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『市川海老蔵 第二回自主公演 ABKAI 2014』製作発表 2014年06月

(2014年06月01日記載)

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『市川海老蔵 第二回自主公演 ABKAI 2014』製作発表

市川海老蔵 第二回自主公演
ABKAI 2014製作発表


写真右:市川海老蔵、写真左:『SOU~創~』の作者 長田育恵

公演について(公演資料より)


昨年夏東京シアターコクーンにて第一回公演を開催し、全23公演のチケットが完売。

1万7千人を動員し、旋風を巻き起こした『市川海老蔵 ABKAI 2014』が、

新たな演目にて、8月5日から8月10日新橋演舞場で開催されます。

製作発表会見が行われました。(2014年5月28日)



◆市川海老蔵
お忙しい中、足をお運びくださり誠にありがとうございます。
今回、夏に『市川海老蔵 第二回自主公演 ABKAI 2014』を
新橋演舞場でさせていただくこととなりました。
どうぞ宜しくお願いいたします。


◆『SOU~創~』の作者・長田育恵
はじめまして。今回、脚本を担当させていただきます長田育恵と申します。
普段は、演劇ユニットてがみ座という劇団を主宰し、現代演劇を執筆しております。
この度は、初めて歌舞伎の世界に携わらせていただきます。
精一杯、努力しながら、少しでも新しい風を吹かせられるように、頑張りたいと思います。
どうぞ、宜しくお願いいたします。


―――昨年、第一回自主公演『市川海老蔵 ABKAI』を旗揚げしましたが、
自主公演を始めようと思ったきっかけは?


◆市川海老蔵
父・市川團十郎も(自主公演の)荒磯会というものをしておりましたが、
歌舞伎役者は自主公演をする人が多いんです。
歌舞伎の演目で、古典芸能の中でも自分がなかなか勤めさせていただけないような大役を、
自ら勉強するためにやるというのが恒例の自主公演なのです。
生前に父・團十郎から「お前もいつか自主公演をしなさい」と言われており、
私もいつかやろうと思っていたことが丁度昨年だったということです。
私の場合は、様々な大役を若いうちにさせていただいておりましたので、
何をやろうかなとずいぶん考えていた時期もありますけれど、
どうせやってみるなら違うことをやってみようかなと思って始めました。

―――今回の『ABKAI2014』は、古事記を海老蔵さんの解釈で新しい歌舞伎に仕立て上げられましたが、
そういうアイディアはどういったところから生まれるのでしょうか。


◆市川海老蔵
まだ出来てないんですけどね(笑)。イメージとしては、古事記を六分割にしてあります。
今回は、序章ースサノオー編です。どういうインスピレーションかと言うと夢で見ました。
映画みたいな夢だったのですが、その夢を映画に出来たらいいなと思ったけれど、
僕にはそんな力は無いので、歌舞伎にだったら出来るかもしれないということで一歩踏み出そうと。
その夢と古事記がとても似ていたんです。6~7年くらい前から考えていました。
今は、台本を10回以上直して、歌舞伎化して、また直して、七転八倒している感じです。

―――長田さんは、海老蔵さんの夢のアイディアを実際に脚本に書き下ろされたわけですが、
台本作りはいかがでしたか?


◆長田育恵
非常に刺激的な作業です。一番最初に海老蔵さんから伺った構想が日本最古の歴史書である古事記をテーマにしながらも、
現代の私たちや未来までも見渡していくような壮大なスケールのお話を伺いました。
今回は、その第一章ということで、スサノオをやります。
スサノオに関しては古事記の中でも最も変貌、成長を遂げて行く神として描かれていて。
そのスサノオの像と、海老蔵さんから伺う、ものすごく想像力豊かなイメージというをどうにかして、
歌舞伎の舞台にちょっとでも盛り込んでいきたいと苦心しております。
海老蔵さんから伺う構想は、もっと面白いものを、もっとどこかに届くものをというような、
すごくスケールの大きな発想をされる方なので、従来の古事記から量感を豊かに広げていくような、
そういう物語性のある作品に仕上がっているのではないかと予感しております。
海老蔵さんの魅力が溢れるような舞台が作れればと思っておりますので、楽しみにしていてください。

―――これまでの歌舞伎にないような新しい演出などありますか。

◆市川海老蔵
歌舞伎は形式に捕われることが多いのですが、そういったものは一度排除した上で考えて、
歌舞伎の方式の中であるものをなるべくふんだんに入れたものにしようかなと思っています。
(細かくは)台本が出来てから色々考えていこうかなと。
大きな仕掛けとしてはスサノオが最後に戦う立ち回りがあるのですが、
そこである化け物と戦うのですが、そこはお金がかかって大変かなということですね(笑)。

