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AKB48を卒業して女優としての第一歩を踏んだ  藤田奈那さんスペシャルロングインタビュー 2019年05月

(2019年05月02日記載)

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AKB48を卒業して女優としての第一歩を踏んだ
藤田奈那さん スペシャルロングインタビュー

<ふじたなな プロフィール>

1996年12月28日生まれ。東京都出身。
2010年、「AKB48 第10期研究生オーディション」に合格し、同年AKB48劇場デビュー。
2015年9月16日、「第6回AKB48グループ ソロシングル争奪じゃんけん大会 in 横浜アリーナ 〜こんなところで、
運なんか使っちゃうのかと思うかもしれないが、とりあえず、勝たなきゃしょうがないだろ?〜」で優勝。
ソロデビューすることが決定し、同年12月23日にシングル「右足エビデンス」でソロデビューした。
2019年1月7日、AKB48卒業(約8年間在籍)

藤田奈那さんスペシャルロングインタビュー
(2019年4月18日 取材・執筆:住川禾乙里/写真:伊藤華織)


AKB48を卒業してから最初の舞台出演となる『天狗ON THE RADIO』のお稽古をしている藤田奈那さんに、
これまでのこと、そして今後の活動についてお聞きしました。



―――まずは藤田奈那さんのアイドルとして活動する前の生い立ちを伺えたらと思います。
子どもの頃はどんなことをしていましたか? 



◆藤田 奈那
幼稚園に通っている時は、外のアスレチックでみんなと遊んで、それだけでは足りず家に帰ってからも
お母さんに公園へ連れていってもらうほど、外で遊ぶのが大好きでした。
とにかく、体を動かすことが好きで、小学生の休み時間も男の子に混じってドッジボールをしたり。
あと、小学校1年生からクラシックバレエを習い始めました。とにかくじっとしていられない子でした(笑)。

―――それだけ外で遊ぶのが好きだったということは運動会で何かの選手になるタイプですか?

◆藤田 奈那
ずっとリレーの選手でした。長距離は全くダメなのですが、短距離走とか走り幅跳びはやっていましたね。

―――学生時代に好きな教科、嫌いな教科はありましたか?

◆藤田 奈那
文章を書くことが好きで、小さい頃から日記を書いたり作文を書いたりしていたので、
国語が好きでした。嫌いな教科は数学。どんなことに対しても、これはなぜそうなるの?って
意味を考えてしまうんです。数式を覚えなさいと言われても本当に覚えられなくて、
自分の中で理解しないと頭に入ってこないんですよ。だから数学はダメでした。

―――長所と短所は?

◆藤田 奈那
最近やっと自分で言うようになったのですが、すごく真面目な性格なんです。
周りの方からも「真面目だよね」と言われることはあったのですが、真面目で神経質。
几帳面というか、きっと心配症なんですよね。その心配性なのは、あまりよくないことだと
ネガティブに捉えていたのですが、「心配症ということは、その分事前準備をするし練習もする。
しっかりと確認して、最終的にちゃんとできるんだから良いことなんだよ」と言ってくださった方がいて。
これが長所なんだと思えるようになりました。短所は1つのことしかできないところ。
例えば、舞台のお稽古がある時も、午前中は空いているので歌のレッスンに行くとかそういうことができなくて。
朝起きたら台本を読んで、お稽古のことを考えながら今日はこういう風にやってみようとか構想を練りながら
お稽古場に行きたいんです。帰ってからも今日の復習をしたり、もう目の前のことで一色になっちゃうんです。
将来はミュージカルにも出演したいので、歌の練習も行かなきゃとも思うのですが…。
もう少し要領よくできるようになりたいなと思っています。小さい頃から一点集中型でクラシックバレエを続けてきました。
学校から帰って宿題をやって、バレエ団の付属のバレエ教室も含めて週6日通っていました。
友達と遊ぶことはあまりありませんでした。ハマると家でも普通のテレビではなく、
バレエのDVD見たり、雑誌を読んだり。

―――そんな中でAKB48を目指したきっかけは?

