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宝塚歌劇団を卒業して新たな道を歩みだした
綺咲愛里さん インタビュー
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インタビュー企画概要
2019年10月13日に宝塚歌劇団を退団して、約1年の充電期間を経て、今年7月に事務所に所属し、
10月にファンクラブを発足される綺咲愛里さん。これまでのこと、そして今後の活動についてお聞きしました。
綺咲愛里さんにインタビューしました
ーーー宝塚歌劇団を退団してから、舞台はご覧になりましたか?
◆綺咲愛里
(自分が在籍していた)星組を観劇しました。
ずっと一緒に過ごしてきた皆が頑張っていてくれることにありがとう!という気持ちで感無量でした。
全体を観ようと思うのですが、一人一人の思い入れがあり過ぎて、色々な感情でいっぱいになりました。
一つの時代が終わって、そして、この不安定な状況の中で、これだけ命をかけて
何かに取り組んでいるという姿を目の当たりにして、ものすごく元気をもらいました。
改めて、宝塚は夢をもらえる場所なんだ!ということを身をもって感じました。
ーーー相手役である紅ゆずるさんも現役時代に
“命をかけて舞台に立っている” とおっしゃっていましたね。
◆綺咲愛里
生で観る感動というものは、何ものにも代えがたいと思います。
一度しか観られないお客様がたくさんいる中で、紅さんがおっしゃっていた通り、毎回を命がけでやっていました。
当たり前のようですが、やっぱりそのモチベーションを維持することは難しいと思います。
でも、それをやり続ける姿は本当に素敵ですし、かっこいい。そういうところもたくさん勉強になりました。
ーーー宝塚時代にターニングポイントになった公演や役はありますか?
◆綺咲愛里
ターニングポイントとしては少し早いかもしれませんが、
自分が3年目の時に紅さん主演の『ジャン・ルイ・ファージョン -王妃の調香師-』という作品に出演させていただきました。
大きなお役をいただいて、その時はがむしゃらに一生懸命演じたのですが、
その時にまわりの方々が助けてくださっていたことを後になって気がつき、改めて感謝の気持ちが湧いてきました。
そういう意味も含めて、あのタイミングで、紅さんの奥さんというとても大事なお役をさせていただけたことは、
私の人生の中でも、とても大きな出来事でした。
その後も色々な節目は自分の中であったのですが、タカラジェンヌとして、
また一役者として、やり方がわかりお芝居の楽しさを徐々に知ることができた作品でした。
ーーーどんな娘役像を抱いて過ごしていましたか?
◆綺咲愛里
組やトップスターの方々がお持ちになるカラーなど、様々なことが合わさって、それぞれのトップコンビの形があると思います。
紅さんは私だけではなく、組全体の皆で一緒に頑張っていこうという精神をお持ちでした。
どんなことでも伝え、何でも受け止めてくださるありがたさ。紅さんに色々なことを相談しましたし、
その環境を作ってくださったことにも感謝しています。
昔からデュエットダンスを見ることが大好きなのですが、自分が娘役だということもあって、
娘役さんの動きに目が行ってしまいます。娘役さんが綺麗にまわったり、フワッとした空気感をまとっていたりするからこそ
男役さんがどっしりとかっこよく見える。相乗効果なのだと思います。常にそんな存在でありたいと思っていました。
ーーー相談し合える環境が、星組のパワフルさや団結力に繋がっているのですね。
◆綺咲愛里
(先生や上級生の方々からも、)たくさんのお言葉をかけてもらいました。
全てが私の血となり肉となるという感じなのですが…(笑)。
自分のやっていることを肯定して下さる時と、アドバイスをいただく時と大きく分けて二つあると思います。
どちらとも自分にはプラスなこと。でも、昔の自分だと、言われれば言われるほど殻に閉じこもって
何もできなくなるタイプだったのですが、紅さんをはじめ、まわりの皆さんがその殻をこじ開けてくださった。
失敗してもいいから、とにかくやってみようと思えるようになったということが、
宝塚で得た財産の1つです。そんな環境にいられたことが本当にありがたかったですね。
ご指摘いただいたら、頑張るぞ!とそれをバネにする場合と、それを肯定していただいて自信につながる時と。
今までの自分を見ていると、受け止め方次第なのだなと思います。すごく勉強させてもらいました。
ーーー東急シアターオーブ公演『太陽王〜ル・ロワ・ソレイユ〜』など、
これまで難しい役もあったと思いますが、どのように挑んできましたか?