―――今回、長田さんに脚本を依頼した理由を教えてください。

◆市川海老蔵
歌舞伎の研究をしている共通の友人がいまして、その人に紹介してもらいました。
長田さんに依頼したものがあり、それを読ませていただきました。面白かったです。
それで「歌舞伎には興味ありますか?」とお聞きして。
◆長田育恵
興味はあるのですが、勤まるか不安でした。
◆市川海老蔵
現代の言葉としての繊細さ。どこか彼女が持っている執筆の中に愛、温もり、平和な香りがする、peaceなものを書くんです。
例えば、危険なものを書いたとしても、平和な感じがするんですよ。そういうのって、荒事もそうなんです。
歌舞伎十八番、初代市川團十郎が始めたものですが、とても力のいる演技というか表現方法なのですが、
どこか子どものようなもの、心を持って演じるとか、大らかな心を持ってやったりするんです。
書いてあるものと表現されているものが対照的な部分があったりするのですが、
彼女が脚本の中にそういった真逆なものの香りまでするなぁという印象。
スサノオは第一章なのですが、荒事色が強いので、かなりユーモアもあり、大らかさもあり、
中幕なんかは笑えることもできるのではないかと思い、お願いしたんです。

―――六分割というお話がありましたが、今後の構想は頭の中にはあるのでしょうか。

◆市川海老蔵
もちろんやるつもりです。彼女(長田さん)が「うん」と言ってくれれば。
◆長田育恵
はい(笑)。
◆市川海老蔵
じゃあ大丈夫です(笑)。こうなって、次にこうなって、最終的にこういうことをしたいと、
大体(構想は)お話してあります。本当にやりたいことは一番最後の方です。古事記というものはイザナミ、
イザナギという方々がいて、日本独特の神々が生まれていく。
そこから始まり、神々がどういう風に生きたのか。そしてアマテラスとか、ツクヨミやスサノオが生まれてくる。
そういった中で、最初は海老蔵がやるから荒事色の強いスサノオをやって。ツクヨミが出て、
ゆくゆくはアマテラスはやれればなと思っていますし。
最後には、生まれた神の中で、その神様が居なくなってしまうという流れを長田さんにお伝えしてあるので、
計画的に『ABKAI』で最後までやれればなと思っています。

―――義経千本桜 河連法眼館の段(四ノ切)は新たな演出、台本と
書いてありますが、どんな構想ですか。


◆市川海老蔵
まだ誰にも伝えていないのですが、大分、頭の中にできています。
簡単に言えば、海老蔵流の四ノ切を作っていこうかなと思っています。
四ノ切とは、澤瀉屋のおじさん(二代目 市川猿翁)に教わって、大変勉強になった演目なので、
いつか自分のものを作りたいなと思っておりまして。元に近づいた、逆にいうと新しいというか、
古きものに重きを置いた作品になるかもしれません。
演出上は派手なことは考えていますし、宙乗りはやるつもりです。

―――具体的に、猿翁さんとの違いは。

◆市川海老蔵
まだ台本も書いていないし頭の中にあるだけですが、普遍的なテーマですよね。
主従だったり、キツネですけれども親子のことだったり。歌舞伎で表現されているものの中で、
義経のことがあまり語られていなかったりするので、
もうちょっと古いものを掘り出してやっていくところが一番違うところかな。

―――四ノ切は親子のことであったり、割と道徳的ことだったりすると思いますが、
8月公演ということで子どもにも観てもらいたいという考えがあってですか?


◆市川海老蔵
歌舞伎をご覧になる方の敷居が高いとか、高額な金額だとか、様々問題はあると思うのですが、
やはり自主公演ということで、出来る限り多くの若い方にも観ていただきたいですし、
歌舞伎をよく知っていらっしゃる方にも観ていただきたいです。
子どもを意識して作ったというのは、昨年の新作歌舞伎『疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。
~はなさかじいさん~』は、若い人や親子を思って作った作品です。
今回の『新作舞踊劇 SOU~創~(そう)』というのは、創作な部分がありますし、
四ノ切は道徳的な部分と伝統文化。いつか残せればいいなという志なので、
どちらかというと古典寄りな内容です。また来年には日本昔話も復帰できればいいなと思っています。





 

市川海老蔵 第二回自主公演

ABKAI 2014

 

演目:『新作舞踊劇 SOU~創~(そう)』

『義経千本桜 河連法眼館の段』

市川海老蔵 宙乗り相勤め申し候

出演者:市川海老蔵 片岡市蔵 市川男寅 他

公演日:2014年8月5日~8月10日

会場:新橋演舞場

開演時間:昼の部13:00/夜の部18:00

料金:一等席10,000円、二等席8,000円

三等席5,000円、桟敷席12,000円

 

http://www.naritaya.jp/show/detail.php?no=2014080520140810173931

 

 

 
 

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