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「九月花形歌舞伎」『陰陽師』主題曲奉納演奏が築地本願寺で行なわれ
原作・夢枕獏、出演者・市川染五郎、音楽担当尺八奏者・き乃はちが参加しました
歌舞伎座新開場柿葺落「九月花形歌舞伎」夜の部で上演される
新作 『陰陽師(おんみょうじ)滝夜叉姫』
夢枕獏の伝奇小説を初の歌舞伎化
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する平安の都。謎の怪事件がやがて都を揺るがす恐るべき陰謀へと繋がり、都を闇が覆う時、一人の男が立ち上がる。その男の名は安倍晴明。陰陽師である―。
一大ブームを巻き起こした夢枕獏の人気小説が、新開場した歌舞伎座にとって初めての新作歌舞伎として登場します。歌舞伎ならではの演出や工夫が凝らされた壮大なスケールでおくる話題の新作です。
平安の都では、謎の怪事件が次々と起きています。ある晩、都で評判の若き陰陽師の安倍晴明は、源博雅とともに百鬼夜行に遇い、その中にいた美しい姫に目を奪われます。そんな中、晴明と博雅は、平貞盛が患った原因不明の瘡(かさ)を調べるうちに、都で起こる奇怪な事件や出来事が、20年前に討伐された平将門に関係していることを突き止めます。さらには、将門を討伐したかつての将門の盟友、俵藤太とともに、その死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことが判明します。事件の真相とともに謎の姫の正体が将門の娘、滝夜叉姫であることがわかり、20年の時を越えた恐ろしい陰謀が、ここに明らかになります。
第一幕 都大路
「晴明、百鬼夜行に遇いしこと」より
第三幕 貴船山中
「将門復活。最後の戦いと大団円」まで
安倍晴明 染五郎
平将門 海老蔵
興世王 愛之助
桔梗の前 七之助
賀茂保憲 亀三郎
平維時 亀 寿
大蛇の精 新 悟
蘆屋道満 亀 蔵
平貞盛 市 蔵
雲居寺浄蔵 権十郎
小野好古 團 蔵
源博雅 勘九郎
俵藤太 松 緑
滝夜叉姫 菊之助
平成二十五年 歌舞伎座新開場記念
新作歌舞伎『陰陽師』主題曲奉納演奏
一般のお客様300名が見守る中、19:00よりスタート。
司会者から、き乃はちさんの紹介がありました。
「東京根岸で生まれ育ち、虚無僧尺八と古典尺八の修行を経てロックバンドにも所属。現在はオリジナル曲を中心に国内外で活動。神社や仏閣での演奏も多い。20代に鹿児島の知覧特攻平和記念館を観光で訪れた際に、展示されていた遺品の中に3本の尺八があることを目の当たりにし、平和な現代を尺八で生きている一人の人間として年に1度知覧特攻平和記念館で奉納演奏をしています。8月15日の今日、“宙へ”を演奏します」。
代表曲「宙(そら)へ」を奉納演奏
奉告法要の後
『陰陽師(おんみょうじ)滝夜叉姫』主題曲「月光波」
『陰陽師(おんみょうじ)滝夜叉姫』主題曲「夜明」が披露、奉納演奏されました。
どちらの曲も壮大で、音に心があり語りかけてくるような感じが致しました。
▲き乃はちさん
▲トーク
—き乃はちさんがとても大切にされている曲「宙へ」が奉納されました。
◆市川染五郎 『竜馬がゆく』という作品で使わせて頂きました。忘れもしないのですが初めてこの曲を聞いた時、まだ台本は出来ていなかったのですが、曲を聞いてもう作品が完成したような感じでした。すごいものが出来るんだ!という確信というか。その曲に支えられ、引っ張られて歌舞伎化し3作品作りました。
◆き乃はち 歌舞伎座で吹かさせていただいて、歌舞伎とのセッションという感じでした。毎日竜馬の死に方が違ったりするので、それにあわせていました。日によってなかなか死ななかったりして(笑)、非常に良い経験をしました。息や間を感じながらの演奏でしたから。
—「宙へ」はどういう風にして完成したのですか?
