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歌舞伎座『三月大歌舞伎』が開幕!公演レポート、舞台写真掲載 2021年03月

(2021年03月06日記載)

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歌舞伎座「三月大歌舞伎」が開幕!


第一部『猿若江戸の初櫓』左より、
出雲の阿国=中村七之助、猿若=中村勘九郎 ⓒ松竹

公演レポート

豪華顔合わせ、珠玉の舞台が開幕!!
当月も三部制(各部総入れ替え、幕間あり)での上演!

3月4日(木)、歌舞伎座3月公演「三月大歌舞伎(さんがつおおかぶき)」が初日の幕を開けました。
「三月大歌舞伎」は尾上菊五郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、坂東玉三郎をはじめ豪華出演陣が
顔を揃え、春らしい趣向に富んだ演目が揃いました。
歌舞伎座では、引き続き出演者・お客様は各部総入れ替え、
客席数は50%を維持して公演を行います(第三部は午後8時までに終演)。
お客様に安心して歌舞伎をお楽しみいただけますよう、換気や消毒を徹底するなど、
今後も感染予防対策に万全を期してまいります。

第一部の序幕を飾る『猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)』は、
江戸歌舞伎の幕開きをモチーフにした舞踊劇。
今から約 400年前、江戸で初めて官許の櫓をあげた、初世(猿若)勘三郎の猿若座(後の中村座)。
猿若の機転を利かせた働きが奉行に認められ、芝居小屋の開場が許されるまでが描かれます。
猿若と歌舞伎の創始者・出雲の阿国が揃って江戸にやって来るという、
楽しい創作を交えた一幕で、中村屋が大切にしてきた作品です。
中村勘九郎が猿若を快活に演じ、中村七之助が出雲の阿国を溌剌と勤めると、
中村扇雀演じる奉行の板倉勝重から「その方たちの勢いで、流行り病を鎮めてくれい!」の台詞には、
場内が大きな拍手で包まれました。

続いては、常磐津の舞踊『戻駕色相肩 (もどりかごいろにあいかた)』です。
春景色の中、尾上松緑演じる赤っ面風の堂々とした姿の次郎作、片岡愛之助演じる白塗りの粋な与四郎、
中村莟玉演じる可 愛らしい禿が揃うと、舞台は錦絵のような華やぎをみせます。
三人がそれぞれ大坂、江戸、京の廓の様子を踊るうち、やがて次郎作と与四郎の意外な正体が明らかになります。
古風な大らかさに、奇想天外な趣向も楽しい一幕です。
第一部は今の季節に相応しい、春らしく明るい狂言が揃い、場内は晴れやかな雰囲気に包まれました。
出演者たちの生き生きとした姿に、客席も華やいだ雰囲気に溢れました。


第一部『戻駕色相肩』左より、
吾妻の与四郎=片岡愛之助、浪花の次郎作=尾上松緑、禿たより=中村莟玉 ⓒ松竹

第二部は、義太夫狂言の名作『熊谷陣屋(くまがいじんや)』で幕開け。
源平争乱の時代、熊谷直実の武将としての生き様、戦乱ゆえの悲劇が描かれ、世の無常さ、
人生の儚さが胸を打つ重厚な時代物。片岡仁左衛門が、風格と知勇あふれる武将・熊谷直実を演じる
至高の舞台をご堪能ください。

第二部『熊谷陣屋』左より、
熊谷妻相模=片岡孝太郎、熊谷次郎直実=片岡仁左衛門、藤の方=市川門之助 ⓒ松竹

第二部『熊谷陣屋』左より、
熊谷妻相模=片岡孝太郎、熊谷次郎直実=片岡仁左衛門、源義経=中村錦之助、藤の方=市川門之助 ⓒ松竹

続く『雪暮夜入谷畦道 直侍(ゆきのゆうべいりやのあぜみち なおざむらい)』は、
雪景色の中、蕎麦屋で演者が実際に蕎麦をすすり、江戸の風情を堪能できる前半から、
尾上菊五郎演じる粋な小悪党・直次郎と中村時蔵演じる傾城・三千歳の艶やかな色模様が描かれる
後半まで、見どころ満載の一幕。幕末から明治にかけて、数々の名作を生み出した大作者・河竹黙阿弥の
傑作にご期待ください。

第二部『雪暮夜入谷畦道 直侍』左より、
三千歳=中村時蔵、片岡直次郎=尾上菊五郎 ⓒ松竹

第三部は『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』から。
「絶景かな、絶景かな」で始まる大盗賊・石川五右衛門の名せりふで有名な人気の場面です。
中村吉右衛門の石川五右衛門、松本幸四郎の真柴久吉という配役では、当月が初共演。
様式美にあふれ、歌舞伎の醍醐味が凝縮された舞台です。

第三部『楼門五三桐』左より、
真柴久吉=松本幸四郎、石川五右衛門=中村吉右衛門 ⓒ松竹

続いては、舞踊『隅田川(すみだがわ)』です。
清元の叙情的な旋律に乗せて、錯乱しながら我が子を求める坂東玉三郎演じる斑女の前の姿に、
哀切が漂う幻想的な一幕。玉三郎が『隅田川』を歌舞伎座で勤めるのは初めて。
能の「隅田川」をもとにした、幽玄美に満ちた舞台をご覧いただきます。

第三部『隅田川』左より、
舟長=中村鴈治郎、斑女の前= 坂東玉三郎 ⓒ松竹

 

 

『三月大歌舞伎』

公演日程:2021年3月4日(木)~29日(月)

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/704/

 

 

 
 

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