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ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』水夏希さんインタビュー 2019年11月

(2019年11月30日記載)

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ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』水夏希さんインタビュー

公演について(リリースより)

読売交響楽団チェリスト渡部玄一が織り成す
本格的な演奏と朗読劇の新たな融合!
水夏希、新納慎也の出演決定!!


12月12日(木)よみうり大手町ホールにおいて、
ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』を上演する運びとなりました。
この作品は世界的に有名なドイツの2人の天才作曲家ロベルト・シューマンと
ヨハネス・ブラームスと彼らを愛し、支えたクララ・シューマンの物語を
読売交響楽団のチェリスト渡部玄一が生み出した本格的な演奏と朗読で構成した
かつてないスタイルの公演です。

二人の天才をこよなく愛したクララの人生を、朗読者によるものがたり、
そしてソプラノ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの4人の奏者によって奏でられる
シューマンとブラームスの数々の名曲との融合で編み出された本作を
渡部玄一は“ストーリー・コンサート”と名付けました。
昨年長野県上田市において初演し、大変大きな反響と多くのお客様より再演へのご要望を頂きました。

そして今回、待望の東京公演が実現となりました。
前作をさらにブラッシュアップし、クララ、シューマン、ブラームスの3役を
朗読者2名で演じ分けます。クララを演じるのは元宝塚男役トップスターの水夏希
退団後も確かな表現力でミュージカルをはじめ、様々な舞台で活躍しております。
そしてシューマン、ブラームスの2役を演じるのは数々のTV、舞台、
そしてミュージシャンとしても精力的に活躍をみせている新納慎也です。
音楽と愛に命を懸けた3人の壮大な半生をよりドラマチックに演じ、
音楽と演劇が融合して編み出されるかつてない公演となります。

クララは厳格なピアノ教師フリ-ドリッヒ・ヴィークの次女として生まれ、
ピアニストとしてその才能を開花させながらも、シューマンの妻として共に愛し合い、
支え合い、そしてブラームスとは生涯に亘り、崇高な結びつきで共に人生を歩みました。
クララとシューマン、そしてブラームス。才能たちが出会い、愛し合い、
そして音楽に命を懸けた3人のものがたりは今なお、輝かしい光を私たちに放ち続けています。

2019年はクララ・シューマンが生まれて200年にあたります。
その記念すべき年に上演されることとなり、上質の演奏と演劇のコラボレーションによって、
より多くお客様にクラシック音楽を楽しんで頂ければ幸甚でございます。

ものがたり(リリースより)


1819年9月13日、ピアノ教師フリードリッヒ・ヴィークの次女としてクララは生まれました。
クララは幼少の頃より、ピアニストの才能を発揮し、天才少女としてその名は広まりました。
やがてヴィーク氏は一人の青年を弟子にとります。青年の名前はロベルト・シューマン。
大学で法律家を目指しますが音楽の道を諦めきれず、ピアニストを目指します。
しかし、指のケガがもとで断念、作曲家を目指すようになりました。
やがてクララとロベルトは互いに愛し合いますが、これに気付いた気難しく厳格な
ヴィークは二人を遠ざけます。ヴィークの二人に対する誹謗中傷はさらにエスカレートし、
ロベルトはヴィークを名誉棄損で訴えます。そして2人結婚を許可する判決が下り、
晴れて2人は結婚しました。

2人が結婚して13年の歳月が経ちました。そしてクララはピアニスト、ロベルトは
作曲家として確固たる名声を手に入れました。2人はお互いに支え合ってきましたが、
ロベルトは疲労から神経が衰弱していき、外部との接触を拒むようになりました。
さらに病状は悪化し、彼の名声は落ちる一方でした。そんな中、知人の紹介で訪問してきた
若きヨハネス・ブラームスが自作のソナタをピアノで弾き始めると、ロベルトの顔に
喜びの光が射しました。ロベルトはヨハネスのために「新しい道」と題した論評を発表しました。
ロベルトの厚意に深く感謝したヨハネスは、彼の最も忠実な弟子となり、シューマン一家に
明るい日差しを持ち込んだかのようでした。しかしロベルトの心の病は、密かに肥大していったのでした。

1854年2月、ロベルトはライン川に身を投げました。数年来、ロベルトを悩ませていた
幻聴がいよいよ耐え難いものとなり、その後、療養施設に収容されました。
知らせを聞いたヨハネスは急いで駆け付け、身重だったクララとシューマン家を助けました。
こうした中でヨハネスとクララの距離は縮まり、2人の間には好意以上の感情が芽生えました。
入院の2年半の間、ロベルトはあれほど愛していたクララとの面会を頑なに拒みました。
次第に自分を失い、時として獣のようにわめき散らす自分の姿を見せたくなかったのかも
知れません。病院から危篤の知らせが届くと、クララは2年半ぶりに愛する夫の元に
駆けつけました。そして不自由な体でクララを抱きしめるのでした。
クララが到着した日から翌々日、ロベルトは永遠の眠りにつきました。
 
ヨハネスはその後、ヨーロッパを代表する大作曲家となりました。
またクララも演奏家としてその名声を不動のものとしていきました。
2人は強い愛情で結ばれ、時には夫婦のように、家族のように、また同志として、
ロベルトの死後40年にわたって絆を深めていったのです。
そんな2人にもやがて別れの時が訪れるのでした-。

ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』水 夏希さんインタビュー
(2019年11月24日 取材・撮影・文:栗原晶子 )


ーーー近年、さまざまなスタイルの朗読劇に出演されていますが、
朗読劇にはどのような印象をお持ちですか?


