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野村萬斎演出・出演『子午線の祀り』が開幕!初日コメント・舞台写真が到着しました。 2021年02月

(2021年02月23日記載)

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野村萬斎演出・出演『子午線の祀り』が開幕!
初日コメント・舞台写真が到着しました。



「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司
★関連記事→野村萬斎演出・出演『子午線の祀り』が2021年再演決定!

公演概要(リリースより)

2021年版の『子午線の祀り』が、2月21日KAAT神奈川芸術劇場で開幕しました。

「平家物語」に材をとり、日本演劇史上に燦然と輝く不朽の名作『子午線の祀り』
世田谷パブリックシアター開場 20 周年記念として、
2017 年に野村萬斎の新演出で上演し、数々の演劇賞を受賞した本作が
戯曲の芯をとらえ直し、ダイナミックかつテンポ感を増した2021年版として新たに生まれ変わりました。

『子午線の祀り』は、木下順二が「平家物語」を題材に“天”の視点から人間たちの葛藤を描き、
平知盛や源義経をはじめとする源平合戦に関わった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、
心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げた戯曲です。
また日本語の“語り”の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルを随所に用いて、
演劇史に確固たる地 位を築いてきた傑作として広く知られてきました。

その戯曲を受けて宇野重吉、観世栄夫、木下順二らの演出による初演が1979年。
能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げ、
日本演劇史をひとつの作品で体現する唯一無二の舞台として、高く評価されました。

その後、幾たびもの上演を経て、この伝説的な舞台が、野村萬斎の新演出により
世田谷パブリックシアターで上演されたのが、3年前の 2017年のことでした。
世田谷パブリックシアターの芸術監督として長年にわたり、
「人間の営みを俯瞰して眺める狂言的なマクロの視点」と
「人間の精神性や情感に迫る能的なミクロの視点」で古典と現代が融合した作品を
数多く演出してきた野村萬斎の集大成の一つともいえる 2017 年版の上演は、
宇宙的な視座を持つ作品の深い考察、個人と全ての人間の運命を包み込む宇宙の対比、
群読による 日本語の美しい響きと身体性を活かしたダイナミックな演出が高く評価され、
読売演劇大賞最優秀作品賞をはじめ、数々の演劇賞(※1)を受賞しました。

そして 2021年初頭にこのコロナ禍の中で再び上演するにあたり、
あらゆる試行錯誤を繰り返した結果、2017年版をベースにしながらも、
戯曲の芯を捉え直し、演出の濃度を増し、機動力のある舞台を新たに目指すことになりました。

また今回の 2021年版は 2017年には果たせなかった、各地での上演も実施するはこびとなります。
2月に KAAT 神奈川芸術劇場で幕を開け、その後、愛知、久留米、兵庫と各地を回り、
最後に世田谷パブリックシアターの舞台へ戻ってくるという、その間1か月以上に及ぶ公演です。

演出の濃度を上げ、ダイナミックかつテンポ感を増した新たな『子午線の祀り』の誕生に是非ご期待ください。

※1 第25回読売演劇大賞最優秀作品賞、同優秀女優賞(若村麻由美) 第59回毎日芸術賞 第20回千田是也賞(野村萬斎)



「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司

物語


歴史上名高い源平の合戦。次第に平家の旗色は悪くなるばかり。
兄・平宗盛(河原崎國太郎)に代わり平家軍を指揮する平知盛(野村萬斎)は、
一の谷の合戦で、源義経(成河)の奇襲を受け、海へ追い落とされる。
以来、武将となって初めて自分に疑いをもちつつ、
知盛は舞姫・影身の内侍(若村麻由美)を和平のため京へ遣わそうとする。
平家を支える四国の豪族・阿波民部重能(村田雄浩)は、三種の神器を楯に主戦論を唱え、
知盛を立てて新しい日本国の存立を画策しようとする。
知盛は平家滅亡を予感しながらも、後白河法皇の過酷な要求を拒絶し、
徹底抗戦の道を選ぶのだった。
一方、源義経は、兄頼朝から目付役として遣わされた梶原景時(吉見一豊)と対立しながらも、
源氏方の先頭に立って慣れぬ海 戦も乗り越えますます勢いづいていく。
そしてついに両軍は壇の浦の決戦の日を迎える――。



「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司

出演者による初日コメントが到着しました!(2月21日)


2021年の初頭にコロナ禍の中で上演するにあたり、
2017年版をベースに再構成した新たな『子午線の祀り』が、2月21日に開幕いたしました。
野村萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美の初日コメントをお届けします。

◆野村萬斎
[演出・出演] 新中納言知盛

『子午線の祀り』という戯曲そのものが持つ宇宙観を生かしながらも、より凝縮した“ドラマ”になった。
そんな手ごたえを感じています。シェイクスピアは「ハムレット」の中で、「演劇は自然(時世)を映す」と書きました。
人間があがきながらも一生懸命生き、活路を見出そうという姿が、このコロナ禍という非常事態下においてこそ、
より際立ち、新しい『子午線の祀り』を作り上げることができたと思います。
大きな歴史の流れの中で、一人の人生は小さな物かもしれないけれど、すっくと力強く立っている。
そう実感していただく機会になればと思います。喜びも悲しみも、人々が一体となって共有するのはテレビやリモートではできない、
劇場ならではのこと。木下順二さんの戯曲が持つ言葉の豊かさと、皆さんの想像力によって広がる世界観で、
演劇はすごいなと感じさせる作品です。『子午線の祀り』で、皆さんの演劇ライフを復活させられたら。そう願っています。

