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『カリソメノカタビラ~奇説デオン・ド・ボーモン~』水夏希さんインタビュー 2019年09月

(2019年09月06日記載)

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『カリソメノカタビラ~奇説デオン・ド・ボーモン~』水夏希さんインタビュー

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公演概要(リリースより)


2014年の水夏希出演の「Attractive Concert2014 蜃気楼~mirage~」にて上演された、
男性でありながら女装をしてベルサイユ宮殿に入り込んだ実在のスパイ
“シュヴァリエ・デオン”をさらに虚像と実像を織り交ぜつつ、
荻田浩一の作・演出により2019年夏ミュージカルとして上演決定!

宝塚歌劇団の演出家として絶大なる人気を博し、歌劇団退団後は『蜘蛛女のキス』、
『CHESS the Musical』、『マディソン郡の橋』といった翻訳ミュージカルや、
東宝ミュージカル『王家の紋章』などの大箱での新作ミュージカル、
『ドリアン・グレイの肖像』『不徳の伴侶』『イヴ・サンローラン』などの
オリジナルミュージカルと多岐にわたる作品を手掛けている作・演出家、荻田浩一。
その作風は、耽美でロマンチックでありながら、人間心理の隙間を突くシニカルな視点があり、
一度観るとやみつきになる中毒性がある、と多くのファンの心を掴んでいます。
一方で荻田はこれまで、ゼルダ・スコット、マルグリット・ド・ヴァロワ、モディリアーニ、
ジェームス・ディーン、メアリー・スチュアートなど実在した人物に材を取った作品を
数々送り出していますが、今回取り上げるのは、マリー・アントワネットがいた時代の
フランスに実在したスパイ、シュヴァリエ・デオン。
生涯の前半は男性として、後半を女性として生きたという、非常に興味深い人物です。
この題材を長年あたためていた荻田は、2014年に演出を手掛けた水夏希コンサート
『蜃気楼~mirage~』内のひとつのシーンのモチーフに使用。
そこで手応えを感じた荻田はさらに構想を膨らませ、水夏希とふたたびタッグを組み、
今度はコンサートの一場面ではなく、新作ミュージカルとして改めて、シュヴァリエ・デオンの生涯を描きます。
昨年はイングリッド・バーグマン主演映画として知られるコメディの傑作『カクタス・フラワー』に主演、
もともとパフォーマンス能力の高さに定評があり、演技にもいっそうの深みを増した水が、
謎めいたスパイに扮することにも注目です。
出演者は、若手ながら繊細な役作りに定評があり、注目の舞台や映画に出演を続ける溝口琢矢、
抜群の歌唱力で観客を魅了する笠松はるも出演。劇団公演に留まらず、外部の舞台や映像分野でも
活躍する植本純米が久々の女役を演じるかも見逃せません。さらに、圧倒的な歌唱力と存在感のみならず、
近年コメディーセンスも遺憾無く発揮する坂元健児も出演。
小さな空間のなかで、実力派の5名がどうぶつかるか、見逃せません!
音楽は宝塚時代から荻田と手を組み数々の名作を生み出している斉藤恒芳が担当。ご期待ください。

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水 夏希さんインタビュー(2019年9月4日)


ーーー今回の公演の経緯と役について教えてください。

◆水 夏希
2014年に荻田浩一さんの演出で上演した『Attractive Concert2014 蜃気楼~mirage~』という
コンサートの中で、シュヴァリエ・デオンをテーマにした場面を作ってくださったんです。
その時に、初めて実在の人物で、こういう人がいたということを知りました。
「ミュージカルにできたらおもしろいね」と話をしていたので何年か越しに実現したという感じです。
このシュヴァリエ・デオンという人は、男性だけど女装してロシアなどでスパイ活動を行っていたのですが、
今回は女だけど自分のことを男だと思っている女性という設定にしています。
持って生まれた性別に関係なく自分らしく生きることを望んでいる女性の役です。

ーーー宝塚歌劇団で男役をやってきた水さんが
告知動画の中で「似て非なる」という表現をされていますが、どのようなところが難しいですか?