◆綺咲愛里
役づくりは自分で「こう!」と思っても、正解は絶対にありません。
千秋楽の最後の日まで、その役と向き合いながら色々なことを挑戦していく日々でした。
『太陽王〜ル・ロワ・ソレイユ〜』は、当時のトップスター柚希礼音さんが相手役で、難しさよりも、緊張感が強くて。
最初は「とにかくご迷惑をおかけしないように」という一心でした。しかし、上級生とお芝居をさせていただくとはいえ、
一人の演者としてお客様の前で舞台に立っているのだから、こんな気持ちでいってはダメだと、その時に気がつきました。
『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯(はて)に-』など、あの頃、お芝居に対する取り組み方を鍛えられて、
自分で気持ちを引き締め直せたと思っています。
ーーー現役時代に嬉しかった瞬間は?
◆綺咲愛里
何年もある宝塚人生で一番幸せだと思ったのは退団公演の『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillant』千秋楽です。
暫くの間は、千秋楽のことを思い出すとすぐに泣けるようなメンタルでした(笑)。
あんなに幸せで愛に溢れた場所から卒業するという寂しさもありましたが、あの空間はあの時にしか起こり得ないこと。
お客様がいらして、組の皆がいて、隣に紅さんいらっしゃる。本当に奇跡だな〜と思いました。
それと、台湾公演にも行かせていただきましたが、千秋楽にトラブルがあって舞台が止まってしまいました。
公演が終わったのは日付が変わった夜中の12時過ぎ。本当ならお客様からお叱りの声をいただいたりしても
おかしくない状況だったと思うのですが、幕間休憩から30分ぐらいしてからショーがはじまりました。
(『Killer Rouge/星秀☆煌紅(アメイジングスター☆キラールージュ)』という作品で、)
幕開きに私の歌からスタートだったのですが、イントロが鳴り始めた瞬間に“待っていました”という
すごい拍手をいただいて。涙が溢れそうになりましたが、これが最後なんだから!と自分を奮い立たせて、
どうにか歌い切りました。愛以外の何ものでもない。
その場にいられたことが本当に嬉しかったですし感動しました。それと、宝塚大運動会で星組が優勝した時。
嬉しかった瞬間はたくさんあるので、何個でも出てきます。
ーーー千秋楽の時、ご自身も卒業されるのに、
隣にいらっしゃる「紅さんが卒業されてしまうことが悲しい」とおっしゃっていましたね。
◆綺咲愛里
本当にそう思っていました。男役としての紅ゆずるさんしか知らなくて、男役としての紅ゆずるさんが一生、
生で見られないという寂しさ。自分のことも考えなきゃいけないことがいっぱいありましたが、それどころじゃないくらい。
ファンの皆さんと同じ気持ちでしたね。
ーーー改めて宝塚とは、どんな場所でしたか?
◆綺咲愛里
愛に溢れた場所ですね。『宝塚 我が心のふるさと』という曲の歌詞の意味を退団してからひしひしと感じるようになりました。
やはり在団していると毎日が嵐のように過ぎていくので、見つめ直す時間があまりありません。
なんとも贅沢な悩みなのですが、もっと噛み締めておきたかったと辞めてから思いました。
そんな場所にいられたという事が私にとって宝物だなと思います。
ーーー退団後にやりたいと思っていたことは実現できましたか?