◆き乃はち 自分が初めて曲を作ったのがこの曲です。何も考えずにふぅっとおりてきました。知らず知らずに吹いていまして、いいメロディーじゃないと忘れちゃうのですが、いつまでも覚えていたんですね。この曲は誰かに与えられたのかなと。
◆市川染五郎 勝手なんですが『竜馬がゆく』で使うために出来たんじゃないかと勘違いするぐらいの、そういう曲です。タイトルもね、「宙へ」ですからね。まさに坂本龍馬もそういう男だったんじゃないかと。曲を聞いたときの感激は忘れられないですね。
—『陰陽師』主題曲の感想を。
◆夢枕獏 イメージが湧いてきて、これで完成したなと。これが歌舞伎座に鳴り響くのかと思うと、ジーンとします。イメージがそそられる曲ですね。
◆き乃はち 台本を送って頂いて、読んだらメロディーが浮かんできました。山形県の羽黒山に五重塔があり、平将門が建てたと言われています。そこに4年前に奉納演奏をしに行きました。この台本を読んだとき、五重塔のにおいを思い出しました。3日前にまた五重塔の前でこの2曲を奉納演奏させていただきました。
—夢枕獏さんも歌舞伎がお好きだそうですね。
◆夢枕獏 大好きなので大変喜んでおります。一番幸せな男じゃないかなと思っております。
—染五郎さん意気込みを。
◆市川染五郎 この曲がすごく大きな柱となって支えてくれますので、絶対にスゴイ作品になると思います。歌舞伎座のこけら落としで作られる新作歌舞伎ですから、桁違いに大きなスケールなものになると思います。雅で力強くて豊かな作品になると、改めて今日確信しました。これからの新作歌舞伎の道筋をこの作品で作りたいと思います。
▲フォトセッション
▲あと半月後には本番を迎えます。
▲囲み取材
—今日、改めて曲を聞いてみていかがでしたか?
◆市川染五郎 もう歯を食いしばるぐらい泣くのを我慢しました。感動しちゃって。
◆き乃はち 今回『陰陽師』に参加させて頂けるのは邦楽奏者としてありがたいです。今日、築地本願寺で曲に魂を入れられたらと思いながら演奏しました。あとは染五郎さん他出演者の皆さんに魂を入れて頂けたら。
—曲作りに染五郎さんをイメージしましたか?
◆き乃はち 歌舞伎座で上演された『竜馬がゆく』で音楽担当させて頂いた時に、染五郎さんに言われた言葉を思い出しながら作りましたので、染五郎さんをイメージした部分はありますね。今現在洋楽器も入った曲になっておりますが、おそらく邦楽器だけで演奏されると思います。その辺りはこれから染五郎さんたちと相談しながら決めていきたいと思います。
—感想を。
◆夢枕獏 僕は台本を読んで非常に良く出来ているなと思いました。台本を思い出しながら今日曲を聞いたら、もう出来上がったようなものだなと感じました。音楽のチカラってすごいですね。僕も5回は見る予定です。
—すごい売れ行きだそうですね。
◆市川染五郎 お陰様で即日売り切れたようですが、それ位注目されないといけないと思っていました。当日券も出るようなので、取れなかった方もまだ諦めないでください(笑)。
—安倍晴明はおりてきました?
◆市川染五郎 まだおりてこないですね(笑)。
視覚的というか仕掛けなどもありますので、緻密に打ち合わせしなければいけないなと思っております。京都市の晴明神社の宮司さんと色々お話させていただいて、キーワードを聞いてきました。それを伝える手段を考えたいと思います。記憶と記録に残る作品を目指して頑張ります。その確信は、ありますよ!
歌舞伎座新開場柿葺落
『九月花形歌舞伎』
2013年9月1日(日)~25日(水)
歌舞伎座
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/09/post_64.html
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