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水 夏希さんインタビュー前篇 『SHOW Beyond the Door』構成・演出・出演 2013年08月

(2013年08月14日記載)

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『SHOW Beyond the Door』で初めて構成・演出を手掛ける
水 夏希さんロングインタビュー 前篇

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▲写真:吉原朱美、取材協力:東京會舘
後日後篇を掲載致します。『SHOW Beyond the Door』の内容にも迫ります!お楽しみに。

水 夏希プロフィール

844_02 千葉県出身。1993年 宝塚歌劇団に入団。入団3年目に「ME AND MY GIRL」で早くも新人公演の主役に抜擢され注目を浴びる。1999年 宝塚バウホールでの初主演「ロミオとジュリエット‘99」ではロミオの深みのある演技力と新鮮さを評価される。 2007年「星影の人」沖田総司役で雪組トップスターに就任。同年「エリザベート」トート役、「カラマーゾフの兄弟」ドミートリー役などでクールでスタイリッシュな魅力のあるトップスターとして不動の人気を確立。シャープなダンス、独特の個性を持つ歌声、そして、人間味溢れる深みのある演技力には定評があり、常にチャレンジ精神を持ち走り続け、もっと広く、もっと沢山の方々に宝塚を知っていただきたいと雪組男役スター5人による「AQUA5」を結成。世界陸上大阪大会開会式にてデビュー曲を披露したのを皮切りにCM出演やTV出演、コンサート、CD発売など、これまでの宝塚歌劇の枠を超えた外部活動で新しい宝塚ファンの開拓にも力を注いだ。宝塚の代表作「ベルサイユのばら」ではオスカル・アンドレ等主要人物4役を演じ、宝塚初の天覧公演の主役も務めた。 2010年 宝塚退団後は、ドラマ・舞台・原作本出版連動プロジェクト「SUMIRE LABO-スミレ刑事の花咲く事件簿」主演の他、舞台「7DOORS~青ひげ公の城~」(鈴木勝秀演出)、「SHOW-ismVI TATTOO 14」(小林香演出)、海外ダンサーとのダンスショー「BADGIRLS meets BADBOYS~DANCE LEGEND~Vol.1」、TSミュージカル「客家~千古光芒の民~」(謝珠栄演出)、東宝ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」(寺﨑秀臣演出)など様々なジャンルの舞台で活躍中。

<今後の予定>
TAKARAZUKA WAY TO 100TH ANNIVERSARY FINAL『DREAM, A DREAM』
ドリームゲストとして出演(出演日は公演HPにてご確認下さい)
http://www.umegei.com/dream_a_dream/



『SHOW Beyond the Door』

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構成・演出:水 夏希

音楽監督:岩崎 廉
振付:平澤 智
振付:原田 薫
照明:柏倉淳一
音響:田辺裕一
特効:南 義明
衣裳:屋島裕樹
ヘアメイク:山下由花
音楽監督助手:野上貴久
舞台監督:原田譲二

制作:㈱Baby Egg
   西脇健太

協力:サンライズプロモーション東京

宣伝デザイン:小口翔平
宣伝写真:村尾昌美
宣伝ヘアメイク:三上宏幸

主催:㈱AQUA

出演:水 夏希
上口 耕平/三井 聡/ Ichi /田中 志乃 

<ゲスト> 
9月14日(土)18:30公演 藤岡正明
9月15日(日)13:00公演/17:00公演 平澤智


水 夏希さんインタビュー
取材日:2013年7月30日
写真:吉原朱美、インタビュアー:住川絵理、取材協力:東京會舘



―――今回のショー『SHOW Beyond the Door』をずばり一言で言うと?

「挑戦」ですよ。
人生初と言えば去年の夏に初めて富士山に登りましたが、この夏はこのショーにかけています。
富士山とは違った、また大きな山です。

―――富士山に登ったのですか?!それもスゴイですね。

昨年の誕生日に登ってご来光を拝みました。
それを思い立ったのは1週間位前でした。

―――1週間前に思い立って、急に登れるものなんですか?!

登山経験もないし、登山靴も借りてね。
山頂まで登りましたが、ちょっと甘く見ていましたね。
もう本当に大変!!!でした。(笑)

―――思いたったらすぐにやりたいタイプですか。

そう、思いたったが吉日。

―――私もそうなので、分かります!(笑)

やると決めたら余計なことは考えずにやってみる!

―――やってから考えても、エネルギーさえあれば道は開けてきますよね。

後になって大変なことを始めちゃった!と思うこともありますけどね。

―――ありますあります。(笑)
今回、構成・演出だけでなくご出演もなさるので、そのペース配分も大変ですね。


作るのはいいとしても、自分で練習する時間を確保しないといけないですから、
一日も早く台本を終わらせないと。どこかで区切りをつけますよ。
あと4~5日で台本を完成させて、自分の稽古に入りたいと思います!

