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スーパー歌舞伎II『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語-』上演記念
市川猿之助×佐々木蔵之介 トークショー
トークショーについて(資料より)
24回目となる世界を代表する蘭の祭典「世界らん展日本大賞2014」が、
2014年2月23日(日)まで、東京ドームで開催中です。
今回、歌舞伎役者の市川猿之助さんが、蘭が最も似合う男として「オーキッド・プリンス2014」に就任。
就任式と、自らの名前が命名された新品種の蘭“オンシジューム エンノスケ”の贈呈式の後、
3月より公演されるスーパー歌舞伎II『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語-』の上演を記念して、
市川猿之助さんと歌舞伎初挑戦の佐々木蔵之介さんを迎えトークショーが行われました。
三代目市川猿之助(現猿翁)によって創造されたスーパー歌舞伎。
そのスピリットを継承した四代目 市川猿之助が、最高のキャスト、スタッフを得て、
スーパー歌舞伎IIはあらたなる旅立ちを迎えます。
トークショーが行われました。(2014年2月17日)
―――佐々木蔵之介さん、先程、市川猿之助さんが「オーキッド・プリンス 2014」に就任されまして、
こちらが“オンシジューム エンノスケ”なのですが、ご覧になってみていかがですか?
◆佐々木蔵之介
通称バタフライオーキッド、本当にピッタリですね。ぜひ、この東京ドームを宙乗りしていただきたい(笑)
◆市川猿之助
いつでも、呼んでいただければ(笑)
―――世界らん展に、せっかくお越しいただいたので、蘭のお話をしたいのですが。
蘭には、幸福がやってくるという花言葉があるそうです。お二人が、いま一番欲しい幸せは何ですか?
◆市川猿之助
いま一番欲しい幸せは、休みです。休みをください!
◆佐々木蔵之介
長期休暇です(笑)
―――同じお答えが出てくるのも、そのはずなのですが、
現在、お二人は、スーパー歌舞伎II『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語-』の稽古中ということで、
その大変お忙しい合間をぬって、この東京ドームに駆けつけてくださいました。
スーパー歌舞伎初挑戦ということで、佐々木蔵之介さんは注目を集めておりますが、
いま実際に稽古をされていて、意識していることや、新鮮に感じていることなどありますか。
◆佐々木蔵之介
全てが新鮮ですね。まず、僕たちが普段やっている現代劇の稽古場とは全然違う雰囲気だし。
おもだか屋の役者のみなさんの素晴らしさを、僕は役者として間近で見させていただいています。
歌舞伎という舞台に立たせていただく機会をくださった四代目に本当に感謝です。
そう言いながら、毎日ビビッているんですけどね(笑)
―――具体的に、どんなところに感動したりしますか。
◆佐々木蔵之介
稽古初日に本読みをして、その日に一幕を通して、次の日に二幕通して、
その次の日に三幕を通すって、僕らからしたらあり得ないんです。ペースがすごいですね。
僕らは普段繰り返し、繰り返し稽古していくのですが、稽古一回のみとか。
◆市川猿之助
普通、蔵之介さんたちが出る現代劇は、一場面を一日に何回も何回もやるんです。
我々は問題があろうと、何があろうと一場面は一回しかやらないです。
だから、問題があろうが止まろうが、一日一回。
◆佐々木蔵之介
それでも、みなさんは、共通言語、共通認識があるので、どんどん進んで行くんです。
どんどん組み立てて、芝居ができていくのですが、僕はただ傍観しているだけで。
―――実はビビッいると佐々木さんはおっしゃっていらっしゃいますが、
猿之助さんから蔵之介さんはどのようにご覧になっていますか。
◆市川猿之助
誰よりも台詞が一番入っていらっしゃるし、もう台本離していらっしゃるし。
ただ、悪いなと思うのが、僕らがついつい他の歌舞伎役者に「あ、そこ普通でやって」って(言うのと同じように)、
兄さんにも「普通でやって」って言うと、「普通って何だ?」って(笑)
すいません。そこから説明を・・・って話で。
◆佐々木蔵之介
「普通に立って、普通に歩いてもらったらいいです」って言われても、普通がわからん(笑)
―――いま猿之助さんが、佐々木さんのことを兄さんとおっしゃいましたが、普段はどう呼び合っているのですか?
