『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。
歌舞伎座「四月大歌舞伎」第一部『天一坊大岡政談』で大岡越前守を演じる尾上松緑さん
茅ヶ崎市・浄見寺でお墓参り
茅ヶ崎市・浄見寺を訪れた尾上松緑さん
概要
4月2日に初日を迎える歌舞伎座「四月大歌舞伎」(4月2日初日〜27日千穐楽)の
第一部では、通し狂言として『天一坊大岡政談』 を上演します。
大岡越前守を演じる尾上松緑さんが、茅ヶ崎市にある浄見寺へお墓参りに訪れました。
初代神田伯山が得意とした人気の講談を元に河竹黙阿弥が書き下ろした本作は、
「天一坊事件」という天下を揺るがした実在の大事件が題材。
天下の名奉行・大岡越前守に尾上松緑、悪の魅力溢れる天一坊に市川猿之助、
天一坊の参謀役・山内伊賀亮に片岡愛之助が豪華共演し、クライマックスまで怒涛の展開で魅せる作品です。
3月17日(木)、大岡越前守を勤める尾上松緑が、神奈川県茅ヶ崎市にある大岡家の菩提寺・浄見寺を墓参しました。
茅ヶ崎市では、毎年4月に名奉行を偲んで「大岡越前祭」が開催され、墓前祭、越前行列など様々な催しが行われています。
新型コロナウィルスの市内感染のまん延防止・感染拡大の防止という観点から昨年に引き続き今年も中止となりましたが、
市の内外を問わず親しまれています。
テレビ時代劇や講談でもお馴染みの江戸時代の名奉行・大岡越前守。
公正で機知と人情に溢れる見事な裁きは「大岡裁き」と呼ばれ、多くの人々に愛されてきました。
1996年にはNHK時代劇「大岡政談 池田大助捕物帳」で祖父・二世松緑が大岡越前守、父・初世辰之助が池田大助を演じています。
同日、茅ヶ崎市・浄見寺を訪れた尾上松緑は、本堂や大岡越前守のお墓の前で手を合わせ、4月公演に向けての思いを語りました。
尾上松緑さんコメント
ーーーお墓参りを終えて
◆尾上松緑
大岡様というと越前守の忠相を思い浮かべますが、本日、歴代の大岡家のお墓参りをさせていただいて、
歴史と重みを感じました。自分が大岡越前守をさせていただくことがあるとは思ってもおりませんでしたので、
非常に身の引き締まる思いです。「あいつに大岡を任せてよかったな」と思ってもらえる大岡越前守を勤めたいです。
また、大岡忠相の息子・忠右衛門を私の息子である尾上左近が演じさせていただくので、
「親子で勤めさせていただきます」というご挨拶ができました。
本堂では、まさか大岡様の直筆の書(「所寶惟賢」)を拝見できるとは思いませんでした。
大岡様らしい書で、あやかって東京に帰ったら改めて台本と向き合って役を作っていきたいと思います。
ーーー大岡越前守のイメージ
◆尾上松緑
歌舞伎では、尾上菊五郎のお兄さん、(十一世)市川團十郎のおじ、中村梅玉のお兄さんなど
尊敬する先輩方が演じられてきた重要な役。時代劇では加藤剛さんや北大路欣也さんの印象があり、
私が生まれる前には「大岡政談池田大助捕物帳」という時代劇で父が池田大助を、祖父が大岡越前守を勤めています。
今回、師匠でもある菊五郎のお兄さんからは、「自分なりの大岡を作るように」と言っていただきました。
私は演じる年齢が皆さんに比べて若いので、その分、颯爽と爽やかに勤めたいと思います。
大岡越前守は曲がったところのない、理知的で、真っすぐな人物。久しぶりにど真ん中の正義を一か月貫いて演じたいと思います。
ーーー天一坊を演じる市川猿之助、山内伊賀亮を演じる片岡愛之助との共演について
◆尾上松緑
お二人とも気心の知れている仲なので、心配はありません。来月の共演を楽しみに、3人で良い舞台を作っていければと思います。
大岡越前守として、きっちりと猿之助さん、愛之助さんを裁きたいと思います!
ーーーお客様へ向けてメッセージ
◆尾上松緑
まだまだ大手を振って劇場にいらしてくださいとは言えない状況ですが、観に来てくださった方には、
芝居をご覧になっている間は、コロナのことや世界情勢のことなどを忘れていただけるような爽快な物語を
猿之助さん、愛之助さんはじめ皆さんと作っていきたいと思います。
天一坊大岡政談』大岡越前守=尾上松緑(ⓒ松竹)
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。