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『ナイト・ウィズ・キャバレット』に出演する剣 幸さんインタビュー 2025年01月

(2025年01月31日記載)

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『ナイト・ウィズ・キャバレット』に出演する剣 幸さんインタビュー


公演概要


2025年2月13日(木)から23日(日)まで、シアターグリーン Box in Boxにて
上演される二人芝居の『ナイト・ウィズ・キャバレット』に出演する剣 幸さんにインタビューしました。

あらすじ


大正14年から昭和16年にかけて東京浅草アサヒホテルの一室で繰り広げる、
俳句という芸術表現を極めようとしていた二人の男女の、
生き様と時代の流れをキャバレー音楽を絡めて描く。


剣 幸さんインタビュー


―――オファーを受けた時の感想は?

◆剣 幸
今回は久しぶりのストレートプレイ(演劇)です。
やっぱりミュージカルをやっているとストレートプレイもやりたいと思ってしまいます。
以前、二人芝居に出演した時にも感じましたが、大勢でつくるのとはまた違う面白さがあります。
二人だけにフォーカスされるスリリングさと、今回は、人生の中の一部分を演じますが、
激動の世の中をどう生きてきたかというスリリング…!
このお話いただいて「ぜひやってみたい!」と思いました。
そして俳句を詠む人たちの世界で、違った感覚で物事を見ている二人の愛情の物語でもあります。
しっかり書かれている台本の中で、ひとりの女性の人生を演じられることに幸せを感じています。

―――小林タカ鹿さんとは初共演ということですが、印象は?

◆剣 幸
初めてお会いしたときに、とってもかっこいい人だな、と。オーラがあって、
大きな舞台に立たれても、ものすごくインパクトのある方なのだろうなって思いました。
そういう方が文字を書く世界で、普通とちょっと違う世の中の見方をするという
俳人にぴったりだと思います。すごく良い声をしていらっしゃるし、
師匠として、恋人として、どのようになっていくのが楽しみでもあります。

―――今回の役は年齢も変化していく役でもありますね。

◆剣 幸
私が演じる五所踏子と小林さんが演じる鏡千里は、年代とともに二人の関係性も変わっていくし、
世の中が変わってくるから、自分の生き方や感覚も変わってくる。
1年後とか、3年後という風に場面が転換されていく中で、舞台では見えていない時間の経過があります。
その部分をどのように過ごしてきたかということが次の場面でちゃんと反映されてないといけない。
演出家の堀越さんがどのように料理してくださるのか、
新しいアイデアがいっぱい飛び出してくるのではないかと楽しみです。
あの時代に、女性としても、これだけ情熱を持って何かをやろうとした人は少なかったと思うし、
自分が表現することを真正面に向かって真摯に突き進んでいく姿は、共感というよりも憧れでもあります。
そこの中に飛び込んでいけたらと思うのと、時代ごとに踏子がどう生きてきて、
誰に向かって何を発してやってきたというところを明確に演じられれば…!
ハードルが高く、プレッシャーもありますが、我々が初めて白いキャンバスに何かを描いていく喜びや、
石を一個ずつ積み重ねていける楽しさを皆さん一緒に作り上げられれば嬉しいです。

―――台本には書かれていない空白の時間というのは、作り込まれるものなのでしょうか?

◆剣 幸
実際舞台上では短時間で着替えて出てきますが、そこには何年もの時間経過があります。
それを想像して作り込んでいかなくてはと思います。例えばこの3年をどう生きてきたか。
考え方が変わることもあるし、なぜ二人の関係が変化したのかといった部分などを考えなきゃいけない。
舞台に出てくればセリフのキャッチボールになりますが、その一歩目というのが大切で、
その変化がお客様にちゃんと伝わるように演じることが大事だと思っています。



―――剣さんは『NHK短歌』で司会をされたり、恋文コンサートでは手紙を読まれていますが、
文字や文章を言葉に乗せて演じる難しさと楽しさはどんなところにあるのでしょうか。


