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大澄賢也さんインタビュー『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』 2015年02月

(2015年02月05日記載)

『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
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大澄賢也さんインタビュー
『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』
構成・演出・振付・出演

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『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』公演について(公演資料より)

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世界中が魅了された音楽とダンスは繋がっていた。

マイケル・ジャクソンのダンスがボブ・フォッシーに影響されていたように、
時代を代表するエンターテイメントは、全てが繋がっている。ガーシュイン、
コール・ポーター、ボブ・フォッシー、マイケル・ジャクソン……これらの系譜
を舞台上に具現化する、魅惑のステージが開幕する。

フォッシースタイルの日本における第一人者であり、ブロードウェイが認め
る振付家&ダンサーの大澄賢也が、満を持して、初演出する。

大澄の初演出作品ならばと、日本だけでなく、世界で活躍するキャストが
集まった。シンガーは出自の異なる3人。シンガーソングライターで圧倒的
なボーカル力を持ち、ミュージカルでの活躍が目覚ましい中川晃教。
宝塚歌劇団を2014年7月に退団したばかり、歌もダンスも実力派の蓮水ゆうや。
さらには、スペシャルシンガーとして河村隆一が参加。ダンサーは様々なジャンルのスペシャリストが揃う。





コンテンポラリー、ジャズ、ヒップホップと全てがワールドクラス、日本人で初めてシルクドソレイユに出演した辻本知彦。
“GLASS HOPPER”のリーダーで、ストリートダンスで世界中で活躍するTATSUO。
独創性に飛んだダンススタイル確立し、DANCE&VOCALユニット”KAMUI”のリーダーとしてメジャーデビューもしているTAKAYUKI。
さらに日本のミュージカルでも活躍する、大野幸人、千田真司、神谷直樹が加わる。
そして、もちろん大澄自身もダンサーとして出演する。

人と人との繋がりをストーリー性を持たせて見せる1幕では、様々にアレンジした
クラシック音楽を中心に表現する。メロディックな歌とビートを効かせたダンスとのコラボレーションが見どころ。
ソング&ダンスショーの2幕で表現するのは、時代を彩った偉大なアーティストたちの繋がり、
そして「CONNECTION」アーティストたちの繋がり。
オールド・ミュージカルの名曲をマイケルダンスで。
マイケルのあの曲をフォッシーダンス&ストリートジャズスタイルで・・・
新しいミックスを魅せるナンバーの連続は、観客を興奮の渦へと導くだろう。

最高の歌と、最高のダンスの融合が、未体感の感動を呼び覚ます!

大澄賢也さんプロフィール

1002_90582 『Fosse』『CHICAGO』などでアメリカカンパニーの中でただ1人の日本人キャストとして出演。国内でのボブ・フォッシー作品の上演には欠かせない、フォッシースタイルの日本における第一人者。近年では数多くのショーやミュージカルの振り付けをしている。『CHICAGO』日本版振付スーパーバイザーとして、ブロードウェイからも認められる振付家&ダンサー。本作が初演出となる。



大澄賢也さんインタビュー(2015年1月27日/取材・文・撮影:住川絵理)

―――『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』、上演の経緯をお聞かせいただけますか。

ここ5年位振付をさせていただき、自分も出演したり作品を創ったりしていく中で、
歌とダンスを絡めた大人のショーを創りたいな、とこの1~2年の間に考えていました。
今年、僕も50歳になるので、そういう年齢もきっかけになっているような気がします。
あるオリジナルの舞台を観に行った時、すごく多彩なキャストが出演していたのですが、
正直僕の中では消化不良だったんです。チラシを見た時に「この人とこの人が
出るんだったらどういうことを見せてくれるんだろう?!」という期待があったのですが、
個性を引き出して、コラボさせるようなところがなくてもったいないな、と思いました。
オリジナルの物語性を求めるならば、作品としてはこれはこれで良かったのかもしれないのだけど、
「もっと分かりやすいエンターテインメントショーはないのかな?」と
考えた時、「そうだ、自分で創ればいいんだ!」と。
歌とダンスを絡めるのであればアッキー(中川晃教)のボーカル力が絶対に必要だと思い、
すぐにこのことを話してみたんです。「僕、ショー作品を創りたいんだけど」と。
そうしたらアッキーは「賢也さん、やって下さいよ。僕、やります!」と答えてくれて。
それから銀河劇場の方と話をして、一気に話が進んでいきました。