◆藤田 奈那
もともと留学をしたいくらいバレエダンサーになりたかったんです。
でも、たまたま家のリビングにあるテレビで『RIVER』というAKB48が初めてオリコン1位取った曲が流れて
見た時に一目惚れのような感覚になりました。バレエ以外のことに全く興味がなかったのに、
「これだ!」と思いました。ガツガツ踊るかっこいい感じの曲だったので、アイドルといえば可愛い曲
という概念が覆されて衝撃を受けました。踊っていらした宮澤佐江さんに一目惚れし、
宮澤さんに会いたくてAKB48のオーディションを受けました。
オーディションの面接の時にも審査員の方に「なんで応募したの?」と聞かれて「宮澤さんに会いたくて」と
素直に答えました(笑)。アイドルに憧れたというよりかはAKB48に憧れて。
オーディションの応募用紙の志望動機にも素直に書いていましたよ。AKB48に入って宮澤さんともお話するようになって、
そこからずっとお世話になっていて、今もご飯に連れて行ってもらったりしています。
最初は憧れの存在だったのですが、お話しさせていただいて尊敬に変わりました。
私が悩んでいた時に相談に乗ってくれて救ってくださったのが宮澤さん。
宮澤さんがいなかったら途中で辞めていたかもしれないと思うところもありますね。
私も卒業したので、いつか共演させていただけるように頑張ります!

―――AKB48で苦労したことは?

◆藤田 奈那
ほぼ苦労したことのような気もするのですが、すべてにおいて人が多いので自分にチャンスがまわってくる
機会が少ないんですよ。そこは苦労しましたね。ファンの方に自分を見てもらいたいというのはもちろんですが、
スタッフさんにも認めてもらわないといけない。私はこういう仕事がやりたいです!とアピールしていかないと、
人数が多いから伝わらない。自分から主張していくタイプではなかったので大変でした。
最初は研究生として入って、そこから人気や実力をスタッフさん達が見て正規チームに昇格していくんです。
年功序列では無いので、後輩の子とかがどんどん上がっていくということもあって。
2年半くらい研究生をやっていましたが、研究生はいつ「来なくて良いです」となるかわからない状況でやっているので、
ずっと不安でした。どうすればいいのだろうというのがずっとあって。

―――後輩が上のチームに入るときにどう思うタイプですか?

◆藤田 奈那
悔しいという思いもあったと思うのですが、それ以上に何が足りなかったのだろうと思っていて。
今思い返すと、足りないところはいろいろとあったと思うのですが、当時は誰よりも必死にやっていたつもりだったので、
こんなにやってもダメなんじゃ、あとは何をやればいいのだろうというのが自分の中にありました。

―――楽しかったことは?

◆藤田 奈那
秋葉原のAKB48劇場で公演をするのが、8年間在籍していた中で一番楽しかったです!
250人のキャパなので、決して大きくはないですし、設備がすごく整っているわけでもないですよ。
でも、そこならではの一体感があって、ファンの方が応援して自分を見てくれているというのが
ダイレクトに伝わってくる場所だったので、すごく好きでした。
レッスン場では、お稽古をしていても見てくれる人もいないしその場では結果は返ってこないのですが、
劇場で歌ったり踊ったりするとファンの人が喜んでくださるし、そのあとの握手会でも感想を言ってくれるので、
やっぱり劇場ってすごくいいなって思いました。コンスタントに出演していたので、
存在を認めてもらえていたというか、一人で不安になっていても劇場でファンの人が応援してくれて、
ここにいてもいいんだなと思えたのが劇場公演だったので。
劇場がなかったら、たぶん1〜2年でやめていたと思います。

―――藤田さんにとってファンとはどんな存在ですか?

◆藤田 奈那
自分の活力へと繋がる存在です。私がこの仕事を続けている意味を考えた時に、
ファンの人たちがいるからだなという結論に至ったんです。
自分が見た夢を、いつの間にかファンの皆さんも同じ夢を見て応援してくれる。
私からファンの方1人1人にいただいた想いを同じだけ返せるかというと難しいのかもしれませんが、
それでも熱く応援してくれる。お仕事が決まった時は、私以上に喜んでくれたり、同じ目標に向かって
一緒に歩んでくれている気がします。夢を叶えたいとか、舞台に立ちたいとか自分の夢や想いもありますけど、
私がこのお仕事を続けている1番の意味は、ファンの人に喜んでもらいたいからというのが
根本にあるということに気がつきました。AKB48に在籍中はファンの方との距離が近いので、
毎週のように握手会で会えていたので、良くも悪くも当たり前のようになっていたから、
AKB48を離れてから強く感じるようになりました。SNSのコメントや事務所にお手紙を送ってくれたり、
「チケット取ったよ、楽しみにしているよ」というコメントをいただいたりしてすごく励まされていますし、
私がこの仕事をしているのはファンの方が喜んでくれることが一番嬉しくてやっているので。
私がこのお仕事をしている意味になってくれているなと、ファンの方の存在は思います。

