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OSK日本歌劇団
真・桃太郎伝説『鬼ノ城(おにのしろ)~蒼煉の乱(そうれんのらん)~』
高世麻央 東京公演開幕直前の囲み取材
大和朝廷が誕生したばかりの頃、朝廷は国を四つに分けて、それぞれに討伐隊として将軍(四道将軍)を置いていた。
剣豪の将軍であり、高潔で正義感が強いイサセリ皇子は、各国に名を馳せていたが、突然、御役御免となってしまう。
失意の中、心を鎮めるために、山中に身を寄せ修行に明け暮れていた。
どこから現れたのか、タケル・ユン・マオリと出会い、いつしか心許せる仲になっていた。
平穏な日々が続いていたが、山中に「鬼」が出たとユンが騒ぎ出す。彼には神通力があり、それは山神からの啓示だった。
時を同じくして、吉備国から御所へ鬼のような温羅(ウラ)という男が、残虐非道な行為で人々を虐げている、
助けてくれという嘆願書が届いていた。吉備国は鉄(タタラ)の技術で発展を続け、
今や大和朝廷に匹敵するほどの大国となりつつあった為、朝廷の右大臣 望月上道は吉備国に対し、
膨大なタタラの剣を秘匿し、謀反の疑いありと声を上げた。
真相を明らかにする為に、朝廷の使者は吉備国へ向かうのだが、山神の啓示を聞いたイサセリ皇子らも後を追った。
ユンが見た「鬼」が吉備国にいるのか、上道の言う通り謀反を起こそうとしているのか、温羅とは一体何者なのか、
不安を抱えたまま旅を続けるが、そこで目にしたものは、片腕を切り取られ無残に殺された朝廷の使者の姿であった。
そして、御所に使者の切り落とされた腕が送りつけられた。帝を始め宮中は騒然となり、
怒り狂った帝は吉備国への侵攻を決定し、出兵を指示した。この事件が、大きなうねりを描き、
物語は桃太郎伝説の真相へと突き進むのであった。本当に鬼はいたのか、鬼とは一体誰なのか。
※イサセリ皇子…桃太郎のモチーフとなった「彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)」
出演者:高世麻央・桐生麻耶・折原有佐・悠浦あやと・虹架路万・愛瀬 光・翼 和希・
城月れい・千咲えみ・実花もも・天輝レオ・壱弥ゆう・羽那 舞・湊 侑李
稽古場レポート掲載
OSK日本歌劇団真・桃太郎伝説『鬼ノ城(おにのしろ)~蒼煉の乱(そうれんのらん)~』舞台写真掲載
―――大阪公演を経ていよいよ東京公演が開幕となりますが、大阪公演で感じたこと、
そして東京公演に向けての抱負をお聞かせ下さい。
今回、私自身もすごく久しぶりのお芝居作品です。
大阪公演では私たちが想像している以上にお客様にお楽しみいただいたようでとても嬉しく思っております。
イサセリチームは賑やかにワイワイやっておりますが、感動出来るシーンもございますし、
すごく色々なものが凝縮された作品だと思います。真・桃太郎伝説ですがただの桃太郎伝説でもないですし、
桃太郎さんが鬼退治に行きますというだけの話でもないです。スケール感の大きなお話なので
劇場が変わって、そのスケール感がどれだけ出せるかが課題でもあります。
大阪のお客様と東京のお客様では反応も違うと思いますので、いい意味で慣れている公演ではありますが、
初心に戻って銀座博品館劇場の空間でどれだけお客様にお楽しみいただけるかを追求していきたいと思います。
―――イサセリ役は愛する人を守る為に変身するような場面にドキドキしましたが、
演じる上で何を大切にしていらっしゃいますか。
イサセリの皇子は、第一皇子にはなれない身分で、屈折しているところから始まります。
(冒頭の)夢の中の一場面にもあるように、幼い頃から母からも「笑ったり感情を出したりするのはいけません」と
制限をされて、そういう感情を封じ込めてきました。将軍の任を解かれることにより大切な三人の仲間に出会い、
一つの物事を三人の仲間と共に解決していくことで変化していきます。
マオリとの関係も前半は仲間だと思っていますが、後半では失った時にすごく大事なものだと気付かされます。
イサセリとしての成長過程も描かれていると思いますし、大事な仲間たち、大事な恋人を得て