◆水 夏希
言葉だけで伝えるので、お客様にどれだけ想像していただけるかということを大切にしなくてはと思っています。
その反面、お客様が持ち帰ってくださる作品のイメージや色合いは、自由でそれぞれ異なりますので、
それが朗読劇の奥深いところだなと思います。

ーーークラシックの魅力をさまざまなスタイルで発信している
トウキョウ・アンサンブル・ギルドの企画・制作のストーリー・コンサートとありますが、
どのようなスタイルで上演されるのでしょうか。


◆水 夏希
シューマンやブラームスとクララのストーリーに合わせて、その時期に書かれた彼らの音楽が朗読の後に演奏され、
それを繰り返して物語が展開されるというスタイルです。
普段、クラシックの方とご一緒する機会があまりないのでとても新鮮。
次のリハーサルで演奏家とソプラノ歌手の皆さんと合わせるのが今からかなり楽しみです。
ストーリーにより一層深みが増すのではないでしょうか。

ーーー水さんとクラシックとのご縁、エピソードがありましたら教えてください。

◆水 夏希
幼い頃、夜寝る時にはいつもメンデルスゾーンが枕元で流れていました。
それもきっかけの一つで、小さい頃はバイオリンを習っていました。
姉がピアノ、妹がフルートをそれぞれ習っていて……。
小学校高学年の頃には、少年少女オーケストラに入っていましたが、
私は全然練習をしなくて上達しなかったので、演奏会では絃にさわらず、エアで弾くのが得意でしたね(笑)。
結局、中学に入ってまもなくやめてしまいました。もっとちゃんとやれば良かったなぁ。
でも外で遊ぶほうが好きだったんですよね。あの頃のバイオリン、
まだ実家にあるかな、いや、誰かにあげちゃったのかも。
そういえば宝塚時代は『エリザベート』の中で、ヴィンディッシュ嬢がバイオリンを弾いたり、
『ベルサイユのバラ』の中ではオスカルが弾いたりしますけど、それを見ながら
「私、バイオリン弾けるもんね~」って秘かに思ってましたよ。なんせエアならバッチリでしたから(笑)。

ーーーそれ以外にクラシックとの触れ合いは?

◆水 夏希
宝塚音楽学校を受験する時は、クラシックの先生に歌を習っていました。
もちろん宝塚のステージでは生のオーケストラが入っていましたけれど、
こんなに真正面からクラシックに向き合う機会、しかもシューマンとブラームスという
2人の有名な人物に接する機会は初めてです。
今はまっさらな気持ちで、2人の音楽に向き合いたいと思っています。

ーーー2人の大作曲家を愛したクララを演じられますが、どんなストーリーになるのでしょうか?

◆水 夏希
クララとシューマンとブラームス、3人がこんなにも色濃く絡み合っている人生、
これが本当に実話なの?と思ってしまいます。
クララが生涯をかけた愛がとてもドラマチックで、その中からたくさんの音楽が生まれた
ということがわかる物語。これぞ芸術家のぶつかりあい、スパークする感じが衝撃です。
今回、クララの人生に触れて、これはもっともっと世に出ていい素材、物語だと感じています。
物語の中にはシューマンやブラームスのほかにも同時代を生きた有名な音楽家たちの名前が登場します。
改めてすごい時代だったのだなと思います。

ーーー演じるクララはどんな女性ですか?

◆水 夏希
クララはシューマンと身分違いの愛を貫き、7人の子どもを育てながら、
精神的に衰弱していくシューマンを支えていく、とても芯の強い女性です。
父親から受け継いだピアノの才能も疎かにすることがなかったという点もすごいなと。
そもそもクララは、父親がピアノの名士で、生まれた時から音楽がとても身近な存在でした。
シューマンを支え、ブラームスと共に生きる、それが出来たのは生まれながらにして
彼女には音楽があった、音楽への愛が常にあったからこそ、
2人の才能を支えることが出来たのだと思います。
自分もピアニストとして演奏を続けたというのも、すごいバイタリティですよね。
私は、作曲家が背負っていたであろう「生みの苦しみ」みたいなものは直接的に経験がないので、
彼らの頭の中がどうなっていたのか想像が出来ません。曲を生み出す人たちって、
自分の内面を深く探って行って答えがないところに答えを見つけるみたいなことを言いますよね。
もちろん、振付や演出も同様に答えがないところに答えを求めるものと言えるかもしれませんが。

ーーー水さんも作品をクリエイティブするという場面に毎回立ち会っていらっしゃるわけですが、
生みの苦しみを感じる局面に来たら、その壁をどうやって越えていますか?