―――AKB48を卒業後は、ファンの方との距離感も変わってくると思いますが、
今後はどのような活動を応援して欲しいということはありますか。


◆藤田 奈那
今までのように、舞台に自分が出ているのを見に来てくださるのが一番嬉しいなと思います。
他にも、AKB48を卒業してから東京と大阪でソロライブやらせていただいたり、
年末の誕生日にもいろいろと考えていることがあったりして。
ファンの方は、アイドルの私をまず最初に好きになってくださった方がいてくださるので、
舞台を観に来てくださるとは思うのですが、やっぱり直接会う機会も絶対欲しいと思うんですね。
そういう機会も必ず毎年作っていきたいなと思っていますし、遠い存在になってしまったとおっしゃっている
ファンの方もいるんですけど、私からしたら全然そんなことはなくて、普通に気軽な感じで応援して欲しいなって。
あまり遠く感じずにいて欲しいなと私は思います。それと、ファンクラブを作ろうという話を事務所の方としていて、
そこでまたイベントとかもやりたいですし。会える回数は少し減ってしまいますが、遠くには行かないので、
近くで応援しているという気持ちでいてくれたらなと思います。

―――過去のインタビューで、今一番欲しいものは?という問いに「運」と書いてあるものがあって、
すごい!と思いました。


運が欲しかったんですよ。私、すごくツイテル時期と全くダメな時期というのが小さい頃からずっとあって。
本当にくだらないことなんですけど、ツイていない時は、目の前で電車が行っちゃうとか、
みんなでわちゃわちゃしながら道を歩いていて、信号を渡ろうとした時に自分だけ取り残されるとか
そんなくだらないことなんですけど。電車の自動改札を通ろうとしたら自分のすぐ前の人がエラーで通れなくて、
目の前の電車に乗れなかったとか。すごく運が悪いんですよ。宝くじ当たるとか、そんな運は全然いらないですけど、
日常生活に支障が出ないぐらいの運が欲しかったんです(笑)。ついているときもあるんですけどね。
どちらかというと、ついていない方が多いです。

―――今一番欲しいものは?

今パッと思い浮かんだのは二つあって「仕事」と「時間」なんですけど、仕事があれば他の時間はなくなるし、
時間があったら仕事はないってことなので。どっちかな〜。仕事ですかね。暇なのが嫌なんですよ。
暇だと考えちゃうし、不安になったりとかするので、ダラダラしちゃうし。
常に働きたいというのがあって、ファンの方と会える時間が減った分、
コンスタントに表に出て皆さんに私の姿を見てもらえる機会がないといけないなと思っているので。
普段生活していても、仕事してる時が一番楽しいんですよ。仕事したいです。

―――こんな仕事をしたいとかありますか?

やっぱり舞台が好きなので、いろいろな舞台に出演していきたいですし、
WEB CM のお仕事(「いい部屋ネット」)をさせてもらっているのもすごい楽しくて。
映像としても何かに出て、皆さんに見てもらえる機会をどんどん挑戦していきたいなというのは思っています。

―――あのCMすごく自然でしたが台本はあったのですか?

あったのですが、撮影現場行って佐藤二朗さんに「よろしくお願いします」とご挨拶したら、
佐藤さんが「台本全く読んでいないんだよ」と言われて。私の名前しか知らないという状態で始まって、
こういう設定で行ってくださいみたいなものがあったので、そこだけも私が覚えて最初パパパッと説明して、
あとは全部アドリブで。1分ちょっとの動画なのですが、40分くらい長回ししていて撮りっぱなし。
台本はあってないようなものでしたが、すごく楽しかったです。

―――オフの時にやりたいことはありますか?

歌のレッスンにいきたいです!次に出させていただく舞台『人魚姫』で歌があるんですよ。
一曲ソロで歌わせていただくので、まだ譜面はいただいていないのですが、やはり基礎もレッスンしたいですし。
何かお仕事が来たときに不安に思いたくなくて、時間があったら準備の時間に当てたいですね。

―――舞台も観に行きますか?

休みの日には観に行きますね。観るのは楽しいですし、勉強にもなります。
休みの日はレッスンに行っているか、舞台を観に行っているかという感じです。

―――AKB48を卒業してから心境の変化はありますか?

良くも悪くも孤独かな。AKB48に居た時は一人になりたかったんですよ。
人が多いですし、楽屋でも狭いところに何十人って入るので、自分のスペースも小さくて。
一人になりたいなと思うこともあったのですが、今はそんな大人数のところに入ることもないですし、
辞めてから一人を感じています。AKB48の時にはしんどいなと思う時でも、みんなとわちゃわちゃしていたので、
それによって救われていることもあって、みんなに助けてもらっていたんだなと改めて感じています。

―――AKB48にいる時と卒業後に舞台に出る時の違いってありますか?

