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ミュージカル『アナスタシア』に出演する 遠山 裕介さん インタビュー
公演概要(リリースより)
壮大なスケールと豪華キャストで贈る、愛と冒険のミュージカル!
待望の新作ブロードウェイミュージカルが、
本国クリエイティブスタッフ&日本キャストで上演決定!
本作品は、第70回アカデミー賞 歌曲賞、音楽賞にノミネートされたアニメ映画「アナスタシア」に
着想を得て制作されたミュージカルです。1918年、帝政ロシア時代の最後の皇帝ロマノフ2世をはじめ
一族が殺害されたというニュースがあふれる中、皇女アナスタシアだけは難を逃れて生き続けているという
歴史上の謎「アナスタシア伝説」にもとづいた物語で、記憶を無くした主人公アーニャが、自分の過去を取り戻し、
愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描いた、大人から子供まで楽しめる愛と冒険に満ちた作品となっています。
ブロードウェイ公演は、2017年3月にプレビュー公演を経て、4月24日に開幕。
以降、2019年3月まで2年間にも及ぶロングラン上演となりました。その他、2018年10月からのスペイン公演、
北米ツアー、11月からのドイツ公演に続いて、本年9月にはオランダ公演の開幕も予定され、世界各国での上演も続々と決定。
アメリカメディアの劇評でも絶賛されるなど、ブロードウェイで高く評価された本作を、
本国クリエイティブ・スタッフ&日本キャストで上演します。
主演のアーニャ役には、今年『ロミオ&ジュリエット』で華々しくミュージカルデビューを果たした葵わかなと、
ディズニー実写映画「アラジン」のプレミアム吹き替え版ジャスミン役で話題の木下晴香の2人が主演(Wキャスト)を務めます。
アーニャに出会い、ともに旅をする若い詐欺師・ディミトリ役には、『レ・ミゼラブル』など大作ミュージカル作品から、
『アラジン』『ライオンキング』などの人気ディズニーミュージカル作品にも出演する海宝直人、
戦隊ドラマなどを経て近年では声優としても活動し、『レ・ミゼラブル』『ダンス オブ ヴァンパイア』など
ミュージカル作品に引っ張りだこの相葉裕樹、近年『テニスの王子様』『黒執事』などミュージカル作品で目覚ましく活躍し、
今回グランドミュージカル初出演となる内海啓貴が、ボルシェビキの将官・グレブ役は、大河ドラマ『新選組!』『真田丸』
といった映像作品をはじめ、舞台「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season花」『ロックオペラ モーツァルト』などに出演し、
様々なジャンルで存在感抜群の演技を魅せる山本耕史、デュオ「CHEMISTRY」やソロとしても精力的な歌手活動を続ける一方、
ミュージカル『RENT』等にも出演し圧倒的な歌唱力を持ち合わせる堂珍嘉邦、『モーツァルト!』『キンキーブーツ』
『エリザベート』などの話題のミュージカルに出演し、注目を集める遠山裕介が務めます。
ディミトリの相棒、かつては宮廷にも出入りしていたヴラド役にはミュージカル出演は多数!
ブロードウェイが認める振付家&ダンサーでもある大澄賢也、『レ・ミゼラブル』や『エリザベート』など
数々の名作ミュージカルの舞台に立ち活躍を続ける石川 禅、マリア皇太后に仕え続ける伯爵夫人リリー役には
宝塚歌劇団退団後もミュージカル・ストレートプレイなど、舞台を中心に活躍を続ける女優朝海ひかる、
今年デビュー30周年を迎え、歌手、舞台、ドラマ、バラエティなど多方面で活躍する女優マルシア、
劇団四季退団後も舞台のみならず、映画、ドラマなどさまざまなジャンルで名バイプレイヤーとして
存在感を発揮する女優堀内敬子、そして、孫娘アナスタシアを探し続けるマリア皇太后役には、
宝塚歌劇団トップスターとして活躍し、退団後は現代演劇を中心に出演、数々の賞を受賞し、
この度22年ぶりのミュージカル出演となる女優麻実れいと、豪華出演者が集結致しました!
あらすじ
舞台は20世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルク。
ロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、
パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物に、
家族と幸せに暮らしていたが、突如ボリシェビキ(後のソ連共産党)の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。
しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。
パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。
それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、
賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。
記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…
同じ頃、ロシア政府はボリシェビキの将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。
マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、
グレブがアーニャを見つけ出し…
ミュージカル『アナスタシア』に出演する 遠山 裕介さん インタビュー
(2020年2月12日 取材・文:栗原晶子/撮影:伊藤華織 )
壮大なスケールと美しいステージングで世界を魅了してきたミュージカル『アナスタシア』が、
華やかなキャストにより日本初演を迎えます。物語の鍵を握るグレブと、イポリトフ伯爵を演じる
遠山裕介さんに、今作への思いとミュージカル俳優としての歩みや夢についてお話を伺いました。
ーーーアニメ映画「アナスタシア」に着想を得て誕生したミュージカル『アナスタシア』。どんな作品になりますか?
