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宝塚歌劇月組公演『1789 -バスティーユの恋人たち-』制作発表 その② 2015年03月

(2015年03月19日記載)

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宝塚歌劇月組公演 スペクタクル・ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』
制作発表でのコメント紹介

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公演について(公演資料より)


かんぽ生命 ドリームシアター
スペクタクル・ミュージカル
『1789 -バスティーユの恋人たち-』
Le Spectacle Musical ≪1789 – Les Amants de la Bastille≫
Produced by NTCA PRODUCTIONS, Dove Attia and Albert Cohen
International Licensing & Booking, G.L.O, Guillaume Lagorce
潤色・演出/小池 修一郎

1789年初頭、官憲に理不尽に父親を銃殺された青年ロナンはパリに出て、
パレ・ロワイヤルで、デムーラン、ロベスピエール、ダントンら革命家と知り合い、
新しい時代の到来に希望を託して行く。
一方ヴェルサイユ宮殿では、ルイ16世や王妃マリー・アントワネットが、
華美な生活を続けていた。病弱な王太子の養育係オランプは、
王妃のお供で、お忍びでパレ・ロワイヤルに赴く。
その夜ロナンは、対立する立場のオランプと運命的な出会いをする。
王弟アルトワ伯は革命を潰そうと密偵を放つが、
革命家たちの理想の炎はますます燃え上がる。
ロナンは革命に身を投じ、遂に7月14日、バスティーユ襲撃に参加するが……。
革命勃発のパリに生きた若者たちの、激しく熱い愛と理想に満ちた青春を描く。

本作品は、2012年にフランス・パリの「パレ・デ・スポール」で初演され、
絶賛を博し、以降、フランス国内で度々上演されてきたヒット作です。
日本では宝塚歌劇団が、小池修一郎潤色・演出により宝塚バージョンとして
日本初上演。フランス革命に翻弄される様々な人間の生き様を、
ポップな現代音楽に乗せて描くフレンチ・ロック・ミュージカルです。
また、宝塚大劇場公演は第101期初舞台生のお披露目公演となります。


主な配役


ロナン・マズリエ(官憲に父親を銃殺された青年)龍 真咲
マリー・アントワネット(フランス王妃)愛希 れいか
カミーユ・デムーラン(革命家でジャーナリスト、ロナンの友人)凪七 瑠海
シャルル・アルトワ(ルイ16世の弟)美弥 るりか
マクシミリアン・ロべスピエール(第三身分出身の若い議員)珠城 りょう


制作発表でのコメント(2015年3月11日)



◆小池修一郎(潤色・演出)

1004_8897思い起こせば、ちょうど4年前の東日本大震災があった時、東京宝塚劇場でフランス発のミュージカル『ロミオとジュリエット』を雪組で上演していました。私も劇場におり、2000人を越えるお客様、生徒、スタッフ、フランスから作曲家(ジェラール・プレスギュルヴィックさん)もいました。都内のホテルで自宅に帰れない人のためにロビーを解放し、ホテルの方々が飲み物を配ってくださる様子を見た作曲家が、「フランスではあり得ない」と、感動していました。その公演を通じて思ったのは、世の中良い事ばかりではありません。辛い事、悲しい事、苦しい事、悲惨なこと色々なことがあるけれど、やはり現実の社会に決して消えることのない悲しみや苦しみ、あるいは災いといったものに対して向かっていかなくてはならない時に、喜びや希望を与えるということが私たち宝塚歌劇の使命ではないかと思っております。エンターテインメントとして楽しい喜劇をやることもあると思います。それと同時に、今回の作品はフランス革命を描いておりますので、過去にあった歴史的事実を脚色しミュージカル化しております。そういった現実(歴史)を前提として200年以上経って生きている私たちが、まだまだ世の中に平和や幸せというものが全てに行きわたっているわけではないのだけども、でもその中で希望を失わないで生きていこうという勇気を与えてくれる作品なのではないかなと思っております。フランスで作ったフランス革命の話なので、思いもよらぬ視点があるのかなと思ったのですが、構造として地方出身の農民である龍真咲演じるロナンが革命の中に身を投じていくというドラマです。そこが従来語られている英雄、そこで名を残した人たちとの違いだと思います。ただポップスとしてノリの良い楽しく、格好いい曲が多いので、日本の昨今の舞台で言われる〝イケメンミュージカル〟のような、若い人たちが演じて歌って踊るというシーンにワープしたり、主筋である革命に戻ったり、行ったり来たりする構成です。これを宝塚版としては、龍真咲演じるロナンの生き方を追いながら、その時代の王族や周りの人々の生き方を並行して追って行く形です。また、オリジナルの舞台と比べられると、曲によって歌う人を入れ替えています。稽古が始まったばかりなので、作品としての産みの苦しみがあるとすると、まだまだ陣痛といったところ。(生徒の)皆さんには、これから非常に大変な思いをさせると思うのですが、フランス革命(という題材)を通じて、困難な時代を生き抜く人々の姿というものをお伝えできれば、そしてそれが今を生きる私たちに、元気に過ごすとか明日への希望を持つといった何らかの生きる意味や糧となれば、と思っております。