◆水 夏希
男役は美しくてかっこいい部分を求めます。
でも、シュヴァリエ・デオンはカッコよく生きたいわけではなくて、男性として生きたい人。
男性であると自分では思っているけれど、体は女性であるというところが微妙に違うと思いますね。
言葉で言えば、性同一性障害ということになるのですが、たくさん調べました。
それまでは無意識だったけど、ふとした時に「え!?男じゃなかったんだ」ということに気が付いて、
そこから苦悩が始まる。でも自分ではどうにもならない脳の働きなので、そういうところを
理解しようと思っても、なかなか理解し得ないところもあるので難しいなと思いますね。

ーーー逆に男役をやってきた水さんだからこその部分は?

◆水 夏希
(男役を長くやってきたので)女性っぽく見えるということは、まずないでしょう(笑)。
女性にも男性にも見えなくてはいけないので、ロシアに行く時は女性に見えるように、
むしろ自分の女性性を引っ張り出してくるという感じではありますね。
お稽古の最初の頃は、喋り方や立ち振る舞いが宝塚の男役になってしまっていたんですよ。
自分でも「宝塚じゃん」って思って。でも、演じていくうちに普段の自分でいいのかな
というところに行き着きました。

ーーーむしろご自身だった!?

◆水 夏希
あれ!?普段と近い形でいいのかって(笑)。

ーーー今回チラシにはビジュアルが載っていませんが、どんなお衣装になる予定ですか?

◆水 夏希
女性としては輪っかのドレス、男性としては宮廷服です。
コンパクトな劇場ですが、みっちりと豪華に、舞台所狭しと派手な衣装でという感じではありますね。
衣装さんがいろいろなアイデアを出してくださって、あっという間に男にも女にもなれるという
お衣装もあって面白いなと思いますね。

ーーー浅草九劇の出演は初めてですよね?お客様との距離も近いイメージがありますが。

◆水 夏希
何だか想像がつかないですよね。私が以前観に行った時は
舞台と客席が対面のシアター形式だったのですが、今回は三面客席で客席の高低差もあり、
どこからでも見られているというかんじでしょうか。実在の人物は貴族の出なのですが、
私が演じるのはもともと貴族だったけれど捨てられて、男とも女ともわからないという見世物として
働いていたところからのスタートなので、見世物小屋的な雰囲気は十二分にあるなと思いますね。

ーーー観る角度によっても印象が変わるかもしれませんね。

◆水 夏希 全然違うと思いますね。客席に向いているキャストの表情がクローズアップで見えると、
その人の感情がフィーチャーされるということになりますものね。

ーーー荻田先生の演出はいかがですか?

◆水 夏希
2017年『アルジャーノンに花束を』の時は、ザ・女性だったので、
今回は宝塚の時と近いのかなと思います。
荻田さん、お稽古場ではテンションが高くて、一番楽しそうなんですよ。
おかげで、みんな和気藹々と自由に、やりたいことを提示し合えています。

ーーー今回、追加公演も出ましたね。

◆水 夏希
稽古が始まる前から沢山の方が期待して下さっているというのは嬉しいですね。

ーーー最後に意気込みを。

◆水 夏希
すごくシリアスな作品だと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、
とてもコメディチックなシーンもたくさんあります。
性同一性障害の人物が生きることを模索するストーリーなので、もちろんテーマは
真摯に描いていこうと思っていますが、その中でも人生って色々な面白い要素がありますし、
キャストの皆さんが個性的で力のある方たちなので、とても楽しく、
あっという間に終わるんじゃないかなと思っています。劇場がコンパクトで舞台とも近いので、
お客様も心して!?来ていただき、楽しんで観ていただけたらと思います。

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『カリソメノカタビラ~奇説デオン・ド・ボーモン~』

 

脚本・演出:荻田浩一

音楽:斎藤恒芳

出演:水夏希/溝口琢矢 笠松はる/植本純米/坂元健児

演奏:安齋麗奈

 

会場:浅草九劇

東京都台東区浅草2-16-2 浅草九倶楽部 2階

会期:2019年9月12日(木)~23日(月)

 

http://musical-karisome.com

 

 

 
 

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