『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。
大塚国際美術館 システィーナ・ホール
第七回 システィーナ歌舞伎
『La Belle et la Bete 美女と野獣』
片岡愛之助、中村 壱太郎囲み取材
大塚国際美術館では、2009年よりヴァティカンのシスティーナ礼拝堂を
原寸大に立体再現した「システィーナ・ホール」を舞台とする 『システィーナ歌舞伎』を上演しています。
これまでに、2009年の『切支丹寺異聞 伽羅紗』、2010年『スサノオ susanoo』、
2011年『GOEMON 石川五右衛門』、2012年『『主天童子』、
2014年『満月阿波噺 Le Mariage de Figaro フィガロ』
2015年『百合若丸弓軍功 ユリシーズ』と、
美術館の空間を最大限に生かした画期的な演目を披露。
今回も「和と洋のコラボレーション」「新作歌舞伎」をコンセプトに、
歌舞伎ファンはもとより美術ファンにも広く歌舞伎に親しむ機会を増やし、
徳島から新しい文化の創造・発信に取り組んでいます。
『La Belle et la Bete 美女と野獣』を2016年2月19日~21日にかけて6回公演。
「大塚国際美術館」は、徳島県鳴門市の鳴門公園に位置し、世界の名画1000点以上の
原寸大の作品が一堂に展示されている、陶板名画美術館です。古代壁画から世界25ヶ国
190余の美術館が所蔵する現代絵画まで、世界の名画を特殊技術によって、
原寸大の陶板で忠実に複製。鑑賞ルートは約4kmに及び、現地の空間そのままに
再現した古代遺跡や礼拝堂の立体展示のほか、レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」、
ゴッホ「ヒマワリ」、ピカソ「ゲルニカ」など、美術書などで一度は見たことが
あるような名画を展示されています。
今回上演を行う「システィーナ・ホール」も、ミケランジェロが描いた天井画と
正面祭壇壁画「最後の審判」とともに立体再現。その迫力は必見です。
天下麻のごとく乱れ、下剋上の嵐が吹き荒れた応仁の乱、美濃の国の守護鷹司冬明(たかつかさふゆあき)は、
長井政光との戦いに敗れ、城は落城、家来たちも討死、三人の娘の家族のみの落武者となってしまった。
皆を残し冬明は、お家再興の糸口を探し求め、不思議な佇まいの古城に辿りついた。
庭には花々が咲き乱れ、室内には豪華な食器に山海の珍味が並んでいた。
ご馳走に腹を満たし、娘の土産に一本の薔薇の花を手折ると、俄にあたりが振動して、恐ろしい野獣が現れ、
薔薇を手折った罰に娘を差し出せ、さもなくば皆殺しと迫った。
戻った父の話を聞き、心優しい三女の美寿々姫(みすずひめ)が、野獣の許へ行くことになった。
美寿々姫をひと目見た野獣はその美しさ、優しさに心奪われる。醜い野獣と美しい姫、果たしてこの恋は…。
―――初日公演を終えての感想を。
◆片岡愛之助
皆様良くご存知の『美女と野獣』を、今回、歌舞伎版として上演するということで、
どうなるんだろう?!とお思いになられる方が多いのではないかと思います。
そもそも六代目菊五郎の『鏡獅子』を見てジャン・コクトーが映画にしたということで
もともと歌舞伎から出来あがった話なんです。今まで誰も目を付けなかったものを
今回私たちがやらせていただきます。本日初日を迎えました。
やはりこのシスティーナ礼拝堂が素晴らしく、それに合った動き、振付、衣裳となっています。
本日、私たちは力の限り勤めましたが、お客様から「待っていました」という
アットホームな雰囲気から、一層力をいただきました。
ありがとうございます。
◆中村 壱太郎
あっという間にお稽古から今日の初日を迎えました。
愛之助のお兄さんと、このシスティーナ礼拝堂で、新たな歌舞伎をということで
ご一緒させていただいて、今回は『La Belle et la Bete 美女と野獣』の美女、美寿々姫を勤めます。
これまでにも、システィーナ歌舞伎から、いろいろな全国の劇場で上演出来る作品
たとえば『GOEMON 石川五右衛門』『切支丹寺異聞 伽羅紗』などが生まれております。
この作品もそのような作品になるよう、千穐楽までしっかりと勤めていきたいなという思いです。
お客様の拍手から、より一層その気持ちが強まりました。
―――衣裳のポイントは。
◆片岡愛之助
ステージが広いですし、両方に花道のようなものがあり、
普段はあんなに端から端まで走り回ることはないのですが、走り回っております。
今回マントの色や柄と獅子の法被、最後の衣をあわせて統一感を出し、
同一人物だというのを分かりやすくしております。
―――今回、歌うシーンもありますね。
◆片岡愛之助
やはりコラボ歌舞伎ということで、新たな試みとして
このような歌舞伎もひとつのジャンルとしてあってもいいんじゃないかと。
今回、システィーナ歌舞伎を観にこられて、「歌舞伎を観に来たのに」と
驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、古典、復活、新作、コラボと
歌舞伎にもいろんなジャンル、いろんな柱があっていいと思います。
―――それにお付き合いして、壱太郎さんも歌いましたね。
◆中村 壱太郎
静かに歌わせていただいております(笑)。
◆片岡愛之助
女方で歌うのって大変なことなんですよ。
◆中村 壱太郎
お聞かせ出来るようなものでは・・・と思いつつ、
歌って舞って技を魅せるのが歌舞伎ですので、
そのことを信じて頑張ります。
―――歌舞伎で新たに挑戦したいことは。
◆片岡愛之助
先ほど、壱太郎さんもおっしゃいましたが『GOEMON 石川五右衛門』『切支丹寺異聞 伽羅紗』など
この場所から生まれて他の劇場で上演されているものもあります。
今回もありがたいことに、この公演も切符を売り出して15分で完売しておりますので、
観たくても観られない方もたくさんいらっしゃるので、違った場所でも上演して
発信していきたいなと思っております。
出来ればシスティーナ歌舞伎もそうですが、また新たに本格的なミュージカルにも
挑戦していきたいと思っております。
ミュージカルはひとつの夢でもあります。
片岡愛之助
左 中村 壱太郎、右 片岡愛之助
大塚国際美術館 システィーナ・ホール
第七回 システィーナ歌舞伎
『La Belle et la Bete 美女と野獣』
作・演出:水口一夫
振付:藤間勘十郎
出演:片岡愛之助 中村壱太郎 木場勝己 上村吉弥 ほか
日程:2016年2月19日(金)、20日(土)、21日(日)
時間:午前の部 11:00/午後の部 15:30
会場:大塚国際美術館 システィーナ・ホール
入場料(美術館入館料・観劇料込):全席指定12,000円
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。