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スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』制作発表 2015年07月

(2015年07月30日記載)

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スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』制作発表
演出・出演:市川猿之助、脚本・演出:横内謙介が登壇

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公演について

2015年10月・11月、新橋演舞場で、大人気漫画原作の『ONE PIECE(ワンピース)』が、
スーパー歌舞伎 II(セカンド)として上演されることが決定しました。
現在78巻刊行中という長い物語から脚本・演出の横内謙介が選んだのが「頂上戦争編」です。

<STORY>
大秘宝ワンピースを探す大いなる航海の次なるステップ、
新世界への入り口となるシャボンディ諸島での海軍との戦いの中で、
麦わらの一味は散り散りになってしまう。
一人になったルフィは兄エースの処刑宣告の知らせを聞き、救出に向かう。
侵入不能の海底監獄を突破するルフィだが、エースは海軍本部に移送されてしまった後。
そしてついにその海軍本部を舞台に、エースを救おうとする海賊団やルフィと、
海軍との間で壮絶な決戦が繰り広げられる!!

<配役>
ルフィ/ハンコック/シャンクス 市川 猿之助
白ひげ 市川 右 近
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東 巳之助
サンジ/イナズマ 中村 隼 人
ナミ/サンダーソニア 市川 春 猿
はっちゃん/戦桃丸 市川 弘太郎
アバロ・ピサロ 市川 寿 猿
ニョン婆 市川 笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川 猿 弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川 笑 也
マゼラン 市川 男女蔵
つる 市川 門之助

エース 福士 誠 治
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島 典 俊
レイリー/イワンコフ/センゴク 浅野 和 之

<スーパー歌舞伎II とは>
三代目市川猿之助(現猿翁)によって創造された、かつてないスケール感と重厚な物語性を
併せ持ったスーパー歌舞伎は、数々の金字塔を打ち立て、演劇界に新しいジャンルを拓いた。
そのスピリットを継承した四代目市川猿之助が自らの手で創造したスーパー歌舞伎、
それが「スーパー歌舞伎II(セカンド)」である。現代の演劇界を代表する才能たちと共に
全く新しい舞台空間の創造を目指し、第一弾公演として『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』が
2014年3月に新橋演舞場、続いて4月には大阪松竹座でのロングラン上演を果たし、成功に導いた。


<『ONE PIECE』とは>
「週刊少年ジャンプ」1997年7月22日より連載開始。著者は尾田栄一郎。
2010年3月4日発売のコミックス第57巻が、日本出版史上最高初版発行部数となる300万部を記録。
その後も64巻で初版400万部、67巻で初版405万部と、記録を更新し続けている。
コミックスの1巻から76巻までの累計発行部数は3億2000万部以上。海外では35以上の国と地域で流通し、
海外でのコミックス累計発行部数は6000万部以上。
1999年10月に開始したテレビアニメは現在、フジテレビ系列で毎週日曜日の9時30分から放送中。

<脚本・演出:横内謙介>
劇団扉座の主宰であり、三代目猿之助のスーパー歌舞伎では、
『八犬伝』『カグヤ-新竹取物語』『新・三国志』シリーズI~III、
二十一世紀歌舞伎組公演では『雪之丞変化2001年/2006年』『龍神伝』『新・水滸伝』などを手掛けた。
今回は当代の猿之助も演出に加わる。


制作発表(2015年7月28日)