◆遠山 裕介
観ていてわくわくするような作品になると思います。物語は主人公のアーニャを中心に進んでいきますが、
その中で今回重要な役、ボリシェビキ(後のソ連共産党)の将官・グレブを演じます。
グレブにとってロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘、アナスタシアは敵となる存在です。つまりグレブは悪役ですね。
アニメーション版では、魔法使いのラスプーチンが悪役でした。
ただ、ラスプーチンというのは、ロシア帝国側の人物でしたが、グレブは革命を起こしたボリシェビキ側にいる人物で、
この舞台ならではの物語と設定です。
ーーーグレブという役にどのように向き合っていますか?
◆遠山 裕介
グレブはアーニャが現れてアナスタシアになっていくその過程の中で、
将官としての義務と別の思いとの間で葛藤していきます。物語には登場しませんが、グレブの父親も軍人で、
ロマノフ家を滅ぼす革命の場にいた人です。正義を持って革命に携わっていたものの、
父親もそれに葛藤しながら亡くなったという背景があります。
この物語の始まりである、ロシア帝国の最後を知るためにNETFLIXで公開されている
「ラスト・ツァーリ:ロマノフ家の終焉」という作品を観ました。これを見るとロマノフ家って本当にひどくて。
それを観てグレブの気持ちがガーッとわき上がってきました(笑)。
グレブにとっては革命が起きたことには正義があるんです。
でも目の前に現れたアーニャに恋をしてしまい、彼の中に別の葛藤が生まれていきます。たまらなく難しいですね。
ーーー役づくりをするときのスタイルはありますか?
◆遠山 裕介
映像から入ることも多いですね。あとは「この役って日本人でいうとあの人っぽいよな」と
イメージしてみることもよくやっていました。ただ、以前、今回も共演する山本耕史さんから
「それ、日本人じゃなくて外国人の俳優でやってごらん」とアドバイスをもらったことがあって、
以来、そうするようになりました。グレブはブロードウェイで上演された時は、
ラミン・カリムルーさんが演じたことでも話題になりましたので、とにかく頑張ります。
ーーー改めてミュージカル俳優としてのキャリアについてお聞かせください。
◆遠山 裕介
2008年に上演された堂本光一さん主演の『Endless SHOCK』がミュージカル初出演でした。
僕はその前はアミューズメントパークでショーダンサーをしていました。
その後、双子の兄、当銀大輔と共にフロリダからバハマへ行くクルーズシップでダンサーとして仕事をしました。
下船後、ダンサー経験を活かしてオーディションを受けて合格したのが、『Endless SHOCK』で、
そこからミュージカル俳優としての道が始まりました。
ーーーこれまで出演された作品の中で印象深いもの、
ご自身のキャリアで大きく進化するきっかけとなった作品は何ですか?
◆遠山 裕介
2018年に出演した『モーツァルト!』のシカネーダー役です。
それまで長年、先輩の吉野圭吾さんが演じられていた役で、作品の中でも場面を変えることが
出来る唯一の明るい役回りです。あの役が出来るんだ!という喜びと共に、プレッシャーも相当なものでした。
それまで舞台で緊張するということはあまりなかったのですが、
この役で出演した帝国劇場での初日は緊張でガッチガチでした。忘れられないですね。
2016年に出演した『キンキー・ブーツ』も印象的です。ハイトーンを出して歌う役だったこと、
そして初めてのドラァグクイーン役でした。今までの自分じゃなかったし、結果、この役がミュージカル俳優として、
プリンシパルへ上がっていく力にもなってくれました。
ーーーミュージカル俳優としての強み、自慢できることは何ですか?