―――「ショーを創りたいな」という漠然とした思いが、一気に形になっていったのですね。

僕、いつもそうなんですけど、振付をやる時も、決して前から振付家になろうと
思っていたわけではなく、それまでは自分がパフォーマンスをする方が楽しかったので、
「いずれは振付もするんだろうな」という気持ちをどこかに持っている、
という位の感じでした。でも、『CHICAGO』の時、ニューヨークから自分の師匠に付いて、
振付助手のような感じで全ての動きを自分の中に入れた時、
自分で振りを創ってみたいな、という気持ちが生まれ、
2009年の『ブラッド・ブラザーズ』から振付を始めました。
今回、演出も自分でやることになったのも、
これまで「演出がやりたいです!」と言いまくっていた訳ではなく、
“今、その時期なんじゃないの?”という流れが出来て、
自然な形で今日に至っています。自分の中できばっているわけでなく、
でも自分の中で「いいものを創りたい」という気持ちがみなぎっている状態です。

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―――いざ、銀河劇場で上演出来ると決まり、次のステップに入っていったのだと
思いますが、その後はどのようなことを進めていったのでしょうか。


ある時、動画サイトでマイケル・ジャクソンの曲に合わせて
ボブ・フォッシーのスタイルのダンスの映像をミックスさせているものが目に留まったんです。
それがとてもかっこよくて、おもしろかったんですよね。
もちろんマイケル・ジャクソンは、フレッド・アステアやミュージカル映画が好きで、
ボブ・フォッシーのスタイルも好きだったんですよね。
そこから影響されて“BAD”のプロモーションビデオは『ウエスト・サイド・ストーリー』の“COOL”のリメイクだし、
“スクリーム”はフレッド・アステアの映画のワンシーンを意識して創られているんです。
マイケル・ジャクソンは、過去のものをリスペクトして、
なおかつ時代にあわせてリメイクしているんです。
でも意外とそういうことを知らない方も多いんじゃないかな。
僕もボブ・フォッシーやフレッド・アステアが好きです。だからといって、
フォッシーやアステアと全く同じことをやっても意味がないんです。
それであればそこにマイケル・ジャクソンをミックスさせてみようかなと。
過去を彷彿とさせながら、いろんなものをミックスさせて
「今の時代のショーを創りたい」と思ったんです。
僕はショーをやるのであれば、お客様がスッと入っていけるものがいいと思っています。
そういう意味では、音楽がとても大事。「ああこの曲、知っている」という
耳馴染みがある曲を中心に、それのアレンジ(編曲)で構成していこうと思います。
だから、ミュージカルナンバーやマイケル・ジャクソンの曲も出てきます。

―――ダンサーも多方面で活躍しているメンバーが揃いましたね。

ダンスも多様化してきていて、ストリート、シアタージャズ、
コンテンポラリー、バレエ、などたくさんのジャンルがあります。
でも僕は常々、「俺はストリートだから」「僕はコンテンポラリーだから」という垣根が
あるような感じがしているんです。ブロードウェイに行くとストリートをやる人が
バレエのクラスを受けているので、決してそんなことはないのですけどね。
僕は、その垣根を越えた時にもっとすごいことが出来るような気がしているのです。
そうじゃないレベルにいる人間は虚勢を張り、俺はこうだからと曲げない人が多い。
でもある程度行きつくところまで行った人たちは、気持ちにゆとりがあって、
いろんなことを取り込める視野を持っています。
それが理想なんじゃないかな、と。
今回のダンサーはいろんなスタイルが出来る、そして柔軟である、
そういうメンバーを集めました。

―――シンガーも、中川晃教さん、蓮水ゆうやさん、
そしてSpecial Guestの河村隆一さんと、豪華なメンバーですね。
ビートを刻んだり、リズムを感じられる方を揃えたそうですが、
シンガーの方たちについてもお聞かせいただけますか。


