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瀬奈じゅんさん ロングインタビュー 前篇 『ALive Final ~Handsome Woman~』 2013年07月

(2013年07月19日記載)

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瀬奈じゅんさん ロングインタビュー 前篇
コンサート『ALive Final ~Handsome Woman~』についてお話を伺いました。
後日、後篇を掲載いたします!お楽しみに。

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瀬奈じゅんプロフィール

838_03 3歳からクラシックバレエを始め、高校1年の時宝塚歌劇団への入団を決意。1992年、『この恋は雲の涯まで』で初舞台をふむ。早い時期からその素質は注目され、2005年、『JAZZYな妖精たち/REVUE OF DREAMS』で月組トップスターとなる。宝塚版『エリザベート』で、ルキーニ、エリザベート、トート、と他では考えられない3役を制覇するなど、様々な色を持つトップスターとして絶大な人気を集める。2009年12月、『ラスト プレイ/Heat on Beat!』で宝塚歌劇団を退団。2010年、女優として望んだ『エリザベート』そして『アンナ・カレーニナ』で、瀬奈じゅんならではのタイトルロールを魅せる一方、コンサート『ALive』(’10年)、『ALive 2』(’11年)ではエンターティナーとしてのきらめきを存分に発揮。2012年には再びの『エリザート』、更にストレートプレイ『ビューティフル・サンデイ』『ラストダンス〜the musical 越路吹雪〜』などに出演。2013年にはTVドラマ『女優麗子 ~炎のように~』浅丘ルリ子役でTVドラマに初出演。また2012年には菊田一夫演劇賞 演劇賞受賞と岩谷時子賞 奨励賞も受賞している。

<今後の予定>
『エニシング・ゴーズ』2013年10月7日~10月28日 帝国劇場ほか 
http://www.tohostage.com/anything/

『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』2014年6月 帝国劇場 日本初演
http://www.tohostage.com/sister_act/




瀬奈じゅんさんインタビュー
(取材日:2013年7月16日/インタビュアー・撮影:住川絵理)



瀬奈じゅんコンサート『ALive Final ~Handsome Woman~』が、まもなく東京と大阪で開催されます。
『ALive』は、瀬奈さんの宝塚退団後初のコンサートとして2010年5月に第1回目が、
それから1年後の2011年4月に第2回目が行われました。
この時は震災直後だったこともあり、瀬奈さんご自身の中でも様々な葛藤があったそうですが、
上演時間の短縮や、終演後に募金活動をしての開催となりました。
あれから2年ちょっとが経ち、今回『ALive』としてはFinal公演となります。

瀬奈じゅんさんに『ALive』への思いや、今年上半期の充電期間をどのように過ごしてきたのかなど、
今現在の心境を語っていただきました。前篇、後篇の2回にわけて掲載いたします!

私自身、久しぶりにゆっくり瀬奈さんとお話でき、楽しいひとときでした。
柔らかな笑顔に癒やされ、言葉の端々からは今の素直な気持ちと、
未来に向けて自分がどうしていきたいか、という意思を強く感じました。

取材後に思ったのは・・・瀬奈じゅんさんはやっぱりHandsome Womanです!



ーーーいよいよ『ALive Final ~Handsome Woman~』が開幕間近となりました。
今はどのようなお稽古をなさっているのでしょう。
今回、ファンの方の要望にお応えしたいと思い、アンケートを取らせていただきました。その結果、「『ALive』の1回目、2回目のあのシーンが見たい!」というご要望をたくさんいただきましたので、その再現場面に向けての振り起こしを行っています。

ーーーということは、映像を見て思い出しながら稽古しているのですね。
そうなんです。映像を見ると、若いの・・・(笑)。3年しか経っていないんですけれどね。退団直後だったので男役がまだ随分と残っていましたし、今同じことをやってもきっとダメだろうなと思っています。2回目にやった時の映像を見ると、1回目とはまたちょっと違う感じで、鋭さがなくなっているのが自分でも分かりました。女優として・・・と考えたら、その変化はよかったのかなと思います。後から振り返るとそう感じますが、その時々の良さがあると信じています!再現するにあたり、ちょっと緊張もしますが、今の自分を見て楽しんでいただけるものにしたいと思います。

ーーー今、振り起こしをしていて、大変なことはありますか?
まだないですね。これから新しい場面の振付が始まるので、ここからが大変になると思います。

ーーーチラシの写真はどのようなイメージで撮影なさったのですか?
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サブタイトルの通り、ハンサムウーマンを意識しました。今の自分が考えるとこういうイメージです。プログラム撮影も同時にしましたが、このチラシの衣裳が一番シンプルだったかな。この「A」のラインは壁の形を活かしたデザインになっているのですが、背中と膝裏しか壁にもたれかかっていないので、腹筋で支えているんです。だからかなりムリな体勢をとっていたので、実は腹筋がプルプルしていました(笑)。