◆龍 真咲(ロナン・マズリエ役)
1004_8919皆様、本日は月組公演かんぽ生命ドリームシアター スペクタクル・ミュージカル『1789ーバスティーユの恋人たちー』の制作発表にお忙しい中お越し下さいまして誠にありがとうございます。日本初上陸、初上演となるミュージカルに我が月組が携わらせていただきますことを心より嬉しく思っております。この作品のエネルギーをしっかりと持ち、初日に向けて小池先生を筆頭に精一杯お稽古に励んで参りたいと思っております。そして、最後になりましたが株式会社かんぽ生命様にご協賛いただきましたこと心より御礼申し上げます。本日はありがとうございました。





◆愛希れいか(マリー・アントワネット役)
1004_8914日本初上演となる作品に挑戦させていただけることを大変嬉しく思うと同時に、世界中で沢山の人々に愛されているマリー・アントワネット役をさせていただけることを本当に幸せに思っています。この作品の世界観の中で、彼女が目指した王妃とは何だったのか、1人の女性、母親として懸命に生きていく姿を大切にしながら、公演を観終わった後にお客様にマリー・アントワネットのことをもっと愛してもらえるように演じられたらと思っております。愛され続ける作品の1つとなるよう、心を込めて精一杯務めて参りたいと思います。





◆凪七瑠海(カミーユ・デムーラン役)
1004_8919曲も素晴らしく、斬新でスケールの大きなこの作品に出させていただけることを嬉しく思っております。歴史上の人物であるカミーユ・デムーランは革命家の1人なのですが、史実上でも革命において、とても重要な任務を果たす人物でもあるので、彼の熱い気持ちをかりながら、この大作に挑んで行きたいと思います。





◆美弥るりか(シャルル・アルトワ役)
1004_8914フランスで大人気であったこの作品を日本で初めて上演するということで、その舞台に出演させていただけることをとても光栄に思っております。私の役は、とても軽薄な考えの持ち主で、自分の手を汚さずに王位にのし上がろうとする悪意を持った人物でもあります。龍真咲さんが演じられるロナン側の皆さんから憎まれる貴族として色濃く演じていけたらなと思っております。





◆珠城りょう(マクシミリアン・ロべスピエール役)
1004_8914日本初上陸で、しかも月組で初演を務めさせていただけますことを本当に幸せに思っております。革命家のロベスピエールは、皆様もよくご存知の人物だと思いますが、のちに独裁者と呼ばれる前の革命に燃えている全盛期の彼を演じることになっておりますので、心を込めて彼が何を求めていたのかを情熱的に演じたいと思っております。




―――ロナンという人物にモデルはいらっしゃいますか?また、宝塚には『ベルサイユのばら』というフランス革命を
描いたものがありますし、小池先生自身は『スカーレット・ピンパーネル』で反対側から描いた作品を作られていますが、
今回フランス革命を手掛けるということで、意識されていることがあったら聞かせてください。