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―――ダンスシーンが多いと言うことですが、ダンスだけをとっても宝塚の男役時代と
だいぶ変化してきているのではないですか。
特に昨年、「BADGIRLS meets BADBOYS~DANCE LEGEND~Vol.1」では
リフトする側からされる側になっていましたよね。


体の使い方が全く違うので、慣れるまでが大変でした。
宝塚時代はあんなにダンスが好きで自信を持って踊っていたのに、
表現したいことが表現できず、何も出来ない自分がちょっと情けなくなりました。

―――ある意味体の力を抜いてゆだねる部分がないと踊れないような物も
ありそうですよね。


男役の時はいかに揺らがずに芯を持って堂々とみせるかを求められていましたが、
女性らしさや人間らしさを出すには、揺らぎとしなやかさ、柔らかさを出さないといけないので、
全然違いますからね。でも、両方の経験をすることによって、私の中でのショーの幅というものは
広がってきていると思います。

―――最近、ニューヨークにも行かれたとか。どのようなことを吸収なさってきたのでしょう。

5月に行ってきました。何と言ってもエンターテインメントの素晴らしさですね。
どれを取っても素晴らしいし、素晴らしくないとブロードウェイの舞台には立てないということを
目の当たりにしました。世界中から見に来ていますから、観客の目も肥えています。
ミュージカルでも、そのナンバーが良かったりすると立ち上がって拍手するんですよ。
「ちょっと待って待って、ミュージカルの最中だけど?!」と思いました。
いわゆるショーストッパーですね。良ければそうなるし、まあまあであればノーリアクションだし。
下手したら途中で帰っちゃう人もいますし。
あとは音楽やパフォーマンスの素晴らしさも感じました。『シンデレラ』などは
内容を知っている大人でもワクワクするような作品になっていました。

―――色々とご覧になったのですね。他にはどのようなことを?

あとはダンスレッスンにも行きました。本場ブロードウェイのレッスンですから、
子供からご高齢の方までいろいろな方がレッスンしていました。

―――お知り合いの方にも会いました?

スタジオに行ったらばったり宝塚の下級生「Ichi」ちゃんに会って。
「何しているの?」と聞いたら「ダンス留学している」というので
その場で「いつ帰るの?今度私のショーがあるので出てもらえる?」と聞いて
今回出演してもらうことになったんです。

―――訪ねて行ったのではなく、偶然お会いになったのですか?!

そうなんです。「あれ? Ichi??どうしたの???」「水さん!!!」と、なったのですよ。
他にも『 TATTOO14』で共演のタマちゃん(今枝珠美)や、以前、一緒にユニットを組んでいたSpiにも
会いましたし。日本人が行きやすいスタジオということもありますが、みんな頑張っているんだなと。
コンテンポラリーのクラスでは、みなさんの表現の仕方が面白いんです。
先生も「私と同じ踊りをしなくていい、あなたの表現でやってね」と。
当たり前のことだし、基本的なことなのですが、宝塚は教えられた通りにやることで
群舞が揃うので、そこに個性はあっていいけど出し過ぎてはいけない、という中で
やってきました。改めて「なるほど」と思うこともたくさんありましたし、
自分が何者か知られていない中で出来たので、自由にレッスンしましたね。

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―――『TATTOO14』で「本当の夢は何?」というセリフが出てきました。
水さんが同じ質問をされたらどのように答えます?


本当の夢、何だろうなぁ。
「自分が振り返った時に幸せな人生を歩んだな」と思えることかな。
その幸せな人生って何だろう、とも思いますよね。
日々悔いなく生きることだとは思うのですが、私には大きな目標があるので、
そこに向かっていきます。

―――大きな目標とは?

そこにたどり着いたときに「これが目標でした」と言えればいいかな。

―――それは仕事の話ですか?

仕事をした先にあるものですね。まだだいぶ先ですけど。
何年後よりもっと先かな、10何年後位かもしれない。

―――水さんは何でもお得意そうなイメージがあるのですが、
弱点ってあるのですか?(笑)


いえいえ・・・何にも出来ないですよ。(笑)

―――『客家』のお稽古の時も難しい中国舞踊の振りを覚えるのは
大変だったと思うのですが、すごく覚えるのも早いなぁと稽古場見学させていただいて思いました。


あれは大変でしたね。日舞の動きは2角、中国舞踊は3角動きがあると言われました。
自分の弱点ですか。意外と三日坊主です。
この間も筋トレを始めようと思ったのですがすぐに飽きちゃったんです。
あんまり自分に義務を課すと嫌になっちゃうので、細く長く続けられるようにするんです。
「毎日やろう!」とか決めてしまうと、飽きちゃうので。

―――色んなことを細く長く続けていらっしゃるのですね。

そうそう。あとは意外とおっちょこちょいなところがあります。
ものすごくうっかりさんなんです。(笑)

―――それは待ち合わせの時とか?

待ち合わせの時もあるし、スケジュールを決める時にも
16時を6時と間違えたり、16時のレッスンを受けるのに16時45分に駅に着けばいいからと
考えていたりすることがあるんです。

―――それは、頭の中に16という数字が強くインプットされているから?