ーーーでも顔はクールに決まって。
そうそうそう、クールに!(笑)

ーーー前回に引き続き、今回も山田和也さんの演出ですね。
打ち合わせで何度かお話させていただきましたが、明日から稽古に参加して下さるので楽しみです。

ーーー瀬奈さん自身がアイデアを出すことも?
アイデアとしてこういうものをやりたいという原案部分は色々と出させていただきました。この曲を使いたいとか、こういう場面をしたいとか、こんなダンスがしたいとか・・・そういうところから膨らませて行きました。

ーーーそのアイデアの源はどういうところから沸いてきたのでしょう。
日常の中からですね。意外とあらゆるところで音楽が流れていますよね。カフェに居る時に「この曲いいな」と思ったら店員さんに「この曲何て言う曲ですか?」と聞いたり、CDを見せてもらったり。2回目の時のようにガッツリとタンゴを踊るということではないのですが、今回はタンゴの曲を使ってKAZUMI-BOY先生の振付で踊りたいなと思っています。これから振付なので楽しみです。

ーーーそれはどのような曲?
私は「アディオス・ノニーノ」(アルゼンチンのピアソラ作曲)という曲がすごく好きなんです。ただ、訳すと「さよならお父さん」というあまり縁起がよくない曲だと後になって知りました。作家が亡きお父さんの為に捧げて作った歌だそうです。意味を聞いて「その曲を使うのはやっぱりやめておこう」と思ったのですが、そのタイミングであるテレビ番組を見ました。オランダ皇太子の元にお嫁に来る方がアルゼンチンの血が流れている方で、彼女の父親が独裁的な政治に携わっていたというような背景があり、「その父親は結婚式には参加しないこと」という条件で、彼女はオランダ皇太子との結婚を許されたそうです。そして結婚式当日、本来であれば父親がエスコートをするバージンロードで、この「アディオス・ノニーノ」が流れたんだそうです。アルゼンチン出身だし、私は嫁ぎます、今まで育てて下さってありがとう、という意思のもとで歩いたのでしょう。その実際にあったエピソードを最近テレビで見て、自分の中で、ある考えがまとまりました。

私も、精神的に自立しなければいけないなと考えるような出来事もありましたし、嫁ぎましたので(昨年末に結婚)「これからは精神的にも自立しよう!」と。このタンゴの曲で踊り決意表明をしようと思ったのです。縁起の悪い方に捉えないで、そういう取り方をしようと。このタイミングでその番組を見たということにもご縁を感じ、やっぱりこの曲でやるべきということだな、と思いました。その理由を聞かなければそんなことは分からないと思いますが、私としてはそういう気持ちでこの曲を選びました。

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▲ピアノで音取りをする瀬奈じゅんさん

ーーー今のお話を伺っただけでウルっと来ました。
今回『ALive Final ~Handsome Woman~』というタイトルを見て驚いた方も多いのではないかと思います。
どのようなお気持ちからこのタイトルが付けられたのでしょう。

私の中での『ALive』はファン感謝祭的な要素もあり、「宝塚時代はありがとうございました、これからも宜しくお願いします」という意味を込めて男役の味を残したコンサートをコンセプトにしていました。自分はいつまでも男役の味を残していくというよりは、もう少し成長した次の段階に行きたいなという気持ちが大きくなり、『ALive』としてはこれでファイナルにしようかなと。これから男役っぽいことはしませんとか、コンサートがファイナルということでは決してありません。『ALive』のファイナルとして、ファンの方が「こういうのを見たかった!」と思っていただけるものが出来たらいいなと考えております。

ーーー改めて今までの『ALive』を振り返ってみると・・・
1回目の時は、宝塚退団後もこういうコンサートをさせていただけるのは幸せだなぁと感じました。私は歌いながら踊るのが好きで、特に踊った後に息切れしながら歌うようなことが好き(笑)。だからショーが大好きなんです。年齢を重ねていくごとに、体力的なものとしてダンスのスキルは落ちていくかもしれないけれど、ムリをすることなく「いい時にいいものをお見せしたい」と考えています。だからこそ去るのも美学。宝塚の男役の思い出を抱えた『ALive』としての形を今回で最後にしようと思ったのは、そういう気持ちもあります。