◆小池修一郎
ロナンという人物に特定のモデルはいないと思います。ただ当時、彼のような青年は沢山いたのではないかと思っています。
色々な国で民主化運動が起こる時に、必ず学生や労働者から参加する人がいるということの1つの典型として
描かれていると思います。それから、私どもはべルばら帝国に生きていて私はその国の臣民の1人です。
そのことからするとマリー・アントワネットが関わる作品を自分がやるとは夢にも思いませんでした。
芯がロナンという青年の生きる道筋であると、その時彼らが倒そうとしている王家はどうだったのかというところに
マリー・アントワネットがいます。フランス人からすると外国から来た嫁なのですが、彼女に対して共感を持って、
とても魅力的に描かれていて、私たちが思っているマリー・アントワネット像とそんなにかけ離れていないなと
思っております。また、つくづく(『ベルサイユのばら』の作者)池田理代子先生は今から40年以上も前に、
このフランス革命という史実にあれだけ架空の人物を見事に取り込んで、あのドラマを作られたということで、
本当に天才であると改めて思った次第でございます。私たちの知っているフランス革命に対して、
極端に違うことを突きつけている題材ではないので、あえて言うなら、ロナンが恋する相手が
マリー・アントワネットの亡くなった息子ルイ・ジョセフの養育係だったということですね。
それが『ベルサイユのばら』でいうならば、オスカルやアンドレに相当するような架空に作られた人物であると思います。
そこがこの作品のオリジナリティなのではないかと思います。

―――『スカーレット・ピンパーネル』も同じような時代を扱いながら、ブロードウェイ版とは思い切った違う
要素を入れて、新曲入れて素晴らしい作品だったと思うのですが、今回も脚色をどんな風にするのか、
小池流のアレンジがありましたら教えてください。


◆小池修一郎
フランス版はDVDも販売もしておりますが、幕開きからすごく違うと思います。2012年にフランス・パリで上演され、
ツアーがあって、2013年にパリに戻ってきた時に筋を少し変えています。最後に死ぬのがロナンか
オランプ・デュ・ピュジェ(ロナンの恋人)か、最後が違う2つの題材がございました。私は宝塚歌劇の龍真咲というスターを
中心とした構成で作っております。民衆たちがバスティーユ要塞にあった火薬庫に火薬を取りに行くバスティーユ襲撃の時に、
門に綱でつり上げられた橋を下ろすと民衆がバッと中に入っていくのですが、登って行って縄を切り下ろした人。
本当の人は誰だったのかわかりませんが、(ロナンは)これをやった人というように仮定しています。
曲はフランスの舞台で使われなかったものも沢山ありますし、今回用にも書いていただた曲もあります。
マテリアルを沢山いただていていますが、男性の声の音域に書かれたものを男役の方では大変なところ、ハードルもあります。
場合によっては、フランスでは女性が歌っていた曲を、宝塚では男役が歌った方がバシッと決まるという曲もあるので
かなり入れ替えております。

―――制作発表でパフォーマンスをしてみての感想をお聞かせください。

◆龍 真咲
お稽古は少し前から始まっていたのですが、制作発表でパフォーマンスをしてみて、いよいよ待ちに待っていた
このミュージカルが始まるのだなと思う事ができました。本来ならば、美弥るりかが演じる役は(パフォーマンスで披露した曲)
「サイラ・モナムール」では参加しないのですが、敵対するチームであってっも1つの思いというものを合致することが
できたので、とても良いナンバーになったかなと感触として受け止めております。
また、小池先生の海外ミュージカル新作といったら、どのような風に色々な驚きやアレンジが飛び出すのかなと
皆様も楽しみにしていらっしゃると思いますが、私たちもお稽古をしていく中で楽しみの1つですので、
しっかりと小池先生に付いていきたいと改めて思いました。

―――マリー・アントワネットのお衣装が大変素晴らしいですね。

◆愛希 れいか
そうですね。このようなお衣装を着させていただき、髪もだいぶ盛っておりますけれど(笑)。
自分がマリー・アントワネットを演じさせていただくのだなと実感しております。
私が登場させていただくところは豪華なことになるであろうと思っております。それに負けず頑張りたいと思います。

