『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。
船越英一郎初舞台 『赤ひげ』合同取材会レポート
2023年10月28日(土)から 11月12日(日)まで明治座、12月14日(木)から12月16日(土)まで新歌舞伎座で
上演される『赤ひげ』の合同取材会が 9 月 26 日(火)に行われた。
取材会には、船越英一郎、新木宏典、崎山 つばさ、猪野広樹、高橋健介、河相我聞、菅井友香、山村紅葉が登壇した。
◆船越英一郎
赤ひげという作品は山本周五郎先生の原作でございますけれども、私は2017年からNHKでテレビドラマとして
赤ひげを大切に4シーズンにわたって演じ続けております。
今回はその赤ひげが装いも新たになるということでお声をかけていただいたんですが、
私は今63歳なんですけれども、63歳にして恥ずかしながら今回初舞台・初座長です。
そして、この作品、歴史ある明治座さんの150周年記念作品ということで、大変な栄誉と、
そしてとてつもない重責を担って挑むという形になりました。
とにかく初でございますから、何を胸を張ってお見せできるものがあるわけでもありません。
63歳、そしてキャリアも41年になろうという、でもその役者が初の舞台に無謀にも挑む、
その懸命にあがきもがきのたうち回る姿をですね、皆さんにほほえましく楽しんでいただいて、
そしてその先に自分もまだまだ歳とか言ってらんないなとか、まだ63歳でもあんなに頑張れるんだとか、
63歳の若造がこんな に頑張っているんだからわしらも頑張らないととか、皆さんの小さな勇気に繋がっていければ、
役者冥利につきるかなと思っております。ぜひ沢山の方に足を運んでいただきたいです。
今やっとコロナから少し抜けましたけれども、でもまだまだ完全に皆さんが上を仰ぎ見るという状態じゃない時に
この赤ひげという作品を皆さんにお届けするという意義も感じながら、皆さんにもそういうところを受け取って
いただけたらさらに幸甚でございます。よろしくお願いいたします。
◆新木宏典
保本登を演じる、新木広典です。赤ひげという作品はこれまで映像でいろんな形として世に出ている作品ですが、
舞台で赤ひげを作るということ、明治座150周年の記念すべきアニバーサリー期間に作品を届けるということに
すごくプレッシャーを感じますし、また船越英一郎さんが初舞台に立たれ、
初座長を務められるので絶対に失敗することができないという(笑)、このプレッシャーがとても気持ちよく、
やってよかったなというのを、船越さんにもそうですし、明治座さんにも150周年を飾れたなって思ってもらえるような
作品になるだろうという自負もあり ますし、そう思わせたいという想いがすごく強くあります。
稽古もとても大変なんですが、大変だという文字にふりがなを打つなら“しあわせ”と書けるぐらいの
すごく充実した毎日を送らせていただいております。医療のお話ですので命というすごく重くのしかかる
テーマにもなってきますし、また医療従事者の皆さんがここ数年感じられた大変な思いというのが江戸時代にも
違った形であった、そういうところで葛藤を持っていたという話でもあったりします。
現代においても同じように共感したり悩んだり苦しんだりしている方がいると思うので、
今のこのタイミングでこの作品を皆さんにお届けすることで、感じられるものがあるんじゃないかなというのを
すごく感じています。繊細にしっかりと責任を持って表現していこうと思っております。
ぜひ本番観に来てください。よろしくお願いします。
◆崎山つばさ
本日はお集まりいただきありがとうございます。まさに今稽古の真っただ中でして、色々と迷うこともあって
個人的にすごく崖っぷちに追い詰められているところがあるんですけど、船越さんが近寄ってきてくれて
個人的に言葉をかけてくれたりとか、若い医員を集めて稽古してくれたりして、
ほんとにすごく崖っぷちの自分を救ってくれるという意味で本当の意味で崖の帝王だなっていうのをすごく感じております。
◆船越英一郎
うまいこと言えるもんだね。
◆崎山つばさ
ありがとうございます。本当に助けられた言葉が多いんですけど、でも本当に若き医員として
しっかりと生きていかなきゃいけないなという思いもありますし、作品のテーマである生きることだったり、
生きづらい世の中をどう生きるかっていうのをテーマにしておりますので、観に来てくれる方にとって生きる
ヒントになるようなそんな作品に できたらいいなと思っておりますので、是非本番を楽しみに待っていてくれたらなと思います。