スジュール的にはAKB48にいた時の方がしんどかったんですよ。AKB48の仕事をしてから稽古に行ったりとか、
稽古を早めに抜けて劇場公演に行ったりとか、握手会にいったりしていたので。しんどかったけれども、
当時は息抜きが自然とできていました。やっぱり、同年代の仲良い子たちに会って、どうでもいいことや
舞台と全然関係ないことを喋っていたり聞いていたりして。今となっては、あれが息抜きになっていたんだなと感じます。
体はしんどかったけど、心はAKB48にいた時の方が楽でした。今は逆ですね。時間はあるけれど、
一人でいる時間の方が多いので、その分お仕事のことを深いところまで考えられるのですが、息抜きしよう、
人と会おうと思わないと会えないし、息抜きという息抜きができないので。これから自分でやっていくので、
自分の良いバランスを見つけていかなきゃいけないなと思います。

―――今はまっていることは?

宝塚ですね。宝塚も大きく言ってしまえば舞台なので、自分のお仕事とつながっている部分もあるのですが、
宝塚を観ているときは勉強しようとかいう思いは一切なくて、ファンとして「綺麗だな〜楽しいな〜」と
思いながら観ているので、一番リフレッシュできている時ですね。宝塚の全国ツアー公演とかも、
好きな役者の方が出演されている公演だと行っちゃうので、ちょっとした小旅行みたいな感じで、
それはそれで楽しかったりします。

―――宝塚の魅力は?

宝塚の舞台を観に行くと、現実にはありえないような豪華で綺麗な世界を見られるというのが楽しくて。
もちろん、宝塚以外のミュージカルなどの舞台も面白いですが、宝塚ならではのきらびやかで
華やかな世界が好きですね。他にはないなと思います。高校に入った時から観ているので5〜6年くらいですね。
宝塚のことは、昔からバレエもやっていたので知っていたのですが、たまたま日比谷の劇場の前を通った時に、
ポスターがめちゃくちゃカッコよかったんですよ。当日券に並んで観てからはまりました。

―――今後の藤田奈那の目標は?

演出側の方にも、舞台を観るお客様にもこの役を藤田奈那にやって欲しいと言われる人になりたいです。
この役は背が高くて、どのくらいの年齢で、このぐらいの雰囲気の子にやってもらいたいとかじゃなくて、
この役はこの人がいい!という人になりたい。でも、それはすごく難しいことだなと思うんですけど。
だから自分の持ち味というか個性は残しつつも、どんな役にでも対応できる人じゃないといけないなと思います。
どんな役でもポンと役がきた時に名前が挙がる人になりたいですよね。それはもちろんキャストを決める方から
名前が挙がりたいというのは、もちろんですけど、いろいろな舞台を観ている舞台が好きという方にも、
あの役は合うんじゃないと思ってもらえる人というのが一番の目標です。

他にも目標はたくさんあるのですが、今回出演させていただく『天狗 ON THE RADIO』では、
演出の大浜さんからすごく自然体のお芝居を求められていて、自分はやっぱり芝居の経験も浅いので、
どうしても芝居っぽくなってしまうというか、なんか少し自分でもまだ引っかかっているところもあって。
出演されている方々は本当に自然で、日常会話のようにセリフを言うんですよね。それが一番難しい。
やっぱり舞台を観ていても、普通を演じるというのが実際一番すごいことなんだなと思うんですよね。
自然体でいることがすごく難しいというのは、今回の現場で凄く感じているので。でも、皆さん本当に
ナチュラルに芝居されるのですごくそこは勉強になっています。共演させて頂く同じ事務所の緒月(遠麻)さんは、
「わからないな〜」と思っていたりすると声かけてくださったり、「こういう風に言ってみたらどう?」とか
「こういう気持ちで言ったら言いやすいんじゃないかな」とアドバイスくださるので嬉しいですし
吸収できるも部分たくさんあります。

―――最後に『天狗 ON THE RADIO』に出演されるにあたってのメッセージを。

すごく温かい作品で、笑えるところもたくさんあって、ちょっと悲しくなっちゃうなというところもあるとは
思うんですけど、でもそれを落とさないと言うか、すごく深刻には感じさせないお芝居を作っているので、
すごく楽しんでもらえると思います。気軽な気持ちで観に来てもらって、楽しめるお芝居だと思うので
そんな方に観てもらいたいですね。すごく私がお客さんとしても観てみたいなって思える作品なので、
たくさんの方に観てもらえたらいいなと思います。

 

 

【今後の出演情報】


 

舞台『天狗ON THE RADIO』


日程:2019年5月2日(木)〜5月6日(月・祝)

会場:東京芸術劇場シアターウエスト

公式サイト

 

舞台『人魚姫』


日程:2019年6月21日(金)~30日(日)

会場:すみだパークスタジオ倉

公式サイト

 

 

 
 

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