな」、と。宝塚の娘役さんは男役さんのことをたてているので、
そういうところも見ちゃいます。お稽古中も男役さんより1時間早く起きて髪型作っているんだろうな、とか。
私は入団する前、宝塚ファンでもあったので、その頃に気持ちが戻っているような気がします。
宝塚を好きで育って来た部分があるので、今は女優目線で宝塚を楽しませていただいています。


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――― 今回の『The woman Y』についてお聞かせ下さい。

やはりコットンクラブでさせていただけるということで、まずはジャズを頑張ろうと思いました。
STB(スイートベージル139)でさせていただいた時にも少し歌ったのですが、それから4年以上経っています。
コットンクラブは国内外の素晴らしいアーティストの方々がライブをなさっていますが、
あの雰囲気の中でジャズを歌う自分を想像してみました。コットンクラブでお客様に喜んでいただくには
何をしたらいいかを考えたら、あの雰囲気、世界観に浸れることじゃないかなと思ったんです。

――― ジャズはお好きですか?

好きです。先日『SHOW-ism VIII 【ユイット】』という作品の中で「アイ・ラブ・パリ」を歌わせて
いただいたのですが、これまでジャズはあまり歌ってこなかったので、
ジャズっていうのはこういう雰囲気なんだなと思いました。今回は英語の曲にもチャレンジしようと思います。
やるからには、意味もちゃんと理解して、発音も気を付けて、聞き心地の良い英語だなって思っていただける
ところまで持っていきたいなと。私なりに咀嚼(そしゃく)して、
「今の私が表現するならこうかな」というところを自分の中で色々とアレンジしながら練習をしています。

――― 具体的にはどのようなライブに?

前半が、私が好きなコール・ポーターの楽曲のメドレーや、ジャズスタンダードを中心にお届けしたいと思ってます。
後半は女性ならではの歌、恋愛に関する歌を集めてみて、女性の恋愛の心理の変化みたいなものを表現出来たら、と。
出逢いがあって、そこから燃え上がって、そこからどうなるか・・・という流れです。
その構成を楽しんでいただけたらいいなと思いますし、女性が聴いたら「分かる〜」って思っていただいたり、
男性が聴いたら「女性ってこんな面があるんだな」という発見を
していただけたら。私が「女ってこういうものよ」と全て分かっているということではなく(笑)、
私が考える、女性の強さや弱さとか、色々織り交ぜたものが表現できたらいいなと思っているんです。
『The woman Y』の部分ですね。ジャズだけでなく、J-POPナンバーやミュージカルソングも入っています。

――― リンクする部分があったからそういう心境になったのですか?(笑)

私が自慢出来る恋愛話は、これまでに演じてきた役の中でのお話で・・・(笑)。
女優になって5年間の中で、私の女性らしさというのは、出会った役から学ぶことがすごく多いんです。
役者は年齢、国籍、生まれ育った環境や生い立ちとか、自分じゃないものを演じます。
その時に、女優って面白いなって思います。最近の中で本当に面白かったは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で
浮気する奥さんの役をやった時。結婚したこともないし、子どもも産んだことないし、浮気もしたことないし、
離婚したことないし(笑)。かけ離れた役が来た時に、何をキャッチするか、
それをまた次に出会った役にどう反映するか、大切にひとつずつ引き出しにしまっています。
だから新しい役に出会う度に、何かやったことの無いことをしたいですし、知らなかった感情を知りたい。
そういう感じで5年間やってきました。ライブの後半での“Y”の部分は、その限られた曲の中で、
色々な断片が表現出来たらいいなと思います。でもライブは私自身として歌うので、
あまりに演じ過ぎてしまうとちょっとクドくなってしまいますよね。そういったところのバランスが、
シンガーの役割なのかなと、そこを模索しているところです。

――― 以前お話をお聞きした時には、「作曲された方の思いに乗ったら表現も色々変わるので、
曲によって世界観を変えたい」とおっしゃっていましたね。


特に、コール・ポーターさんの曲を探っていると、本当に色々な方が歌っていらっしゃいます。
それぞれ、その人の表現があって面白いなと思いますし、それをミュージカルっぽく歌う場合もあれば、
こういったライブハウスでさらっと歌うアレンジもあるんですよね。「じゃあ私は今回、この曲を
どういう風に表現しようかな?」と考えるのですが、やっぱり「コール・ポーターさんがどう思って作ったのかな?」と。
コール・ポーターの『五線譜のラブレター』という映画が大好きなんですけど、あの映画を見返しながら、
こんな感じでこの曲は作ったのかな?とか想像しています。

――― シンガー・彩吹真央として、このライブが終わった時にどうなっていたいですか。

ジャズを中心に色々なジャンルの曲を集めてきているので、それを一辺倒ではなく、
その曲その曲で声色を変えたいと思っているんです。だからこの『The woman Y』をご覧いただいた後に、
彩吹真央が一色だけではなく、色んな色として目に映ったらいいなと思います。
舞台のように衣装を着替えるわけでも髪型も変えるわけでも無いのですが、そこに存在し、変化してゆきたいです。
単純にに私が歌いたい曲を並べて歌うという方法でも、成り立つとは思うのですけど、
私は欲張りなのであえてハードルを上げてそういうところに挑戦したいですね。

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――― たくさんの舞台に出演なさっていますが、これからの5年はどうありたいですか?