よろしくお願いします。
◆猪野広樹
森半太夫を演じます、猪野広樹と申します。「赤ひげ」は江戸時代の医術の話です。
今はいろんな技術も医療も発達していますが、江戸時代は何もわからないことが多かった。
その中で医術をやる人として、命を助ける。生きる死ぬが出てきて、本当に難しいテーマだと思いますし、
当たり前の熱量では到底できる作品ではないと思っています。船越さんがたくさん医術についてお話くださり、
最高のエンターテインメントとしても面白い作品をお届けできたらなと思っております。
◆髙橋健介
皆さんこんにちは、高橋健介です。作品の深いところは先輩方がお話ししてくださると思うので、
僕は稽古場でのお話をしたいんですけど、まずは初日に船越さんが全員に名前入りのマグカップをくださって、
非常に士気が上がりました。僕ら若手にもすごい気さくに話しかけてくださってありがたいんですけど、
昨日僕が原作の小 説を読んでいたら船越さんがちょっと読みたいって言ってくださって。
その後、稽古に呼ばれて本を開いたまま後ろ向きにして机に置いてお帰りになられたんですけど、
このまま続きを読むのかこのまま閉じていいのか、しおりを挟むのかっていうのが昨日最後の最後まで悩んでて、
一旦間にしおりを挟んでいるので続きから読めます。
◆船越英一郎
読んでたわけじゃないので大丈夫です。
◆髙橋健介
ああそうなんですか!(笑) という感じで、船越さんが僕らにいっぱい気さくに話してかけて下さって、
本当にいい雰囲気でやっています。本当に良い作品になると思いますので、皆さんも是非本番をお楽しみください。
◆河相我聞
十兵衛役を演じる、河相我聞と申します。船越さんとはドラマで沢山共演させているんですが、
まさかこういう形で初舞台もご一緒できて非常にうれしい限りでございます。
ドラマで赤ひげにも出演させていただいているんですが、今回はそこの役とはまた違って長屋の住人ということで、
ちょっと変わった役といいますか難しい役で、非常に難しく頑張っております。非常に心温まる作品なのでぜひご期待ください。
よろしくお願いいたします。
◆菅井友香
お杉を演じさせていただきます、菅井友香と申します。偉大なる先輩方とご一緒に、そして何度も観劇させていただいていた
歴史ある明治座さんの150周年という素晴らしいタイミングで、今回この作品に挑ませていただけること本当に光栄です。
私は女中という役柄、そして和装でのお芝居と色々初めてのことが多い中で日々試行錯誤してるのですが、
船越さんや演出の石丸さんをはじめ皆さんがほんとにたくさんアドバイスをくださって、課題を沢山感じながらも
とてもやる気に満ち溢れた毎日を過ごさせていただいています。この作品を通して皆さんに生きる力を、
そして観劇し終わった後、なんだか大変だけど明日も頑張って生きようと思っていただけるパワーをたくさんお届けできるように
精一杯努めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
◆山村紅葉
本日はありがとうございます。お光を演じさせていただきます、山村紅葉でございます。
大好きな明治座さんには3年ぶりで、また何十年間デビュー以来ずっとドラマでご一緒しています船越さんが座長ということで
本当にうれしく張り切ってお稽古しております。今回は養生所の女中ということで、お料理をしたり洗濯をしたり
お掃除したり色々しなきゃいけないんですが、ちょっととても苦手なもので(笑)。
大体演じさせていただくのが若いときはわがまま放題、やりたい放題なお姫さんかお嬢様で、
この間の明治座さんではヤクザの女親分で、「借金返せ ー!」って客席走り回るような役で、
そういうのは地でできたんですが、今回はうわ〜洗濯はどうするんだろうとか
色々考えながらやっております。
船越さんとは夫婦役もさせていただきましたし、崖にもいっぱい連れていっていただいた仲ですので
色々聞きながら、そして友香ちゃんは本当にどうしようかしらってとてもかわいく聞いてくれるので、
本当の娘か妹かみたいに思っております。あとは私の大好きなイケメンさんが何人もいらっしゃるので
嬉しくてドキドキしているんですが、時節柄、声をかけたり、なんかしゃべって問題になったらいけないんじゃないかと
思って、ただ今は眺めております(笑)。向こうからお声がかからないかな〜と思いながら、
なかなか目を合わせていただけずただひたすら眺めております。
◆船越英一郎
みんな頑張って声かけるように。
◆新木・崎山・猪野・髙橋