◆綺咲愛里
新型コロナウイルス感染症が拡大する前に旅行に行きました。
私は本当に宝塚しかなかったので、退団後は放心状態。もぬけの殻とはこういうことかと思いました(笑)。
でも1つだけ決めていたことがあって、車が好きなので免許を取得しました。
それと、宝塚時代のファンクラブの解散式をした時に、皆さまにお会いして「これからも応援したいです」とか、
「また舞台に立っている姿を観たいです」とか、色々なお言葉をいただく中で、やっぱりこの方たちに喜んでいただける
お仕事をしたいなって、その時はじめて思いました。全く違う道に進む選択もあると思うのですが、
今まで応援して支えてくださった方々が、今後にも期待してくださっている。
その事が嬉しかったですし、何とか応えたいとも思いました。コロナの影響で、決まっていた舞台も無くなってしまいましたし、
まだ具体的な道は決まっていませんが、これまでに皆さんからいただいた愛をお返ししていきたいなと感じています。
ーーーいよいよ10月にはファンクラブが発足します。
◆綺咲愛里
これまで応援してくださった方をはじめ、何か繋がれる場所が私自身欲しいと思っていました。
宝塚のファンミーティングのように定期的に皆さんとお会いできる場所では、私自身もとても元気をもらっていました。
そういう意味では、入り待ち、出待ちなど、あの一瞬にどれだけ支えられていたことかと思うので、
応援してくださる方がいる限り、それに見合ったことを私もしたいなと思っていたので、
退団からほぼ1周年というタイミングの発足。とても嬉しいですね。
ーーー今後の活動は?
◆綺咲愛里
色々な女優さんの形があると思いますが、挑戦しながら、自分が好きなことや似合うと言われるものなどを見つけていきたいです。
舞台だけではなく。(和物や歌、ダンスなども?)そういうことですね。
ーーー今ハマっていることは何かありますか?
◆綺咲愛里
たくさんあった、おうち時間で自分を見つめて分析したりしていました。
それと女優さんが“朝からお白湯を飲むといい”とよく言いますよね。
現役時代も憧れてやってみたことがあるのですが、忙しさもあり長続きしませんでした。
でも、この時間があるタイミングで、朝からお白湯を飲んで、フルーツ食べて、朝日を浴びる…と実践してみたら、
すごい充実感を感じました。こういうことに時間が取れるようになったのだと実感できましたね。
情報が多い世の中なので、いいものを取り入れて美容と健康にも気をつけていきたいと思います。
ーーー最後にメッセージをお願いします。
◆綺咲愛里
2020年10月13日に『Airi Kisaki 1013』という写真集を発売させていただきます。
第一に応援してくださったファンの皆さまに向けて。退団から丸1年という節目の日に発売するということで、
新たな再スタートという気持ちを込めています。今まであまりお見せしていないような素顔など、
新たな一面もご覧いただけると思いますので、お楽しみいただけたらなと思っています。
ーーー楽しみにしております。ありがとうございました。
綺咲愛里さんプロフィール
2010年、宝塚歌劇団に入団。月組『THE SCARLET PIMPERNEL』で初舞台。星組に配属。
12年『ジャン・ルイ・ファージョン』で、後に相手役となる紅ゆずるの妻役を演じる。
14年『太陽王〜ル・ロワ・ソレイユ〜』で、トップスター柚希礼音の初恋の女性としてヒロインの1人を務める。
『The Lost Glory-美しき幻影-』『黒豹の如く』『ガイズ&ドールズ』で新人公演ヒロイン。
16年に星組トップスター紅ゆずるの相手役として、星組トップ娘役に就任。新人賞、娘役賞に加え、
「宝塚歌劇団年度賞」2018年度優秀賞を受賞。19年10月「GOD OF STARS/ Éclair Brilliant」で退団。
20年10月には、FanClub「〜a-♡family〜」を開設予定。
2021年1月開幕「ポーの一族」メリーベル役で出演予定。
【写真集発売】綺咲愛里1st写真集『Airi Kisaki 1013』発売決定!
宝塚在団中ではなかなか見せることのできなかった、綺咲愛里の素顔を中心に、あらゆる表情を凝縮した一冊となる。
また、購入者特典動画(QRコード読み取り)も収録されており、大満足の内容となっている。
書名:Airi Kisaki 1013
定価:本体2,000円+税
判型:B5判
頁数:160P
発売日:2020年10月13日
綺咲愛里さんのサイン色紙+スチール写真を3名様にプレゼント!(締め切りました)
今回のロングインタビュー記念として、
綺咲愛里さんのサイン色紙とスチール写真をセットにして3名様にプレゼントいたします。
応募方法:メールにてご応募ください
応募先メールアドレス:info★terminal-jp.com(★を@に変えてください)
メールタイトル:『綺咲愛里サイン色紙』プレゼント係
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プレゼント応募締め切り:2020年10月20日。
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