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綺咲愛里さん、十輝いりすさん、美郷真也さん出演
『STARLIGHT☆THEATER-星標-』観劇レポート
〈撮影:岩村美佳〉
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『STARLIGHT☆THEATER-星標-』に ご出演される綺咲愛里さん、十輝いりすさん、美郷真也さんインタビュー
12月7日(火)、スクエア荏原ひらつかホールにて、
朗読×音楽×映像で綴るエンターテインメント『STARLIGHT★THRATER-星標』が
昼の部、夜の部の2回公演で上演されました。公演の模様を振り返ります。
観劇レポート(2021年12月7日:ライター栗原晶子)
ステージには3つの椅子とバンドと大きなスクリーン。物語は静かに始まります。
ラジオ番組『JEWEL BOX』から流れてくるのは柔らかな語り口とテーマにまつわる音楽。
この番組のパーソナリティー結月(ゆうき)を演じる美郷真也さんのゆっくり包み込むような声は、
目の前で実際にラジオを聴いているような心地良さです。
ある日のテーマは「星にまつわるリクエスト」。
番組に届いた東京の広告代理店に勤める女性 田中愛星(あいら)から届いたエピソードが読み上げられます。
ハキハキと愛らしい声で等身大の女性を演じるのは綺咲愛里さん。
エピソードと共に寄せられたリクエスト曲が、ピアノを中心としたバンドにより生演奏されると、
観客はラジオ番組の公開録音を聞いているような、もしくは家や出先でくつろぎなから
ラジオを聴いているようなリラックス感を感じる演出です。
翌週の番組に届いたのは、愛星の話を聞いて思わず筆を執ったという、
山梨のワイナリーで働く青年、渡辺宙翔(そらと)。
演じる十輝いりすさんの声は、若々しく素朴な青年そのもの。
東京と山梨に離れた二人の男女は、このラジオ番組をきっかけに不思議な縁でつながります。
そのきっかけのもう一つは愛星が偶然に訪れた都内の「Star Bar」。
バーのマスターを美郷真也さんが二役で演じました。
大きなスクリーンには、物語に合わせたイメージ映像が映し出されます。
ラジオのDJブース、山梨のぶどう畑や星空、バーのシーンでは、
愛星がオーダーした「Star Bow」という名のワインを使ったカクテルも。
耳から生まれる観客の想像力は、視覚を通じて具体的な広がりを見せ、さらにブドウの香りやカクテルの味、
星空が広がる丘の上の空気など、五感を存分に刺激しました。
愛星と宙翔は山梨のワイナリーで偶然の出会いを果たし、互いの環境や自身に起きた出来事を打ち明け合います。
これが、その先の二人の生活に変化をもたらしたことを知るのは、やはり二人が聴いているラジオ番組『JEWEL BOX』。
「自分の夢」というテーマで再び読まれた山梨の宙翔からのお便りに、
愛星は「一度しかない人生だから・・・」と決意を新たにして物語は幕を閉じます。
誰の日常にも起こりうることや、経験したことがある感情を映しながら、やさしさとロマンチックさにコーディネートされた物語。
SNSで簡単につながれる今だからこそ、こんな時間や距離をかけて繋がることの美しさや尊さに思いを馳せたひとときに、
客席からは温かい拍手が贈られました。
朗読劇に続いて、出演者3人によるトークショーが行われました。
ここでは、朗読劇での役名愛星、宙翔、結月に触れながら、かつて星組で共演した綺咲さんと十輝さん、
宙組で時間を共にした十輝さんと美郷さんが、宝塚歌劇団在団時代からの印象を振り返ると共に、
3人とも初となった朗読劇の難しさや魅力について語りました。
今回が美郷さんとは初共演となった綺咲さんは、
「初共演なのに、ずっと昔から知っているような安心感を感じながら、お稽古から本番を迎えることができました」と話し、
「朗読劇はやってみたかったけれど、振りや動きがなく、声のみでお届けすることの難しさを感じました」と十輝さん。
スクリーンに映し出された山梨の美しい景色についても、美郷さんからは「星空が本当に美しくて行ってみたくなる」
「ワインが飲みたくなるね」など、それぞれが感じた魅力を和やかにトークしました。
休憩をはさんだ後は、お待ちかねのミニコンサートが開催されました。
披露されたのは、劇中で流れた曲の数々。朗読劇の中では、
バンド演奏によるインストゥルメンタルで曲の一部を聴いていただけに、
「懐かしい、もう少し聞きたい!」と感じていた人は多いはず。
3人の歌声によるフルコーラスの演奏を堪能しました。
「♪夜空ノムコウ」をシックに歌い上げる美郷真也さん
ロングジャケットに身を包み「♪銀河鉄道999」を格好良く歌い上げる十輝いりすさん
「♪プラネタリウム」を熱唱する綺咲愛里さん。
大きな月をバックに美しい照明も魅力的でした。
「♪星のかけらを探しに行こうAgain」では3人の美しいハーモニーが響きあいました。
星にまつわる曲を中心に構成されたミニコンサートでは、星を宙に描き、客席に届けるロマンチックな振付も披露。
ステージングは元宝塚歌劇団男役でコレオグラファー、ダンサーとしても活躍するはやせ翔馬さんが手がけました。
コンサートのラストは、今作のテーマ曲「♪Starlight Theater」(作詞:住川禾乙里、作曲:くぼなつみ)。
当たり前の日々を愛おしく思い、迷った時は空に輝く星を見上げ、小さくても一歩を踏み出す。
そんなやさしくも力強く寄り添ってくれる曲とともに、会場は満天の星に包まれてフィナーレを迎えました。
カーテンコールに笑顔で応える美郷さん、綺咲さん、十輝さん
ロビーでは山梨県甲州市やクリエイター協力のもと作られた公演プログラムをはじめ、公演オリジナルグッズを販売
人気こけし作家cokets.さんによる「星標」の登場人物をイメージしたこけし人形
※公演オリジナルグッズ各種は『STARLIGHT☆THEATER -星標-』オンラインショップにて販売中です。
オンラインショップ
https://starlighttt.official.ec/
本作をイメージして制作された古布コラージュ・アーティスト住川信子さんによる作品
公演当日には甲州市や甲州市勝沼ぶどうの丘のパンフレットが来場者全員に配布されました。
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。