情報紙から飛び出した 演劇系エンタメ サイト
Copyright Since1999 情報紙ターミナル
Copyright Since2010 株式会社ERIZUN

『Todos del Tango verano 2018』 水 夏希さん、クリスティアン・ロペスさん インタビュー 2018年08月

(2018年08月07日記載)

『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。

※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。

 
この記事おススメ!って思った方は   をクリック!(18 人がクリック)
Loading...

『Todos del Tango verano 2018』
水 夏希さん、クリスティアン・ロペスさん、ナオさん、高橋正人さん インタビュー

公演について(リリースより)

日本にタンゴが伝来して100年余り。
ブエノスアイレスで生まれ、欧州に渡り花の都パリで爛熟したタンゴ。
今年は、日本人に愛されたアルゼンチンタンゴ、そしてコンチネンタルタンゴの名曲をお届けするタンゴ二都物語。
空前絶後の内容にご期待ください!

プロフィール

◆クリスティアン&ナオ
2008年よりペアとして本格的に活動を開始。
東京都内でレッスンを行うかたわら、2011~13年にはペアでブエノスアイレスに滞在し、
カンパニー『Tango Rojo』がファエナホテルで毎晩行っているタンゴショーに出演。
ペアとしてタンゴ世界選手権をはじめ様々な大会で優秀な成績を収めており、
2012年にはブエノスアイレスで行われた『Metropolitan Tango Salon』で1位を獲得。
現在では、東京を拠点に、ダンサー及び講師として世界各地で活躍している。

◆高橋正人
原盤制作や音楽出版、コンサート制作、CD企画制作監修、音楽評論として活動。
近年ではシャンソンコンサートやタンゴ公演を手がける音楽プロデューサー。

水 夏希さん、クリスティアン・ロペスさん インタビュー
(2018年7月24日 取材・撮影・文:住川禾乙里 )



(左から)クリスティアン・ロペスさん、水 夏希さん、プロデューサーの高橋正人さん

―――ダンスを通してのお互いの印象は?

◆クリスティアン・ロペス
もう4、5年踊っていますよね。とても良い感じです。

◆水 夏希
『Argentango(アルジェンタンゴ)』(2014年公演)では、ペアを組んだ方がもう1人いらっしゃいましたが、
それ以外はクリスティアンとしか踊っていないですね。
どのように踊ってもうまく踊らせてくれるから組んでいて、とても楽しいです。

―――他のダンスとアルゼンチン・タンゴの違いは?

◆水 夏希
振り付けをしてもらうと、動きがわかっているから先々の振りに行ってしまいがちなのですが
「先に行かないで」ってよく言われています(笑)。他のダンスとは重心が違いますね。
(重心が)上下どちらもあり、頭から胸あたりまでは真っ直ぐ、そこからうしろは曲がるイメージ。
ナオさんもバレエをやっていらしたので、違いをクリアーに教えてくださり助かります。

◆ナオ
自分だけではなく、相手の軸もあるから大変だと思いますね。

◆水 夏希
回るときも相手役を中心に回らないと、自分勝手に回っちゃうとぶつかってしまいます。
足を踏んだり、蹴ったりしてしまうことも(笑)。

◆クリスティアン・ロペス
練習の時はそんなものです。

◆水 夏希
普通のダンスは振り付けをバーッと付けていくけど、
タンゴはじっくりと振りを覚えながらできるから助かります。
クリスティアンは、私と振りをやる前にナオさんと振りを付け、
それから私に振り写しをして、ずっと踊っていますよね(笑)。

◆クリスティアン・ロペス
踊りが好きだから大丈夫!

◆水 夏希
本当にそう!(クリスティアンに向かって)筋トレもすごいですよね。
タンゴって意外と(相手を持ち上げる)リフトがダイナミックなの。
『Argentango』の公演の振りがアクロバティックで驚きました。

◆クリスティアン・ロペス
最初にアクロバティックにするか、曲や共演者に合わせてソフトにするかを
考えて振り付けをしています。

―――今回水さんは歌とダンスそれぞれ2曲ずつ出演するということですね。

◆水 夏希
私は『ロケベンドラ』というダンス曲に初めて挑戦します。
前回の『Todos del Tango(タンゴのすべて)』も「こんなショー観たことがない!」と思い、
出演していてとても楽しかったですし、今回も群舞もあり盛りだくさんな内容です。

―――クリスティアンさんは宝塚出身の方とペアを組む機会が多いと思いますが、
どんな印象がありますか?


◆クリスティアン・ロペス
みんなダンスはとても上手だし振り付けを覚えるのがすごく早い。
タンゴの形になるのに、ちょっと時間がかかるから最初は難しいね(笑)。
でも、みなさん素晴らしいですよ。

―――水さんは宝塚時代にタンゴを踊る機会は?