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◆脚本・演出:横内謙介

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今回、猿之助さんとご一緒出来るこのような機会をいただきとても嬉しく思っております。先代の猿之助さんと1990年代からスーパー歌舞伎などで一緒にお仕事をさせていただいて、いろんなことを教わってまいりました。自分で勝手に澤瀉学校の留学生と言っているのですが、まさか二代にわたり、猿之助さんにお仕え出来るとは思っておりませんでしたので、この機会を今までのご恩返しも含めて頑張らなければと思っております。先代がスーパー歌舞伎の打ち合わせでよくおっしゃっていたのが三つの「S」です、分かりやすいストーリー、スピード、スペクタクル。この三つをもってスーパー歌舞伎と呼ぶのです、と。そうなっていないと何度も台本を書き直しました。今回は『ONE PIECE』という素晴らしい原作がありますからストーリーはほぼほぼ原作通りでやろうかという相談をしております。それに先代猿之助の遺伝子を受け継ぎ更に発展させようとしている四代目猿之助さんがスペクタクル、外連(けれん)、澤瀉歌舞伎を全て継承なさっているので、そこは心配いらないでしょう。そしてスピード感に関しても、今回の出演者も、僕が出会った頃は若者で今はかなり中堅になりましたが、(猿之助一門の)二十一世紀歌舞伎組と呼ばれている方々と、そして浅野さんや福士さんなどとても現代的でスピード感溢れる方々ですから、まさにスーパー歌舞伎にふさわしいものになると思います。ただ、『ONE PIECE』は78巻出ている長い作品なので、それを三時間ちょっとにしようと、そしてこの舞台で『ONE PIECE』の世界に触れる方も多いのではないかと、その方たちにも理解していただけるようにすることが私の仕事であるかなと感じております。実は最初に『ONE PIECE』を歌舞伎にすると聞いた時は、海賊の話は歌舞伎にぴったりだから面白い、と思いましたが、実は全部を読んでいたわけではありませんでした。話をうけてから全部読みました。こんなの出来るのか?!(笑)、という思いがあり、劇中劇構造に出来ないかとかいろいろ考えましたが、世界的に愛されている物語に逃げずに挑み、たとえこの船が難破しようとも王道をゆこうと相談しているところです。世界には『ONE PIECE』ファンがたくさんいて、日本には歌舞伎ファンがたくさんいて、お互いの意見が合うはずがないとも思うのですが(笑)、やるからには大秘宝を見付け出す覚悟です。出来れば猿之助さんの伸びる手足になりたいと思いつつ、まだ見ぬ秘宝を探しに今日から旅に出ると言う感じでございます。温かいご支援を持ってのご声援をお願いたします。

※澤瀉の「瀉」のつくりは、正しくは”わかんむり”です。





◆演出・出演:市川猿之助
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ご紹介の通り、スーパー歌舞伎II(セカンド)として『ワンピース』を上演することになりました。脚本は私もこの話をいただいた時に、真っ先に横内先生の名前が出てきました。おじ(三代目猿之助・現 猿翁)は、私と似ているところもございますが、正反対な部分もございます。おじは何年も前から準備をして練りに練って進めますが、私はギリギリが大好きです。本来ならこういう新作をするには期間が短いのですが、横内先生に脚本を書いていただくということは余計な会話がいらない(説明をしなくて済む)んです。我々がやりたいことを熟知し歌舞伎の手法もご存じだし、そういう意味で横内さんが最も相応しいと思いました。演出も引き受けていただきました。『ONE PIECE』というのは色々な仲間とともに冒険をする漫画でございます。歌舞伎公演ではないくらい、色々な企業に協賛、協力いただきます。これも仲間だと思います。出演者も歌舞伎界にとどまらず仲間がいます。スタッフも仲間です。今日は記者会見ですけどもしかしたら、本番までに賛同する仲間が増えて行くかもしれない。そういう仲間と一緒に未知なる船出をします。まだまだ初日までに進化する芝居となっております。初日が開くまでずっと追いかけていただき たいと思います。準備はまだまだこれからですが、記者会見をやることで後戻りの出来ない航海に出発したんだなと実感いたしました。原作があるものを舞台化するのは一番難しいです。どこに焦点を持っていくか。今回は『ONE PIECE』を知らない方々にも楽しんでいただける作品にしたいと横内さんと話しています。全く『ONE PIECE』に触れたことがない人にも分かるように作ります。あとは、お芝居ですから、どこを(舞台として)やるか非常に悩みました。『ONE PIECE』は歌舞伎というのが一番ふさわしい演劇形態なのではないかと思います。鶴屋南北の作品でも名場面だけを上演することが多い。それが当たり前の中で、今回は「頂上決戦」のところを上演します。どういうものが出上がるのか私もお客様と共に誕生を待ちたいと思います。