―――皆さん実在の人物ということですが、龍さんは架空の人物で、革命を象徴する、
革命側の重要な役ということでどんな風に演じたいかお聞かせください。


◆龍 真咲
フランスで行われたミュージカルの資料を沢山見させていただきました。
その中でも、実在の人物はある程度人生やどのように時代に関わってきたのかという事が明確に見えているところは
ありますが、私は(架空の人物なので)ないので、市民の声や、その時代の本当は光が当たらないバックグラウンドの
場面を主張する代表者として演じることができたらと思っております。もともと形のないものを作るという意味では、
私自身の想像と先生の役のイメージというところで、ないものから生み出すということは再演が多かった
月組の中では経験した事がなかったので、新たな自分への挑戦だなと思っております。

―――龍さん革、命に身を投じて行かれる役という事で、ご自身大切に演じていきたいという部分。
実在の人物を演じられる他の皆さんは、ご自身の個性をどういう風にプラスしていきたいかお聞かせください。


◆龍 真咲
主役はキレイなお衣装を着て目立つ歌をうたって、きらびやかな場面の中にいるというのが宝塚でいう主役の
イメージであるかなと思うのですが、そこを覆して地に足をつけ、ちょっと血なまぐさかったり、
土を感じるような臭いのするような役にできたらなと思っております。私が今まで演じてきた役は高貴な役だったり、
『ミー&マイガール』のように実は高貴だったというような役が多かったので、本当に民衆の1人が立ち上がって、
普段なら大勢で何かをするということはきっと無いと思うのですが、今の月組の状態とリンクさせられるところがあると
思うので、しっかりとまずは引っ張っていきたいなと思っております。

◆愛希 れいか
私は『ベルサイユのばら』ではロザリー演じましたので、このように身分の高い役はほぼ初めてでございます。
ただ、マリー・アントワネットという女性は、王妃でありながら親しみやすい部分と少女の心を持っていたり
可愛らしい部分があるので、そのようなところが私は素敵だなと共感される部分の1つかなと思っています。

◆凪七瑠海
どの資料を見てもカミーユ・デムーランという人は目がぎょろっとしていて鷲鼻、くせ毛で黒髪。青白くて、線が細くて、
到底バスティーユ牢獄を落とす時に「みんな武器を取れ」と先頭を切った人とは思えないような人物だという印象を受けたのですが、
一見引きこもりそうなタイプなのかなと思いきや、それをも乗り越えてみんなを従えて「みんな行くぞ」とバイタリティ溢れる、
すごく熱い人だと思うので、人間臭さを大事に市民の声を貴族に向けて挑みたいと思います。

◆美弥るりか
シャルル・アルトワ伯はマリー・アントワネットの悪友と言われているくらいなので、色んな資料を見ても、
とても軽薄で凋落的だと書かれていることが多いのですが、そういった部分も感じさせつつ、
小池先生が書いて下さった台本には、とても鋭い部分も沢山あるんだなという事も感じでいますし、
自分の指示や考えによってお話が展開していく部分も自分の役割にあるなと思っていますので、
そういった鋭い頭の切れるところも出していけたらと思っております。

◆珠城りょう
マクシミリアン・ロベスピエールという役は、宝塚でも『ベルサイユのばら』や『スカーレット・ピンパーネル』の中でも、
教科書にも出てくるようなよく聞く人物であると思うのですが、今回そういう資料があるのですが、
『1789 -バスティーユの恋人たち-』という作品の中で自分がどのようにいたら良いのかということを
まず考えようと思っております。のちに独裁者と言われてしまうのですが、本当に理想と自分の意思を強く持っている男。
自分が弁護士で議員ということもありますし、自分の意思と市民の言葉を声にしたいという強い思いで生きている人物
だと思うので、そのあたりを深めていけたらと思います。

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宝塚歌劇月組公演

かんぽ生命 ドリームシアター

スペクタクル・ミュージカル

『1789 -バスティーユの恋人たち-』

 

公演期間:2015年4月24日(金)〜6月1日(月)

会場:宝塚大劇場

 

公演期間:2015年6月19日(金)~ 7月26日(日)

会場:東京宝塚劇場

 

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/1789/index.html

 

 

 
 

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