◆剣 幸
私は3年間『NHK短歌』の司会をさせていただいて、色々な方が作られる短歌に触れさせていただきました。
生活の中のことや自然から感じたことなど、表現をするということに違いはないのですが、
それぞれ視点も使う言葉も違うんだなって感じました。
読み手も「こういうものが好き」とか「これが心に刺さった」っていう色々な捉え方があると思うんですよね。
短歌の31文字ではなく、俳句はさらに短い17文字の中に季語も入れなきゃいけないから、
より一層思いが凝縮されているんですよね。その人を演じることと、
その人がどのように生きたのかというダブルで表現するみたいなことなのですが、
今作の踏子は、すごくパワフルで、様々なことを打開して自分の信じる道を突き進んでいった
芯の通った情熱的な人なので、演じる上において、こんなに面白い人はないと思いますね。
色んな制約がある時代で、苦しい中にも楽しさを見出して生きていた人たちの力強さが残ればとは思います。
今の世の中はものは簡単に手に入るし、思い通りに調べられるから、何でもできる。
でも、それで失っていることもすごく多いと思うんですね。
だから大切なものは何かなと考えたり、思い出していただけたらいいのかなと思います。

―――ストレートプレイとミュージカルを演じる上で意識していることはありますか。

◆剣 幸
私はミュージカルもストレートプレイも芝居をすることや人間を描くという意味では
変わりないと思ってやっています。例えばミュージカルだと「愛している」とか「悲しい」
という時に群舞があって、それを増幅してくれる力があるわけです。
芝居は歌の補助がないというか、生身で立ち向かっている感があります。
今回の作品は、レビューシーンも楽しんでいただき、華やかだった時代から戦争へと
突入していく暗い時代へ変化していく様をご覧いただけたらと思います。
今、昭和の歌が流行っていますが、きっと若い人にとっては新曲のような感覚なんですよね。
今回はさらに少し前の時代のお話なので、ちょっとノスタルジックで新鮮な感じもあるし、
楽しいものになったら嬉しいです。

―――この作品と今の時代との共通点は?

◆剣 幸
俳句や短歌もそうですが、自分の思いを表現する、伝えるっていうことでしょうか。
例えばSNSで「この人と会って、これを食べました」とアップすることが一般的になっていますが、
それがない時代に俳句や歌で世間に対して発信していたと思うんですよね。
今の時代、スピードや簡単さだけが求められますが、一番大事なことは何だっけ?と
なるんじゃないでしょうか。ただ、皆に伝えたいというところは、
どんな時代でも変わらないのかなという気はします。
その言葉の裏に隠れていることを想像して相手を思ったり、これを表現したいからこういう
言葉を使うんだなというのは、物の見方や感性になってきますが。
またそれを読む、読み手も同様の感覚がないと何を言っているのか理解できないことも
あると思うから、もう少し色々なものを見て、様々なことを感じられる人間でありたいとは思います。
私は映画が好きで、映画からもらえるものがたくさんあります。
だから俳句でも、誰かが書いたもので感動したりする。舞台を観てくださった人が
何かを感じて明日への生きていく力になればという思いがありますし、
我々がやっている根底はそこにあるんじゃないかな。


―――最後にメッセージをお願いします。

◆剣 幸
今までにない二人芝居になればいいと思っています。
この時代の男と女が、どう愛し、どう傷つけあって、どう生きたか。
今の時代にも繋がる勇気を感じていただけたら嬉しいです。



(2025年1月9日取材 photographer 大塚雄太)

豪華ゲストによるアフタートークショー実施決定!



詳細は画像をクリック!

 

 

『ナイト・ウィズ・キャバレット』

 

脚本:西史夏元

演出:堀越涼(あやめ十八番)

出演:剣幸/小林タカ鹿

劇場:シアターグリーン Box in Box

チケット:全席指定11,800円 好評発売中

チケット取り扱い:チケットぴあ

2025年2月13日(木)~2月23日(日)

 

https://night-with-cabaret.com/

 

 

 
 

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