原作者:尾田栄一郎さんのコメントが読み上げられました。
「演劇と歌舞伎の境界線はどこにあるのか」と尋ねると
「全ての所作が美しいのが歌舞伎です」と、猿之助さんは言われました。
僕は『ONE PIECE』を美しく描いたことはありません。
つまりこれは、海賊と美しさのコラボレーション。
歌舞伎というフィルターを通すと、海賊たちがどんな美しさを放つのか。
制作の片鱗を見せていただくに、すごいものになるという予感しかいたしません。
言わずもがな、市川猿之助さんという才能に、超ご期待ください!!


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質疑応答

―――『ONE PIECE』を知らない方にも楽しめるものをという話がありましたが、
これをきっかけに歌舞伎を初めて観る子どもたちにメッセージを。

◆市川猿之助
お子さんが一番良くご存じだと思います。興味を持ったお子さんは、
是非お父さんお母さんを連れて(笑)家族で観て欲しいです。
一番素直な批評をくれるのは子どもなんです。
お子さんも一緒に盛り上がれるような仕掛けを作りたいなと思います。
大きくなった時に記憶の片隅に、あれは楽しかったな、あれが歌舞伎というものなんだ、
大人になったら歌舞伎を観てみようかな、というのが望外の望みですが、まずはこの
『ワンピース』を観に来ていただきたいです。

―――市川猿之助さんは原作をお読みになりましたか。

◆市川猿之助
79巻送っていただきましたが、私は1巻目の10ページまでしか読んでいないんです。
5月に共演した仲間がディズニーオタクなのですが、彼に
「あなたは原作を読まないほうがいい」、と言われたんです。「なんで?」と聞いたら、
本当に好きな者同士が作るとものすごくこだわってしまってオタク的になってしまう、
そうすると『ONE PIECE』を知らない人の目線がなくなる、だからあえて読まないほうがいいと。
横内先生は『ONE PIECE』の世界に精通しているので、(演出の)二人があまりに精通してしまうと
観客を置いてけぼりにしてしまう、なので私は素人的な疑問を大事にしようと思って、
あえて触れないようにしています。でも手元にはあります。

―――好きなキャラクターは。

◆市川猿之助
ご存知のように漫画を読んでいないのでルフィとしか言いようがないのですが・・・(笑)。
このお話をいただいた時に、仲間の歌舞伎役者を始めいろんな方から
「俺はこの役をやりたい」というのがたくさん来たんです。それだけ愛されていますし、
言われたキャラクターの名前がどれもかぶらないんです。
綺羅星のごとくいるキャラクターたちが愛されているのが分かりました。

―――主人公・ルフィを演じるということで、周りが火を操ったり自身を操ったりする中で、
身体が伸びるゴム人間ということで、どのように演じようと思われていますか。

◆市川猿之助
横内さんと話す中で、ルフィは手が伸びないといけないと言われました。歌舞伎的な手法なのか
現代的な手法なのかこれから相談です。火の戦いや氷の戦いはスペクタクルでやってみたいと考えています。

―――横内さん、スーパー歌舞伎を始めたころから20年以上経ちますが、
20数年前に初めてスーパー歌舞伎を挑んだ時の思い、
それから20年経ち今回はどういう気持ちで立ち向かうのか。