そうですね。あとはみなさんもよくあると思うのですが、青い車が走っているのを見て、
「○○さんの車って青だったじゃん?」と言ったら
「いや、あの人は赤だし!」と返されることもあります。

―――それは記憶が間違っているというより、
見たことにつられてそう言っちゃうということですよね。


そうなんですよ。頭の中では「あの人の車は赤だ」だと分かっているのに青い車を見たら、そう言ってしまうの。
そういう小さなうっかりがたくさんあって、本当に嫌になるわ~。(笑)
あとは目覚ましの時間をかけ間違えたこともありますね。

―――それは早い方に間違えます?

遅い方ですよ・・・。(苦笑)
この間は目覚まし鳴らないなと思って起きて確認したら、
AMとPMを間違えていて!

―――それはヒドイです・・・(笑)
前にお話した時、地図が読めないタイプだって聞いたのを思い出しました。


道は好きなんですが、何となく勘で行こうとしちゃうんですよ。
ヴェネチアに行った時、あそこは道がややこしいのに、
勘で行こうと思ったら全然違ってたどり着けなくて。
そういう、おおざっぱなところがありますね。(笑)
日本でもお店に電話すれば早いのに、絶対に自力で着いてみせる!とか思っちゃいます。
だから、今回のショーも台本の最終段階になったのに、つじつまが合っていないことに今頃気が付いたりしてね。

―――最近はまっていることはありますか?

「iPod touch」と「LINE camera」です。
昨日『TATTOO14』のメンバーと集まって写真を撮ってみんなで「LINE camera」で加工して。
まだ私は全然出来ないのですが、加工するのが面白い。
「iPod touch」は、録音と写真しか使っていなかったのですが、
WiFiで繋いだら曲を買えたり、メールが届いたり。
今パソコンが壊れてしまい、写真が送れないから困ったなと思ったのですが、
「iPod touch」で送れるよと言われ「そうなの~???」と知ったのです。
もうヒドイでしょ。
女子はメカに弱いとか言われると「全然、別に」と思っていたけど、
私もかなり弱かった・・・(笑)

―――メカに弱い感じには見えないですよね。
配線とかちゃっちゃと繋ぎそうなタイプに見えます。


メカに弱いのは認めました。(笑)
私、普通に女子だ!と。(笑)

―――女子でしたか!(笑)今日のスカート姿もよくお似合いです。
話は変わりますが、来年いよいよ宝塚歌劇団も100周年を迎えます。
改めて宝塚への思いを。


100年というとちょっとやそっとのことじゃないですよね。
立ち上げた方々の思いと、それを続けてこられた歌劇団の方たちの思い、
そして支えて来て下さった方たちの思い。
たくさんの人の思いが詰まった100年だと思うので、
その100年目に自分がこのように関わっていられる立場だということがすごくありがたいです。
出演者もお客様も、100年目を迎えずに亡くなられた方もたくさんらっしゃるので、
来年は皆様の思いを受け継ぐ100年目になったらいいですね。

―――卒業して3年が経ち、感じることもおありなんじゃないかと思いますが。

宝塚を卒業して、世の中に出ていろいろなことを覚えていかなくてはいけない時期には
あまり見てなかったのですが、少し落ち着いた頃に宝塚の舞台を見たら、やっぱり良いなって思いました。
それから自分が宝塚の良さを感じつつ新しいことをやる形になっていき、
今はもうだいぶ客観的にも見られるようになりました。

―――ファンの方たちも一緒に歩んでいらっしゃるのですよね。

そうなんです。ファンの方も一緒に色々葛藤してくださっている。
私も卒業後、悩んだし迷ったし不安になった3年間でした。
宝塚の男役以外のエンターテインメントはやる必要がないのかなと思った時期もありました。
でもそういう時にファンの方の存在が自分をこの世界に留めてくれました。

ファンの方の思いに生かされた、と感じています。
男役時代に比べたら色んなことが変化しましたが、
その変化を柔軟に受け止めてくれて、なおかつ応援し続けてくれるというのは
すごくありがたいことだなと思います。
これからの変化も一緒に乗り越えて行って欲しいし、
思いを分かち合っていきたいと思います。

―――今後、水 夏希さんのビジョンは?

退団後は映像やバラエティーなどもやらせていただきましたが、
『屋根の上のヴァイオリン弾き』に出演し、
「やっぱり舞台が好き」だということを確信しました。
舞台女優としての道をどこまで極められるか。 歌、踊り、お芝居、全てを深めていきたいと思います。

―――最後にメッセージをお願いします。

とにかく『SHOW Beyond the Door』は、人生初の構成・演出作品となりますので、
リアルタイムで一緒に感じていただけたらなと思います。

―――今日は楽しいお話をたくさん伺うことができました。ありがとうございました!

ありがとうございました。


インタビュー後篇では『SHOW Beyond the Door』の内容にも迫ってみようと思います。 どうぞお楽しみに!!

 

構成・演出・出演 水 夏希

『SHOW Beyond the Door』

 

2013年9月14日(土)18:30

2013年9月15日(日)13:00/17:00

 

品川ステラボール

東京都港区高輪4-10-30

 

チケット:8500円(税込・全席指定)*未就学児入場不可

サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

 

お問い合わせ:AQUA 03-6228-4547

(平日11:00~18:00)

 

 

 

 
 

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