宝塚を卒業して3年目くらいまでは新人の感覚で、女優1年生です、2年生ですみたいな感じでした。
やったことが無い役や着たことがない衣装も多かったのですが、もう新人ではないので、
これまでやってきたことに自信を持っていきたいです。余裕を持ちたいと思っているのですが、
やっと最近少し持てるようになってきたかな、と思います。舞台もライブも毎回思うのは、自分自信が楽しまないと、
お客様は楽しんでいただけないなということ。さらにはプロとして高みを目指していきたいです。
「彩吹真央だったらこうするかな」と、なんとなく想像できるようなものではなくて、
それを裏切るようなところに行きたいなと思うんです。それを絶対にやってやる!という感じではなくて、
色んな意味で余裕を持って、色々な役に挑戦してゆけたらいいなと思います。

――― 最近、何か面白いことはありましたか?なかなかお休みも取れないと思いますが。

ライブは自分自身と向き合っている仕事なので面白いです。でも部屋の中での作業が多くなり、
朝起きてから寝るまで、ずっとライブのことをやっていることもあるので、屋外に出る機会を作らなきゃ!と思って、
半月くらい前から朝の散歩を日課にしました。絶対に、1回は家の外に出るという目的を持ちたいなと。
40分から1時間くらいウォーキングするんですけど、今の時期、ちょうど桜の咲く季節で、
蕾み、三分咲き、五分咲き、七分咲きと日々の変化を感じられるんです。
頭の中で歌詞を反復したり景色を楽しみながらひたすら歩く。気分転換をしつつ、勉強しつつ、自然観察しつつ、
とても有意義な時間です。そういう時に何を感じるかということも大切にしたいな、と思います。

――― 彩吹さんらしいエピソードですね。お人柄が現れている気がします。

そういう時間が大事だなって改めて思いました。面白い話というテーマにしては、ちっちゃい!という感じですが(笑)、
そんなことも、何かの表現に生かしていきたいなと思うんです。
そろそろ海外旅行もしたいなとは思うのですが、今英語の曲に毎日触れているので海外に行っている時と
同じぐらい英語の中で過ごしています。この勢いで、しゃべれるようになったらいいなと思いますけど、
なかなかそうはいかない・・・(笑)。

――― 今、何か興味があることはありますか?

何かあったかな・・・えーとですねぇ・・・(笑)、ライブや次の作品のことに意識がいっています。
あ!、簡単な料理はします。最近は和風パスタをよく作ります。
普通はミートソースやトマト系が多いと思いますが、和食が好きな私はふっと「和風パスタ作ってみよう」と思って、
作ったら美味しかったんです。納豆やオクラ、なめこを入れてみたり。
具材を変えつつ挑戦しています。あとは野菜も好き。
これまた興味がある話にしては小さすぎる!!!・・・(笑)。

――― それでは改めて皆様にメッセージをお願いします。

私の中で“Y”というのは愛称の“ゆみこ”から来ているという意味もあるんですけれども、
無限の可能性を秘めた“Y”としても捉えているので、『The woman Y』で今存在する私を表現したいと思います。
「こんな“Y”を見た事がないね」とか「もしかしたらこういうことも出来るんじゃないの?」と秘めた可能性を
感じていただけるような、ワクワクするようなライブにしたです。
「またコットンクラブで見たいな」「また違う“Y”に会いたいな」と、
これからの“Y”にも期待していただけるような、次に繋がるようなライブにしたいです。

皆様のご来場をお待ち致しております。

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「彩吹真央 LIVE 2015『The woman Y』」

 

2015年4月24日(金)

1st Open17:00 Start18:00 2nd Open19:30 Start20:30

 

2015年4月25日(土)

1st Open15:00 Start16:00 2nd Open17:45 Start19:00

 

2015年4月26日(日)

1st Open15:00 Start16:00 2nd Open17:45 Start19:00

 

会場:丸の内 コットンクラブ(千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA)

 

http://www.grand-arts.com/works/2015ayabukilive.html

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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