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こども歌舞伎スクール寺子屋 2021年度中学部門成果披露公演 合同取材会
「こども歌舞伎スクール寺子屋 2021 年度中学部門成果披露公演 合同取材会」を開催いたしました。
本日の取材会には、寺子屋日本舞踊部門統括講師で、寺子屋オリジナル作品『贋作桃太郎 百桃かたり』、
そして、このたび中学部門女子舞踊コース生徒へ向けてつくられた新作『本朝不思議之國 夢逢姫』の演出・振付の藤間勘十郎と、
『百桃かたり』 に引き続き『本朝不思議之國夢逢姫』脚本の戸部和久(松竹芸文室)が登壇しました。
◆藤間勘十郎
このたび、『本朝不思議之國 夢逢姫』の演出・振付、また苫舟として作曲の方もさせていただいております。
大変なこともあり、また楽しいこともあり、今そのなかで出演者とともに苦しんで稽古しておりますけれども、
今の中学部門の女子生徒たちがもっているものが充分に引き出せる作品になっているかと思いますので、
どうぞお楽しみにご覧いただけた らと思います。
◆戸部和久
『百桃かたり』という、小学生に向けた新作、それから引き続きまして、
今回の『夢逢姫』というものを書かせていただきました。
最初に、中学生の女性に向けて何かと考えましたときに、「不思議の国のアリス」の世界観と、
少女が大人になっていくという、まさに中学生の女性に向けた作品としてふさわしい内容では
ないかということで、題材をここからとりました。ぜひ多くの方に知っていただき、観ていただけたらと思います。
ーーー素材として「不思議の国のアリス」を取り上げた理由と、演出のこだわり
◆戸部和久
夢を見て、不思議の国へ行く。その夢の中で、主人公のアリス(藍姫)が成長して、
自我が芽生えていくというところを描きたいと思いました。
中学生の生徒たちにマッチしていると思いましたし、夢の世界のキャラクターが豊かですので。
また、演出としては雪 姫(『金閣寺』)の爪先鼠や立廻りなど歌舞伎の要素をふんだんに取り入れてあります。
◆藤間勘十郎
戸部さんの本って端役がないんですよ。今回13人で16役が登場しますが、各々大事なポジションがある。
すべての役が大切あるということを、生徒の皆にもわかってほしいですね。
そして、歌舞伎の様々なパロディが入っています。そのため、歌舞伎の古典演目を勉強するわけですが、
古典の歌舞伎って。本当に詞章にしても、音にしても、いいところにいいものが入るようにちゃんと
作られているわけですよね。それを改めて自分たちも感じることができるというのは、すごく大事なこと。
私たちの勉強にもなりますし。作り手としても教える側も、大変なことも多いですが、
本番まで生徒たちの成長が楽しみです。
ーーー衣裳について
◆藤間勘十郎
『夢逢姫』のチラシに使われているイラストが、「寺子屋乙女かぶき」らしいかわいらしいものになっています。
このイラストを頭に置きながら、このイメージを損なわないように色使いなどはこだわったところもありますし、
逆にそれだけではなくて、歌舞伎の配色感も大切にしたいと思っています。
舞台に登場したときの第一印象は大事ですので、公演として成立するように、おそらく舞台稽古ギリギリまで
調整が入ると思います(笑)。それぐらいのこだわりをもってやっています。
ーーーこの作品への思い
◆藤間勘十郎
選考を経て勝ち取った子たちが集まっているので、「がんばります!」という、
公演に向かうパワーはなかなかなもの。みんなが同じ気持ちでやってくれていると私も思っています。
「寺子屋乙女かぶき」と銘打っていますので、やはり歌舞伎の要素を入れ込んだ作品として、
寺子屋中学部門の女子生徒に向けた作品として、大きな挑戦となると思います。
◆戸部和久
(稽古の過程で)実は、僕らも一緒に成長しているんじゃないかと思う瞬間もあります。
やったことのないことをやっているというなかで、彼女らが進歩するのに合わせて、僕らも勉強し、
成長しているという側面もあると思います。ですので本番に向けて、一緒に進化・進歩して行きたいですし、
意義のあるものにしなければならないと思っています。
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