2回目の時は、震災直後でリハーサルを続けてはいましたが、開催してもいいのか・・・という思いがずっとありました。当時の東宝の社長が「ニューヨークでは9.11の後もすぐに上演しようという動きがありました。だからこういう時こそやるべきだ」と決断してくださったので、開催することになったのです。私自身、阪神淡路大震災を経験して、電気がないこと、食べ物がないことの辛さを知っていたので、多くの人が苦しんでいる時に開催していいのか、楽しんでいただけるのか、という葛藤はありましたが、あの時の社長の一言で「よし、やろう!」と。そんな時にこそ「人の心に栄養剤」というのかな、そういうものって大切だなと思ったんです。きれい事じゃなくて、本当に必要な時だなと。交通網も不安定な時期でしたので、最初は二部構成にしていたのですが、それを一部構成に作り替え少しでも早く帰れるようにし、節電と言われている時期だったので、だいぶライトの使用量も減らしました。東北の方を始め、「チケットを取っていたんですけど伺うことが出来なくなってしまった」というお声も聞き、もちろんキャンセルなさる方もいらっしゃいましたが、それでも多くの方が集まって下さったことに感動いたしました。「何か私たちが出来ることがあれば・・・」という思いで、終演後には募金活動をさせていただきました。皆様のお声を直に聞き、私たちの気持ちは伝わったんじゃないかな、と思いました。

ーーーそれこそ『ALive』というタイトルにも込められていますが、
震災を経て、一般的にも「どのように生きるか」「自分らしく生きるにはどうしていきたいか」ということを
改めて考えるようになりましたよね。結婚指輪が売れたという報道もありました。

「どうしなきゃいけないか」じゃなくて「自分がどうしたいか」を、私も考えました。

ーーー瀬奈さんの人生の中でも『ALive』は大きな存在になりましたね。
過去を振り返り、良きパートナーと巡り会うきっかけとなり、未来へと繋がるものにもなりました。

そうですね。自分が3回にわたって同じコンセプトのコンサートをすることにより、自分自身の変化に気付くことができました。宝塚卒業後の数年間って一番大きな変化がある時だと思うのです。それを客観的に感じることが出来、とても勉強になりました。

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▲振り起こしの稽古が行われている稽古場にて

ーーー今回は東京国際フォーラム(東京)とサンケイホールブリーゼ(大阪)、前回前々回と違う会場ですね。
東京国際フォーラムは、ずっと「コンサートがやりたい!」と思っていた念願の場所ですから、ここで開催出来るのは嬉しいです。実は『M.クンツェ&S.リーヴァイの 世界』にゲスト出演したので、その時に同じ場面に出ていたダンサーの方たちと「どうするどうする、国際フォーラムに出ちゃったよ」と盛り上がったのを覚えています。皆様がドレスでしっとりと名曲を歌われる中、トートダンサーと一緒に「愛と死の輪舞」「最後のダンス」で踊りまくって叫びまくって。それがすごく楽しくて大興奮しました(笑)。客席の反応も他の曲の時とはちょっと違って「物珍しいものを見た」という雰囲気ではありましたが・・・(笑)。

ーーー次は瀬奈さんのコンサートですから国際フォーラムで思うがままですね!
(照明好きな瀬奈さんとしては)センターでライトも浴び放題ですし(笑)。

思うがまま!面白い!(笑)。そうなんですよ。打ち合わせの時に、セットはそんなに大がかりじゃなくていいので、「ライトはたくさんください♡(ハート)」とお願いしちゃいました(笑)。大阪公演もサンケイホールブリーゼでコンサートをするのは初めてなので楽しみです!

ーーー共演者の皆様はどのような方々ですか?
チラシには4名しか出ていませんが、4名の女性ダンサーが増えたので合計8名のみなさんと一緒に頑張ります。それはそれは見目麗しい女子たちで、みんなダンスもキレがあって華やかです。男性陣も踊れる方たちですし。でも全体的に見渡すと、みんな自由人。だから稽古場もそれぞれ個性的で面白いんです!(笑)。


つづく・・・

後日、後篇を掲載いたします!お楽しみに。


 

瀬奈じゅんコンサート

『ALive Final ~Handsome Woman~』

 

演出:山田和也

音楽:青木朝子

 

【東京公演】

2013年8⽉2日(⾦)18:30~ 8⽉3⽇(土)13:00~ 8月4⽇(日)13:00~

東京国際フォーラム ホールC

 

【大阪公演】

2013年8⽉10⽇(⼟)18:30~ 8⽉11⽇(⽇)13:00~

サンケイホール ブリーゼ

 

http://www.alivefinal.com/index.html

 

 

 
 

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