◆市川猿之助
先輩のことを僕らは兄さん、伯父様と呼ぶんです。
◆佐々木蔵之介
僕は、襲名の前から(知り合い)なので、亀治郎さんだったので、亀ちゃんと呼んでいますね。
―――それで、この作品の一番の見どころを。
◆市川猿之助
このお花の名前にもあるように、バタフライですから。ここ(東京ドーム)ほど高くはないのですが、
新橋演舞場の空中を僕と兄さんが二人揃って、飛びます。飛んだ後に、二人で大立ち回りで、
大変なチャンバラをしまして。
この歌舞伎の最大の魅力が、現代語でやるということなので、分かりやすいと思います。
普通のお芝居というのは、例えば全部通しても3場とか、4場ですが、今回は24場あるんです。
どれだけスピーディーにいくかということですね。
―――とても楽しみですね。そのあたりも楽しみにしながら劇場に足をお運びいただけたらと思います。
お二人の今後のお話をお伺いできたらと思います。佐々木蔵之介さんは、この新作歌舞伎の後、
6月に主演映画『超高速!参勤交代』というタイトルの映画なのですが、
こちらの見どころもお聞かせください。
◆佐々木蔵之介
『超高速!参勤交代』という時代劇で。タイトルも面白いのですが、出来上がりもすごく面白くなりました。
参勤交代というのは、江戸時代、徳川幕府が各藩に、4年に一度江戸に参勤しなさいと、それでお金を落として、
江戸に人を住まわせて、人質にするというお話なのですが、東北に小さな湯長谷藩(現在の福島県いわき市)があるのですが、
やっと参勤で帰ってきたと思ったら、もっぺん、またすぐに参勤しろと。お前のところに、金山が掘れたんちゃうかと。
実はそうじゃないのだけど、そのご家老は、参勤しなかったら藩を取り潰すぞと言って、それを全部奪おうとしているのです。
じゃあ、どうしようと。参勤から帰ってきたばかりで、まずお金がない。すぐ来いと言っても時間がない。人もいない。
このミッション、インポッシブル(不可能)ですという話になりまして。じゃあ、行くには駆け足で行くかと、
ダッシュで参勤するんです。ダッシュといってもなんば走りで、泊るところもないので、野宿して。
コメディなのですが、ちゃんとした時代劇で、非常に温かい。ちょっと青春映画っぽくもありますね。
そして、徳川吉宗の役で四代目(市川猿之助)も出ていらっしゃいます。
バシッと画面を締めていただいております。楽しい映画です。6月21日公開です。
―――それでは猿之助さんにお聞きしたいのですが、蔵之介さんがスーパー歌舞伎初挑戦という
お話をさせていただきましたが、猿之助さんにとって、今後初挑戦したいことは何かありますか。
◆市川猿之助
何もないです(笑)今は、目の前のことだけで考える余裕がないですけれど、
ぜひこのスーパー歌舞伎IIが好評だったら、このメンバーで第二弾をやりたいなと。
◆佐々木蔵之介
長期休暇が欲しいですって言うてるやん(笑)
◆市川猿之助
じゃあ、東京オリンピックぐらいの、4年後ということで(笑)
―――それでは最後にメッセージをお願いします。
◆佐々木蔵之介
蘭というのは、色々な種類があって、これだけ多くの蘭に囲まれることって、なかなか無いですよね。
ランランな気分で楽しんでください(笑)
◆市川猿之助
お忙しい中、お出かけいただきまして、本当にありがとうございます。こんなに沢山の方がいらして、
この客席をこのまま劇場へ持って行きたいですね。ぜひ、劇場に足をお運びください。
そして、蘭も楽しんで帰ってください。ありがとうございました。