これからいろんなことに向かって行くんだろうなという余韻に繋がればいいなと思いながら演じさせていただいています。
鬼の所も声色は変化しますが扮装は同じなので、ポスターの姿に瞬間で変われたらいいなと思いつつ、
内面からそういうものが表せたらいいなと思っております。
同じ扮装でも違うというのを感じていただきたいなと思いますので、熱演するに尽きますね(笑)。
イサセリと温羅は違う出会い方をしていたら本当に良き友になれただろうなと思います。
そういうことを想像したら余計泣けてきます。大阪公演よりも更にそういうことを感じますので、
東京公演ではそういうところを新鮮に感じながら演じたいです。
―――大阪公演も大好評の公演でしたね。高世さんも大きなエネルギーが必要な役ですね。
そうですね。暴いていくところなどは自分でもまばたきするのを忘れる位で、それ程やりがいのあるお役をいただきました。
イサセリとしてその時に起こるスケールの大きい物に立ち向かっていこうと思っています。
これだけのことを経験させていただけるのは本当に幸せです。
―――また観たいというお客様も多いのでは。
私は、博品館劇場は外部公演では何度か出演させていただいたことがありますが、
OSKの公演として(私が出演するのは)初めてです。お客様にも見やすい劇場だなと思います。
大阪公演でもOSKを初めてご覧になる方も多かったですし、男性のお客様も多くいらして下さったようです。
東京公演は4日間しかないのですが、何かそういうきっかけとなる公演に出来たらいいなと思います。
心を込めて役としてどう生きられるかということに奮闘していますので、その勇士を観に来ていただけたらと思います。
―――久しぶりのラブシーンもありますね。
そうですね。愛しい人を前にして・・・という歌劇らしい場面ですよね。あの歌も大好きです。
本当にいろんなことが凝縮されているので、ひとりでも多くの方にご覧いただきたいです。
―――今年はOSK日本歌劇団95周年ですね。
今までも色々なことをさせて頂き、今年の95周年があると思っております。
95周年だからこういうことをするというよりは、95周年だからこそ何が出来るかというのを考えていく時なのかなと思います。
これからの100周年へと繋がるような95周年にしていきたいです。
この公演も新たな試みとして劇団の方も考えたものだと思います。作・演出・振付のはやみ先生も
「今までのOSKを残しつつ、新たなことにもトライする」というところを目指しています。
ポスターのメイクも、お客様からどういう反応があるかな?というのがすごく大きかったのですが、
みなさんが期待を持って観に来て下さいます。今回は14名の作品なのでこのメンバーで
「これぞOSKという芝居を見せたい」という思いで、今出来ることを尽くしています。
今年は大人数が揃っての松竹座と新橋演舞場で公演が控えていますので、
感謝の気持ちを持ってお客様に楽しんでいただけるよう頑張ってまいりたいと思います。
―――最後に、東京公演に向けてのメッセージを。
気軽に観に来ていただけたらいいなと思います。
ストーリーを「こういうものですよ」と口で説明するような作品ではないので、
お越し頂いて桃太郎の世界を堪能していただくことが今後の第一歩に繋がるような気がします。
楽しみに待っていて下さった皆様には、期待を裏切らないような舞台にしたいなと思います。
殺陣もお芝居もダンスもあって、色々な見せ場がたくさんあります。
まずは観に来ていただいて、新しい桃太郎伝説を一緒に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
OSK日本歌劇団
真・桃太郎伝説『鬼ノ城~蒼煉の乱~』
作・演出・振付:はやみ甲
音楽:松岳一輝
振付:Kayeon
宣伝メイク:新納薫
衣装:村山明子(COSLOVE)
小道具:村上晃子
【東京公演】
日程:2017年2月23日~2月26日
会場:博品館劇場
チケットお申込み・お問い合わせ
OSK日本歌劇団 06-6251-3091 (10時~17時)
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