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片岡仁左衛門登壇『松竹大歌舞伎』西コース会見 2020年03月

(2020年03月03日記載)

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片岡仁左衛門登壇『松竹大歌舞伎』西コース会見


演目と配役


一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
曽我五郎時致 中村 橋之助
小林妹舞鶴 中村 壱太郎

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  木の実
  小金吾討死
  すし屋
いがみの権太 片岡 仁左衛門
弥助実は三位中将維盛 片岡 孝太郎
お里 中村 壱太郎
主馬小金吾 中村 橋之助
弥左衛門女房お米 中村 梅花
猪熊大之進 片岡 松之助
若葉の内侍 澤村 宗之助
権太女房小せん 上村 吉弥
梶原平三景時 市川 男女蔵
鮓屋弥左衛門 坂東 彌十郎

みどころ


一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
曽我五郎は父の仇を討つために、鎧を小脇に抱えて工藤の館へ駆けつけようとしています。
今はその機会ではないと五郎を止めようとするのは小林朝比奈の妹舞鶴。
いずれも力自慢の二人は鎧の草摺(胴の裾の部分)を引き合います。
曽我兄弟の仇討を題材にした作品で、荒事の豪快な趣向と華やかさをあわせもつ長唄の舞踊です。
歌舞伎の絵面美にみちた舞台をご堪能ください。

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  木の実
  小金吾討死
  すし屋
平維盛の行方を捜す平維盛の妻、若葉の内侍と嫡子、六代君、家臣の小金吾の一行。
そこへ、いがみの権太が現れ、小金吾に因縁をつけて金を巻き上げます。
その直後、小金吾は追手の猪熊大之進らに囲まれてしまいます。
内侍たちは何とか落ち延びますが、奮戦する小金吾はあえなく討死してしまいます。
そこへ、偶然通りかかった権太の父、弥左衛門は、小金吾の首を持ち帰るのでした。
すし屋を営む弥左衛門は、実は維盛を奉公人の弥助として匿っています。
その弥助に恋をしている弥左衛門の娘のお里は、その素性を知り、悲しみに暮れます。
その後、ほどなくして鎌倉方の重臣梶原景時が詮議に訪れますが、
権太が褒美欲しさに維盛の首と内侍親子を突き出してしまいます。
これに怒った弥左衛門は思わず権太を刀で刺しますが、意外な真実が明かされ…。
歌舞伎三大名作の一つに数えられている『義経千本桜』は全五段からなる人気狂言です。
今回上演される「木の実」「小金吾討死」「すし屋」はこの三段目にあたり、
いがみの権太と呼ばれるならず者が、死を前にして改心し、維盛の窮地を救う幕切は、
悪人と思われた人物が善人に回帰する「もどり」と呼ばれる演出で、悲劇をいっそう引き立たせます。
義太夫狂言の名作をご堪能ください。


片岡仁左衛門登壇『松竹大歌舞伎』西コース会見(2020年2月18日)



◆松本 辰明((公社)全国公立文化施設協会 専務理事/事務局長)



3月31日から約一ヶ月間巡業をしていただくことになっております。
片岡仁左衛門さんといえば長年続く松嶋屋の大名跡として、また花と風格を兼ね備えた現代歌舞伎の第一人者として、
今まさに円熟技を迎えていらっしゃいます。開催会館の皆さまも大変期待しております。
昼夜の連続公演も約10回ありますので、相当ハードな公演になると思いますが、
体調に留意され、地域の皆さまに感動をお届けくださいますよう、お願いいします。


◆安孫子 正(松竹株式会社 副社長/演劇本部長)


この巡業公演の会見では、いつも同じことを2つお話ししております。
1つは、公文協さんは昭和40年代に全国の公立文化の施設を使っての、いわゆる公文協の歌舞伎というものを始められて、
この50数年続いてきているわけですが、その頃は歌舞伎座を始め、盛り上がらない低調な時期でもありました。
そういう時に、全国の公演があるということが、歌舞伎界もどれだけ勇気付けられたかと思っております。
そういうことの地道な努力の中から、あちらこちらで歌舞伎が公演されるようになってきた、
その足がかりを作ってくださった公文協でございます。今回も公文協の歌舞伎ができることが嬉しく思っております。
もう1つは地方公演というものを大切にしていかなくてはいけないと、
先輩方から東京・歌舞伎座と同じレベルの芝居を地方でも上演していかなければいけないのだと常に言われておりました。
今回、仁左衛門さんの『義経千本桜』のいがみの権太という素晴らしい作品に恵まれまして、
『義経千本桜』の木の実、小金吾討死、すし屋と、こういう形での通しでの権太編が上演できますし、
若手の踊りもあるということで、本当に歌舞伎座でお客さまに観ていただくのと同じ芝居を各地で観ていただくことができる
ということは本当に嬉しく思っております。仁左衛門さんですが、一ヶ月間の乗り打ちの旅なので、ご苦労をかけるのですが、
快くこの公演にご出演いただけることを嬉しく思っております。初めてご覧になる方にもおもしろく感じていただけると思います。
1人でも多くの方に劇場に来ていただき、堪能してもらえますように。どうぞよろしくお願いいたします。


◆片岡 仁左衛門


私も楽しみにしております。そう言いますのも、なかなか歌舞伎をご覧いただくことが難しい皆さまに観ていただけるチャンス、
そして私たちは先人が残していってくれた、この伝統歌舞伎を守っていかなければならない使命がございます。
それには多くの方々のご支持をいただければ守っていけるものではございません。
なかなか劇場に足をお運びいただけないお客さまに、お運びいただけましたら。
今回の狂言も、あくまでも古典であって、でも今、初めて歌舞伎をご覧になる方にご理解していただける。
「あぁ良かったな」と思っていただけるように、がんばりたいんですけれどね(笑)。
とにかく少しでも歌舞伎ファンを増やしてという気持ちでいっぱいでございます。


 

 

松竹大歌舞伎 西コース

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/jyungyou/play/670/

 

 

 
 

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