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オフィス3 ◯◯『鯨よ!私の手に乗れ』開幕
作・演出の渡辺えりの両親が老人ホーム、介護施設に入ったときに感じた悲しい思いと、実体験をエピソードとしてふんだんに織り込んだ物語。
約40年続けてきた演劇について検証しようと、リアルな演劇全盛の現代にあって、現実と妄想の世界を行き来するファンタジーは渡辺作品の真骨頂!
認知症患者たちが描く現代と過去、それぞれの回想が入り混じって複雑に展開していく。執念のような思いと比例するように、自由に動かぬ手足、認知症で途切れた何かを乗り越えようとする未来の姿は見につまされる。
木野、久野、鷲尾、銀ら主演のベテラン女優たちはみな60代前後。彼女たちが憧れたひと世代上のアングラ演劇へのオマージュや演劇をはじめたころの熱いが彼女たちの姿から湧き上がってくる。彼女たちには現在活躍している女優にはない怪物性とでも言うかのようなスケール感がある。そんな彼女たちが抱えたたくさんの思いが、渡辺えり自身を描いた絵夢=KAKUTAの劇作・演出家である桑原裕子や若い俳優たちにバトンが渡されるかのような必見の芝居だ。
<あらすじ>
山崎県山崎市。母・生子(銀粉蝶)が入所する介護施設へ、久しぶりに見舞いにきた神林絵夢(桑原裕子)。母は認知症で、絵夢の弟・公男(土屋良太)やその妻・美代子(広岡由里子)が時折やってきては世話をしているものの、母は二人が誰かはわからない様子。絵夢は故郷を離れ東京で40年も演劇を続けているため、母の世話は弟夫婦にほとんど任せているよう。若いころ働き者だった生子が、起床時間はもちろんなにからなにまで四角四面に扱われている様子を見て、絵夢は介護士たちに不満をぶつけ終いには東京に連れて帰ると暴れ出す始末。そこに生子と同世代の入所者、藍原佐和子(木野花)、吉川涼子(久野綾希子)、ヘルパーの水島貴子(鷲尾真知子)たちが次々に語り出す。彼らは40年前に解散した劇団のメンバーだったこと、この介護施設があった場所に稽古場にしていた廃工場があったこと、主宰が行方不明になったこと、解散直前に上演するはずだった作品を上演する約束をしていたこと、そして生子も劇団の一員だったこと……。ところが彼らの持っている台本は途中から破られていた。そこから先へ進めないメンバーを見かねて、絵夢は台本を書くと言い出す--。
<アフタートークゲスト>
1月20日(金)19時 八嶋智人
1月21日(土)16時 グループる・ばる(松金よね子、岡本麗、田岡美也子)
1月23日(月)19時 市村正親
1月29日(日)16時 根岸季衣
1月30日(月)19時 永井愛
1月31日(火)16時 上田岳弘
オフィス3 ◯◯
『鯨よ!私の手に乗れ』
作・演出・振付 : 渡辺えり
出演:木野花 久野綾希子 桑原裕子 土屋良太 広岡由里子 鷲尾真知子 渡辺えり(50音順)
/銀粉蝶/小出奈央/川口龍/佐藤友紀/渡辺流演劇塾塾生 他
日程:2017年1月18日 (水) ~2月5日 (日)
会場:シアタートラム
チケットに関するお問い合わせ
atlas:03-5413-4815(平日12~18時)
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