◆成河
[出演]九郎判官義経

やはり巨大な戯曲なので、簡単には越えられない山に全員でタックルして、立ち向かっているという感じですね。
とにかく手強いスケールの大きさです。これからツアーにも行きますが、それぞれの土地によって
お客様の空気感は違うだろうと思います。色んなところで色んな人たちに観ていただいて、
そこでまた鍛えられて、その上で検証すべきところがまだまだ詰まっている戯曲です。
この戯曲は、初めての方には必ずしもとっつきやすいものではないかもしれませんが、
日本語の魅力を再認識することができると思うので、現代人として、一緒に立ち向かってほしいなと思います。

河原崎國太郎
[出演]大臣殿宗盛

こういう状況の中での初日でしたが、観たいと思って来てくださったお客様の熱気を感じました。
無事に終えてホッとしています。2021年版の『子午線の祀り』は日々進化・進歩していくような作品だと思います。
もちろん初日に完成を目指して稽古してきましたが、そこから更に積み重なっていくものだと思います。
ツアーに行く先々で少しずつ進化していく作品になるはずです。期待して観ていただければ嬉しいですね。
我々も「地域の皆様へ」という想いも含めて伺うつもりです。
皆様の明日の活力になるような舞台をこれからもお届けしていきますので、存分にお楽しみください。

◆吉見一豊
[出演]梶原平三景時

木下順二さんの作品に出演させていただくのは初めてです。
その中でももはや伝説の作品とも言える『子午線の祀り』に出演できたことを、とても光栄に感じています。
40年以上前に創られた実験的な作品ですが、当時と比べ演劇界におけるイデオロギーが無くなった
現代においても古くならない、実にエネルギッシュな作品。「平家物語」がベースではありますが、
真面目になりすぎないよう、良い意味で戯曲との距離感を保ちながら挑んでいきたいと思います。
また、私にとってはコロナ禍となってから初のツアー公演でもあります。
全国の皆様にこの作品のエネルギーをお伝えできるよう、心して務めたいと思います。

◆村田雄浩
[出演]阿波民部重能

ようやく初日を迎え「辿り着いた」という気持ちです。再演で内容自体は変わらないけれど、
このご時世で変更した部分やセットも前とは全然違っているので、初日は初日で1つの完成した作品を
お見せしましたが、これからももっと色々なことができると思っています。
萬斎さんもきっとこれで満足はしていないでしょうし(笑)、これからどういう風になるか。
会場によっては空間の使い方も変わって、よりぎゅっと凝縮された見え方になると思います。
そういう意味でも、これから日に日に期待していっていただきたいです。
1回でなく、もしよろしければ2回3回観ていただけると、違うものが観られると思いますので、お待ちしております。

◆若村麻由美
[出演]影身の内侍

まず、スタッフキャスト全員揃って初日を迎えられ感無量です。
感染症予防対策にしっかりとご協力くださったお客様方がとても温かいカーテンコールをくださり、
マスクの下の笑顔が見えた気がしました。
劇場に共にいる喜びを分かち合い一期一会のタイムトラベルを千穐楽迄果たします。
『子午線の祀り』は源平合戦ですが、親子や兄弟の話でもありグッと身近に迫るものがあります。
知盛は息子を見殺しに逃げた自分を許せず、全ては運命だったのかと影身に問い続けます。
影身とはプラトニックラブですが、影身が殺された後は、知盛の心の声となります。
非情の相を見極めよと伝える影身の言葉が、2021年の皆様にどのように聞こえるのかとても興味深いです。



「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司


「子午線の祀り」より 撮影:細野晋司

公演概要


配役
野村萬斎 :新中納言知盛 (しんちゅうなごんとももり) 平家の武将
成河:九郎判官義経 (くろうほうがんよしつね) 源氏の武将
河原崎國太郎:大臣殿宗盛 (おおいとのむねもり) 知盛の兄
吉見一豊:梶原平三景時 (かじわらへいぞうかげとき) 源氏の武将・義経とは敵対関係
村田雄浩:阿波民部重能 (あわのみんぶしげよし) 平家方の地方豪族
若村麻由美:影身の内侍 (かげみのないし) 知盛を慕う舞姫
2017年版の出演者31名から今回は17名に再編成を行い群読チームの若手の中から伊勢三郎役への抜擢や、
また新たに梶原平三景時に吉見一豊さんを迎え、さらに機動力を増した布陣で挑みます。ご期待ください。

『子午線の祀り』
【作】木下順二
【演出】野村萬斎
【音楽】武満徹

【美術】松井るみ
【照明】服部基/北澤真
【音響】尾崎弘征
【衣裳】半田悦子
【ヘアメイク】川口博史
【演出補】桐山知也
【舞台監督】田中直明
【出演】野村萬斎 成河 河原崎國太郎 吉見一豊 村田雄浩 若村麻由美
星智也 月崎晴夫 金子あい 時田光洋 松浦海之介
岩崎正寛 浦野真介 神保良介 武田桂 遠山悠介 森永友基

<神奈川公演> KAAT 神奈川芸術劇場ホール
2021年2月21日(日)〜27日(土) 6回公演(全14:00開演)
お問合せ:チケットかながわ 0570‐015‐415(10〜18 時)

<名古屋公演> 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
2021年3月3日(水)18:30、4日(木)12:00
お問合せ:メ〜テレ事業 052-331-9966

<久留米公演> 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2021年3月7日(日)16:00、8日(月)13:00
お問合せ:0942-36-3000

<兵庫公演> 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2021年3月13日(土)12:00/18:00、14日(日)13:00
お問合せ:0798-68-0255

<世田谷パブリックシアター> 3月19日(金)〜30日(火)
お問合せ:世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 (10〜19時)

【企画制作】 世田谷パブリックシアター https://setagaya-pt.jp/
【共同制作】 KAAT神奈川芸術劇場 https://www.kaat.jp/

 

 
 

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