◆水 夏希
タンゴを踊る機会はあるのですが、アルゼンチン・タンゴじゃないんですよね。

◆クリスティアン・ロペス
タンゴにも種類がいっぱいあるからね。

◆高橋正人
クリスティアンは、この前、宝塚の現役生徒さんの振り付けをしたんですよね。

◆ナオ
花組のバウ公演『Senhor CRUZEIRO(セニョール クルゼイロ)! —南十字に愛された男—』で、
劇中の振り付けをしました。生徒さんたちが踊ったのですが、
宝塚でちゃんとアルゼンチン・タンゴを踊ったのは、初めてだと思います。
最初にお話が来たときには男役の方が男性の振りをするのは「無理ではないか」と。

◆クリスティアン・ロペス
難しいかなと思ったけど、段々上達してすごかった!

◆ナオ
タンゴってステップや2人のタイミングとかありますけど、男性がカッコつけないとできないんですよ。
男役の方々は、日頃からそれをやっているので、すぐにその形ができる。

◆クリスティアン・ロペス
タンゴではお互いの息を合わせなきゃいけないから相手にも優しく接します。
でも振り付けをしていて、男役が娘役に対して冷たく感じる時もあり、
何でだろう?と思ったら、そこが男っぽさの表現だったりするから面白い。

◆ナオ
そういうところで男としての強さが見えたりするから舞台として面白いのでしょうね。

◆水 夏希
私は宝塚をやめてからタンゴを始めたので、現役時代に知っていたら良かったと思いました。
帽子や襟元をちょっと触る仕草とか、すごくカッコイイから、当時から知っていたら使えたのになぁ〜と。
そう考えるとタンゴは宝塚を向きかもしれないですよね。

―――クリスティアンさんにとって “アルゼンチン・タンゴ” とは?

◆クリスティアン・ロペス
タンゴはMy Life。レッスンでも踊っているので仕事でもあるのだけど好きだからできちゃう。
好きなものの一つですね。

◆水 夏希
『Argentango』の時も一日中振り付けをして終わった後、みんなクタクタなのに
「ミロンガ(ダンスパーティー)に行こう」って言うからすごい(笑)。
ご飯を食べに行っても、気がついたらクリスティアンが踊ってるみたいな(笑)。

◆クリスティアン・ロペス
そのくらい好きだね(笑)。

◆水 夏希
アルゼンチンでは踊らない人もいるんでしょう?

◆ナオ
アルゼンチン・タンゴと言っても一部の人しか踊っていません。
学校でやったり、学童代わりに習い事としてタンゴをやったり。
他の国では大人になってからタンゴを始める人はいますが、
アルゼンチンは子供の頃から習う機会が多いかな。

◆クリスティアン・ロペス
ここまで仕事としてできると思っていなかったから、本当にすごいよね。

◆高橋正人
クリスティアンのダンスってふところに刃物を秘めているようなダンスなんですよ、
そこが素晴らしい。僕は何千人というダンサーを見てきましたが、
クリスティアンがすごく個性的だと思うのは、とても優雅に踊るんです。
それでいながらタンゴの発祥の頃の匂いを秘めているというか。
優雅に踊っているけど、もしかしたら怖い人なのかな?と思わせるダンスですね。

―――宝塚出身の方が出演するタンゴの公演を手がけたきっかけは?

◆高橋正人
世界的にもタンゴやシャンソン、ラテンを日常的にやってるカンパニーって宝塚歌劇しかないんじゃないでしょうか。
やっているということは、お客様にも違和感がないということなんだと思うんです。
これほど一世を風靡した音楽でも、今はメインストリームではない。
でも実は素晴らしいんだということをみなさんにわかっていただきたいと思って。
1年に1回くらいはやりたいと思いますし、日本人がやってもこれだけ素晴らしいものができる。
そこにクリスティアンに本場の血を持ち込んでいただくし、
今回はアルゼンチンからバンドネオンに1人来ていただきます。
アルゼンチンの人たちだけでやっても素晴らしいと思いますが、日本にも日本のタンゴという文化があるので、
そこが融合するとより素晴らしいものになるのではないかと思っています。

―――最後に今回の公演に向けて意気込みを。

◆クリスティアン・ロペス
いつも100パーセントお客様のために。きれいな振り付けをして、お客様が喜んでくれたら嬉しい。
水さんと踊るときはきれいに、去年より良いものをお見せしたい。

◆水 夏希
タンゴは、毎日やっていることではないので時間がかかります。
重心のことや「床はスポンジみたいに踏む」とか、ずっとアドバイスいただいていることが頭にはあるけれど、
それを実際にできるようになるまではすごく時間がかかります。
でも踊るたびに「こういうことだったんだ」という発見が増えていくので、
今年はもう少ししなやかに踊れるようになったらいいな思っています。

 

 

『Todos del Tango verano 2018』

 

日程:8月24日(金)18:30、8月25日(土)13:00/17:30

会場:日本青年館ホール

出演:初風諄・安奈淳・剣幸・日向薫・姿月あさと

彩輝なお(8/25のみ)・星奈優里・水夏希・舞風りら

中原丈雄 石井一孝 ほか ※敬称略

 

公式サイト

 

 

 
 

情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。

[ PR ]