◆横内謙介
1993年に初めてスーパー歌舞伎をしました。その前にパルコ劇場で二十一世紀歌舞伎組の舞台をやりましたが、
それまでは歌舞伎をたまに観る程度の感じでした。でも猿之助さんと出会って
いかに歌舞伎がすごいかというのをたたきこまれました。その技法は僕らの現代演劇で
使えないこともないんだというのを大学教授のように細かく教えて下さいました。
三代目猿之助さんと梅原猛さんとで考えた結果、今の演劇に欠けているのはこういうことだよという話もしました。
そういうことを全て教えていただいたと思っています。今まで小劇場の中で僕なりに使ってきましたし、
一門ともずっと繋がりがありました。そういう流れの中で猿之助さんが今言って下さった
「そんなに相談しなくても言いたいことが分かる」という話ですが、だいたいは分かります(笑)。
「ここの出が悪い」とか「役がたってない」とか。
現代演劇は役者中心ではなく作品中心なので、そういうことを習いました。
四代目は更に先に行こうとしているんだなと、打ち合わせしながらひしひしと感じております。
ご自分の役についても、ルフィは「ルフィノスケ」「ルフィノジョウ」にするのですか、
と聞いたらそういうことは一切したくないと。ルフィの言葉でいきたいとおっしゃっています。
演出は二人ですので、ビジュアル面は猿之助さんにお願いしたいなと思っております。
演出面も三代目がやっていないことをやりたいと意図的に考えていらっしゃいます。
スーパー歌舞伎のことを僕も分かっているつもりですが、(四代目は)スーパー歌舞伎を古典化しようとしていないので、
更に新しい形で入らないといけないなと。
スーパー歌舞伎の手法も使いますが、いかに進化(深化)させるかを考えています。
特に浅野さんとは学生時代から演劇仲間です。まさかここで会うのかと。『ONE PIECE』じゃないですが
「あの時お前、小さな海賊だったよな」と(笑)。巡り巡って猿之助さんのもとで
ひとつなぎになっていく可能性を感じています。一歩先に行けるスーパー歌舞伎になればいいなと思います。

――猿之助さんのお話にもありましたが一場面だけで上演出来るのは歌舞伎らしいところだと思いますが、
その中で「頂上戦争編」に決まったいきさつを。

◆横内謙介
いくつかプランがありました、ひとつのエピソードだけを抜いてやると決まり、
「麦わらの一味の勢揃いがあるといいよね、歌舞伎っぽいのでは」、と言いました。
あとは初めて観る人にも分かりやすいのはそのあたりの「頂上戦争編」がいいのではないかと。
白ひげの絵をみせたりしながら猿之助さんにプレゼンをして、それをやってみようかとなりました。

―――一人何役もやるというのも歌舞伎的ですね。

◆市川猿之助
猿之助の売りでもありますから、自分もいろんな役を演じて、みんなが活躍出来てということで
この形になりました。今回私は主役ですからもちろん活躍はしますが、
いつもだと自分がやる場を次の世代、巳之助くんや隼人くんに譲り、彼らにも活躍してもらう、
そういう試みも考えております。

―――ルフィ/ハンコック(/シャンクス )というのは猿之助さんらしい役ですね。

◆市川猿之助
ルフィは歌舞伎で言うと『義経千本桜』の義経のようで主人公でありながらあまり活躍しないんです。
じゃあ何かいい役はないか。僕は女方が出来ますからそういう特性を生かせないかと
なった時にこの役を勧められました。

―――スーパー歌舞伎IIで『ワンピース』を上演することになった一番の理由は。

◆市川猿之助
それは、この『ONE PIECE』を表現するには猿之助が最適だと思って下さったことへの
お応えです。まさに縁だと思います。私がおじと違うのは、がむしゃらにやって行く強さよりも、
受け身と言うか、縁を大事にして、待っていたら何か縁と縁が結びあって何か面白い物が
出来るのではないかと感じるタイプです。スーパー歌舞伎IIのニ作目も実は(他のものを)考えていましたが、
それを絶対死守していたらこの話はなかったかもしれない。自由でいたいんです。
猿之助なら出来るだろうと思われた喜びと使命感ですね。


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(C)尾田栄一郎/集英社 

 

松竹創業120周年

スーパー歌舞伎II(セカンド)

『ワンピース』

 

尾田栄一郎 原作

(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

横内謙介 脚本・演出

市川猿之助 演出・出演

 

2015年10月7日(水)~11月25日(水)

会場:新橋演舞場

 

主催:スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ

後援:朝日新聞社

協賛:株式会社セブン-イレブン-ジャパン

 

http://onepiece-kabuki.com/

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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