◆水 夏希
「訊く」「調べる」を徹底しています。特に宝塚を退団して演劇の勉強を始めてからは、
自分の知っていることの範囲、理解しているつもりでも本質的にはわかっていないものが
多いなと感じたので、なんでもすぐに調べるようになりました。
点と点が線でつながると自分の中でも求めていた以上の答えが見つかってくるんです。
だから旅行に行く時も下調べをたくさんしますよ。
クララについて知るには、シューマンとブラームスの曲を聞くことが最大のヒントになりそうです。

ーーーシューマンとブラームス、見た目も個性も全然違う二人ですが、
水さんならどちらを選びますか?


◆水 夏希
うーーーん、どうかな、ブラームスでしょうか。自分のことだけを押し通すようなことはしないのに、
クララへの愛は貫き通した人。彼もまた芯の強い人だなと思います。

ーーーシューマンとブラームスの二役を演じる新納慎也さんとは今回が初共演と伺いました。

◆水 夏希
新納さんのラジオに一度ゲストで呼んでいただいたことはありましたが、共演は初めてです。
出演された舞台はこれまでもたくさん拝見していますし、共通の知り合いもたくさんいるので、
ついに共演!といった印象です。「とにかく音楽が楽しみだね」と話しています。

ーーーストーリー・コンサートで朗読を担当されるにあたり、心がけることはなんですか?

◆水 夏希
以前、ある朗読劇の演出をされた方が、「僕はセリフも音楽だと思っている」とおっしゃったんです。
それがとても印象に残っているので、音楽と音楽の間に入るセリフで流れを止めないように
心がけたいと思っています。

ーーー今年はクララ・シューマンの生誕200年だそうですね。
歴史上の人物を演じることにプレッシャーはありますか?


◆水 夏希
その人のことをもっと詳しく知っている方がたくさんいらっしゃいますし、
有名な方なら多くの人が抱いているイメージもあるので、なるべく史実に沿って演じたいなと思っています。
今回演じるクララに関しても物語の中には書かれていない、彼女の人生を知ることによって
クララをより深く理解して演じたいと思っています。

ーーーお客様へストーリー・コンサートの楽しみ方のアドバイスとメッセージをお願いします。

◆水 夏希
ストーリー・コンサートでは、3人の人生があっという間に過ぎていきます。
音楽に宿るストーリーと共に、想像力をフルに働かせて聴いていただけたらと思います。
演奏される曲の背景なども語られます。今回はソプラノ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノを4人の方が
奏でてくださるので、それぞれのパートに耳を傾けて、その曲の中の何を表現しているのかという所にも
気づけるとより楽しめるはず。あの響きはクララへの思い、あの音はシューマンの心の不安といった想像を
自由にしていただければ、帰宅後に曲を聴き返しても楽しめるのではないでしょうか。
普段、クラシックに触れることが少ない方にとってはとてもいい機会になると思います。
会場のよみうり大手町ホールは、音響もすばらしいので、
生の楽器とソプラノの美声を存分に浴びていただきたいです。
クラシックをいつも聴いていらっしゃる方には、ストーリーという言葉が乗ってくるので、
より深く音楽を堪能していただけると思います。
しっとりとちょっと大人の上質な時間をお楽しみください。

曲リスト(リリースより)

第1部 ロベルト
シューマン  「あなたに初めてお会いして以来」
 歌曲集『女の愛と生涯』作品42-1 詞:シャミッソー(ソプラノ、ピアノ)
 幻想小品集 作品73-1(チェロ、ピアノ) 
 交響的練習曲よりⅷ(ピアノソロ)
 「クライスレリアーナ」より第1曲(ピアノソロ)  
 「ウィーンの謝肉祭の道化」よりインテルメッツォ(ピアノソロ)
 「献呈」    歌曲集『ミルテの花』作品25-1 詞:リュッケルト(ソプラノ、ピアノ)
 「くるみの木」 歌曲集『ミルテの花』作品25-3 詞:モーゼン(ソプラノ、ピアノ)
ブラームス   ハンガリー舞曲 第5番(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)  

第2部 ヨハネス
シューマン 「トロイメライ」『子どもの情景』作品15-7 (チェロ、ピアノ)
ブラームス  「エドヴァルト」 ピアノ曲『四つのバラード』作品10-1 (ピアノソロ)
 「永遠の愛について」 歌曲集『四つの歌』作品43-1 詞:ヴェンツィヒ(ソプラノ、ピアノ)
 ヴァイオリンソナタ第2番イ長調 第1楽章(ヴァイオリン、ピアノ)
 ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 第1楽章(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)  

※曲目は変更になることがあります。

 

 

ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』

 

構成・演出:渡部玄一

出演:水夏希(クララ役)/新納慎也(シューマン/ブラームス役)

演奏:岡田 愛(ソプラノ)/鷲見恵理子(ヴァイオリン)

渡部玄一(チェロ)/白石光隆(ピアノ)

 

会場:よみうり大手町ホール

日程:2019年12月12日(木)14:00開演/18:00開演

 

お問い合わせ:MItt

TEL:03-6265-3201(平日12:00-17:00)

 

主催・製作:東京アンサンブルギルド/インプレッション

 

東京アンサンブルギルドHP

 

 

 
 

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