◆遠山 裕介
順応性でしょうか。元々ダンスからスタートして、歌、お芝居を身に着けてきました。
それぞれに特化している人もいる中で、僕の場合はこの3つをこなすところですかね。
時と共にこの3つを習得していきましたがその背景にはこんなことがありました。
2009年に安蘭けいさん主演で上演された『The Musical AIDA』に出演した時に、
舞台中に右手をケガしてしまったんです。手術してその後半年間くらいはアクロバットはもちろん、
激しく踊ることも出来なくなりました。踊れなくなったら何も出来ない……、
どうしよう、武器がなくなってしまうと考えて焦りました。
そこで手のリハビリを兼ねてピアノの練習と共に歌を初歩からやり始めたんです。ピアノはバイエル、
歌はコールユーブンゲン(声楽の初歩的練習教本)からスタートしました。
そうして歌のレッスンを強化し、ライブもたくさん経験しました。
芝居に関しては、ストレートプレイに出演したり、一人ミュージカルにもトライしました。
この経験が今の自分を支えてくれています。
ーーーさきほどお名前が出た当銀大輔さんについてお聞かせください。
遠山さんにとって、今、同じ業界で活躍する大輔さんはどんな存在ですか?
◆遠山 裕介
大輔がいなければこの世界には入っていません。というのも、大輔がアミューズメントパークでダンサーとして
仕事をしている姿を見て、楽しそうだなと思い1年後に僕も入ったんです。その後、二人で一緒に辞めて、
クルーズ船での仕事、そしてミュージカルへと二人で道を開いてきました。お互いにダメを言い合える仲です。
もちろん良かったところは素直に褒めあいます。特にここ2年ぐらいで、僕はプリンシパルとしての出演が増えてきて、
大輔は振付などクリエイティブチームとして作品に携わる機会も増えているので、
今まで以上に彼の意見に素直に耳を傾けられるようになりました。大輔あっての僕かなと思っています。
ーーーミュージカル『アナスタシア』の開幕も迫ってきました。
今回はグレブのほかにイポリトフ伯爵を演じられますね。
◆遠山 裕介
グレブで出演しない日はアンサンブルとしてさまざまな役を演じるのですが、
その中でソロナンバーもあるイポリトフ伯爵を演じます。
「ロシアにいると殺されてしまうのでパリに逃げよう!」とパリ行きの列車の前で歌う
お別れの曲なんですが、とてもいい歌です。
LEDパネルのすばらしさにもぜひ注目してください。
今は稽古段階なので、背景を想像しながら演じていますが、とにかく美術も衣裳も素晴らしいので。
ただ、僕はグレブとして出演していない日は、アンサンブルとして舞台に立ちますので、
本番を客席から観ることは出来ないんですよね……。
ーーーグレブ役はトリプルキャストで、遠山さんと共に山本耕史さん、堂珍喜邦さんがご出演されます。
お二人の印象は?
◆遠山 裕介
耕史さんとは、NHKの「歴史にドキリ」という番組で初めてお会いして、
舞台は2014年の『オーシャンズ11』から何作かご一緒させていただいています。
今回は同じ役をやらせていただくので、アドバイスをたくさんいただいています。
例えば、僕はダンサーをやっていたので、動きがきれいすぎると指摘されました。
確かに普通にしているとバレエの5番の足のポジションで立ってしまっていることなんかがよくあるんですよね(笑)。
堂珍さんとは今回初めてお仕事でご一緒します。グレブの歌稽古から一緒にさせていただいていますが、
僕、CHEMISTRY大好きで……。歌声を聞いて、「堂珍さんだぁ!」って嬉しくなりました。
ーーー山本さんと堂珍さん、そして遠山さん、違ったタイプのグレブになりそうですね。
お稽古してみていかがですか?
◆遠山 裕介
グレブのカラーは三者三様、全く違う印象になると思います。
堂珍さんのグレブにはやさしさの中に怖さがあるイメージ。
耕史さんは、キャリアも長いですし、はっきりとしたグレブ像を持って役を作っているなと圧倒されます。
いい意味で影響を受けながら、遠山裕介だからこそのグレブを演じたいと思っています。
ーーー今後の目標や夢を教えてください。
◆遠山 裕介
まずはこの作品のグレブとイポリトフ伯爵に精一杯挑みます。あとは歌が大好きなので、
シンガーとしてのチャレンジもしていきたいですね。歌いたい曲、たくさんあるんです。
安全地帯が大好きでライブもよく行かせていただいているんですが、
いつか玉置浩二さんに曲を作っていただくのが夢の一つです(照)。
ミュージカル俳優としては、ストーリーテラーとして作品を回すような役や、
今回のグレブのような存在感のある役にこれからもチャレンジ出来たらと思っています。
ミュージカル『アナスタシア』
日程:2020年3月1日(日)~28日(土)
会場:東急シアターオーブ
日程:2020年4月6日(月)~18日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール
脚本:テレンス・マクナリー
音楽:ステファン・フラハティ
作詞:リン・アレンス
振付:ペギー・ヒッキー
演出:ダルコ・トレスニャク
*公演日程は下記公式サイトからご覧下さい。
https://www.anastasia-japan2020.jp/
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。