中川晃教さんについては先ほどお話しましたが、彼が中心となり、
紅一点で、蓮水ゆうやさんが出演します。女性がひとり入る、ということの意味ですよね。
最初は男性だけでやろうと思ったのですが、「いろんな広がり方を考えると
女性も入れたいな、でも入れるのであれば1人だけにしよう」と思い、
それを蓮水ゆうやさんがやって下さることになりました。宝塚の男役として
芸を磨いてきた方ですから、かっこよくも女性らしくも出来る。
蓮水さんが加わることによりショーの幅が広がるんじゃないかと思います。
(河村)隆一くんは、『CHICAGO』や『SUPER DUETS』でもご一緒してよく知っているので、僕が直接連絡を取りました。
彼のボーカル力を考えると本当にすごい方ですから、隆一くんが加わることにより
作品に厚みが出ると思います。お互いのことを知っているので話を進めやすいですし、
このショーのイメージにぴったりです。

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―――『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』の内容についても
少しお聞かせいただけますか。


一幕はクラシックの“白鳥の湖”の中の色々な曲、メロディを使用する予定です。
アレンジの違いで「こんなにも変化する!」ということに挑戦したいです。
(―――昨年出演していた舞台『スワン』から引き続き、白鳥ですね)
そうですね。たくさんの曲を聞いていろんなクラシックの曲を使おうかなと
最初は思ったのですが、僕自身がマシュー・ボーンの『白鳥の湖(スワンレイク)』が好きですし、
日本人の方はチャイコフスキーの“白鳥の湖”の曲が好きな方も多いと思うんです。
この曲は歌詞を乗せた時にとてもしっくりくるし、踊っても、アレンジしてもとてもよかったので、
「じゃあこの曲のバリエーションで見せていこう!」ということになりました。
二幕はアステアの曲から始まり、アレンジがあって、フォッシーのスタイルになって、
白い手袋が出てきて、アッキーの“ビリー・ジーン(Billie Jean)”があって、
“COOL”と“BAD”をくっつけたものがあってという流れで進んでいきます。
『バンド・ワゴン』のスムーズ・クリミナルという曲で、
“四重奏をダンスで表現するとどうなるか”、ということにも挑戦します。

―――この作品で特に伝えたいことは。

単純にいろんなスタイルのダンサーを揃えたね、という感じにはしたくないんです。
その気持ちが共有出来るのは年齢なんじゃないかなと思います。若いダンサーズがこの
ショーを観た時に、「あの人がこういうスタイルも出来るんだ!」という
チャレンジした姿を見せることも、僕は必要だと思うんです。
「視野を広くもって表現の世界で生きていかないといけない」というメッセージを
伝えたいですし、身体能力を見せるだけでなく、歌も芝居も踊りもそれぞれに意味がある
ということを感じて欲しいです。

―――大澄さんが今まで培ってきたものの、ひとつの形ですね。

日本のショービズを観てきて、「大人のショーがないな」、と思っていました。
じゃあ「大人っていうのは何なのか?」を考えると、
変にきばっていない、きばらずに見せられるのは年齢やキャリアが必要、
だけど積み上げてきたものは本物だよ、そんなことを感じられるショーにしたいです。
スタイリッシュでかっこいいという大前提があった上で、
いい意味での“抜き方”“粋さ”を打ち出していけるよう頑張ります!

―――今回、構成・演出・振付・出演を手掛け、一番大変なところは?

スタッフの方々と一緒に試行錯誤しながら創っているところです。
ソロでも活躍している方たちなので、あとは僕の料理の仕方にかかってきます。
このショーがダメだったら、僕の構成・演出がダメだったということだと思うので、
「このメンバー集めてこれかよ!」と言われないように(笑)、
覚悟を持って臨みたいと思います。

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『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』

 

構成・演出・振付・出演:大澄賢也

音楽監督・編曲:大坪正、ongaq

 

出演

<Singers>

中川晃教 蓮水ゆうや/ Special Guest 河村隆一

<Dancers>

辻本知彦 TATSUO(GLASS HOPPER,BLUE PRINT)

TAKAYUKI  大野幸人 千田真司 神谷直樹

 

日程:2015年3月19日(木)~3月22日(日)

会場:天王洲 銀河劇場

 

http://www.gingeki.jp/special/connection/index.html

 

 

 
 

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