ありがとうございます。
◆山村紅葉
そんな風に楽しくやっておりますので、是非皆さんに観に来ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【主題歌『人間賛歌』を歌う坂本冬美さんからコメント】
◆坂本冬美
船越英一郎さん初座長公演の主題歌を歌わせていただくお話をいただき、大変に光栄に思うとともに、
そのような記念すべき舞台で私の歌声が流れることを想像しますと今まで感じたことのないような緊張感が走りました。
今年の春、ドラマで船越さんの元恋人役を演じさせていただいたご縁もあり、赤ひげ先生を演じる上で船越さんの心が動くような
歌を歌わねばと強く感じました。そして楽曲をいただき、初めて詩を読み曲を聞かせていただきましたとき、
石丸さち子先生と宮川彬良先生の切なくも温かくふつふつと力が湧いてくるような素晴らしい作品に私自身の
様々な出来事が重なり感情がこみあげてきて何度も泣きそうになりました。
レコーディングの時は船越さんや出演者の皆様が舞台に立たれているお姿を、
その舞台をご覧になられているお客様のお顔を思い浮かべながら魂を込めて歌わせていただきました。
私も船越さんの初舞台をお客様とご一緒に楽しみに拝見させていただきます。
公演の大成功を心よりお祈りいたしております。
【坂本冬美さんからのメッセージをうけて】
◆船越英一郎
舞台をご覧にならなくても、この曲を聞いただけで皆さんに赤ひげの世界観が全部伝わってしまうんじゃないかという素晴らしい歌、
そして楽曲でございます。この主題歌が舞台の全編を通じて皆さんのもとに届けられるということでございます。
初めてこれを稽古場で聞かせていただいたときには文字通り心がもうすでに揺さぶられました。
いまだにですね皆さんの前でもちょっと目頭を熱くしてしまう、非常に恥ずかしい・・・。63歳ですよ私。
と いうほどこの曲に感動をいつもいただいております。困るのは稽古中にこの曲が流れるとそこで泣いちゃうんですよね。
芝居にならなくなるから、なんとか本番までにこの楽曲、そして坂本冬美さんのこの歌声に負けないようにしなきゃいけない。
この楽曲に負けないような舞台をこのメンバーで作り上げていかなきゃいけない。
これは大変なエールであるとともに、また私たちにとってまた一つ乗り越えなければいけない大きな山をいただいたというように
感じております。本当に素晴らしい曲を、そして想いを込めて歌ってくださった坂本冬美さんに一同で感謝しております。
江戸・小石川養生所の医長・新出去定(にいで・きょじょう)-通称「赤ひげ」-(船越英一郎)は、
名医ではあるが武骨で変わり者である。
貧しい者たちを救うため身を粉にして働き、時には経費削減を命じる公儀に逆らうことも厭わない。
新しく医員見習としてやってきた保本登(やすもと・のぼる)は、養生所に足を踏み入れた瞬間にこう思った。
自分はこんなゴミ溜のような所にいるべき人間じゃない・・・長崎遊学を終え幕府の御目見医になるはずだった
保本は赤ひげに反発する。しかし同僚の津川玄三(つがわ・げんぞう)や森半太夫(もり・はんだゆう)、
養生所を訪れる様々な患者たちと関わって行く中で、少しずつ保本の態度に変化が生まれて行く。
医術とは何か?その問いに対する答えはあるのか?赤ひげと若い医者達の、戦いの日々は続く。
明治座創業 150 周年記念 『赤ひげ』
原作:山本周五郎『赤ひげ診療譚』より
脚本:堤泰之
演出:石丸さち子
【東京公演】
期間:2023年10月28日(土)〜11月12日(日)
会場:明治座
料金(税込):S席(1・2階席)12,500円 / A席(3階席)6,000円
一般発売日:2023年9月24日(日)10:00〜
公演に関するお問い合わせ:
明治座チケットセンター 03-3666-6666 (10:00〜17:00)
【大阪公演】
期間:2023年12月14日(木)〜12月16日(土)
会場:新歌舞伎座
料金(税込):S席(1・2階)12,500円 / A席(3階)6,000円
一般発売日:2023年10月7日(土)10:00〜
公演に関するお問い合わせ:
新歌舞伎座テレホン予約センター 06-7730-2222(10:00〜16:00)
https://www.meijiza.co.jp/info/2023/2023_10/(東京公演)
https://shinkabukiza.co.jp(大阪公演)
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。