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2020年1月歌舞伎座 夜の部『連獅子』に出演する市川團子さんインタビュー 2019年12月

(2019年12月27日記載)

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2020年1月歌舞伎座 夜の部『連獅子』に出演する市川團子さんインタビュー

公演について(リリースより)

2020年1月、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」の夜の部『澤瀉十種の内 連獅子』に
出演する市川團子さん合同取材会が行われました。

市川團子さんインタビュー/2019年12月15日(撮影・文 住川禾乙里)


ーーー2020年1月の歌舞伎座公演「壽 初春大歌舞伎」夜の部では、
『澤瀉十種の内 連獅子』を演じます。出演が決まった時の気持ちは?


◆市川團子 父(市川中車)が、京都南座で「九月花形歌舞伎」に出演している時に聞きました。
幕間で、その後もお芝居を観ていたのですが、ずっと『連獅子』のことで頭がいっぱいになってしまって。
高揚と緊張がありました。その後、お爺様(市川猿翁)と(市川)猿之助さんの『連獅子』の映像を観て、
自分が演じている姿を想像して、楽しくなっていったという感じです。

ーーー久しぶりの歌舞伎座出演となります。
また、古典歌舞伎に挑戦することについてはどう思っていますか?


◆市川團子
これまで『東海道中膝栗毛(通称・弥次喜多)』は、たくさんやってきたのですが、
自分の中で古典は歌舞伎の基本という気持ちがあります。たくさん学んでいきたいという思いがあって、
猿之助さんにも「教えてください」と言っていて、基本を忠実に学んでいこうと思っています。

ーーー『連獅子』という演目に対して、どんなイメージを持っていますか?。

◆市川團子
最初は、“毛を振る”ことが『連獅子』のイメージでした。
お稽古を始めたのですが、“毛を振る”ことも大事なのですが、前ジテという、
いわゆる最初の踊りの部分もお能からとった儀式的なところから始まり、踊りの中での爽やかさや、
親獅子に蹴落とされるところなど狂言師としての表現と、のちの獅子としての表現というものを、
心情を含めて演じ分ける部分など、展開が立体的だなと改めて感じました。


ーーー今回上演される澤瀉屋十種は、他の『連獅子』と、どんな違いがあるのでしょうか?

◆市川團子
とにかく動きますし、振りが多いと思います。蹴られて転がるところもありますし海老反りもしますが、側転もします!

ーーー市川猿之助さんに教えていただいた中で印象的なことは?

◆市川團子
猿之助さんからは、前ジテの時の手獅子の顔が、獅子と獅子の目が合うようにと教えていただきました。
それと僕は真剣になると、怖い顔になってしまうので、子どもなのだから爽やかな顔になるようにと(笑)。
まずは型と振りの意味を丁寧に教えていただきました。

ーーービジュアル写真の撮影は大変でしたか?

◆市川團子
初めてこの衣裳を着て踊った後は、きつくて皆さん気持ち悪くなるのだそうです。
僕は首が細いこともあって、重さと締め付け感でグラッときました。
でも、何よりこのお衣裳を着られて、とても嬉しかったし、頑張ろうという気持ちになりました。

ーーー実際に振るのは大丈夫なのですか?

◆市川團子
止まっている方が大変で、動いているときの方が遠心力に身を任せられて、
体の一部になっている気がします。首で回すイメージがあるのですが、それだと首を痛めてしまうので、
腰の力を十分に使えば少ない力できれいに見せられるということを教わり、それを今訓練しているところです。

ーーー猿翁さんや猿之助さんの映像を観てどう思いましたか?

◆市川團子
やっぱりかっこいいですね。まだお稽古を始める前に観たときには、
振りがかっこいいなとか思っていたのですが、お稽古をしていくうちに、
この体の使い方がこうなのかと技術的なところにも目がいくようになりました。
ひいひいお爺様(二代目猿之助)と、ひいお爺様(三代目段四郎)の『連獅子』を観たのですが、
本当に動物のようでした。難しいことはわかっていますが、できるだけその雰囲気に近づけるようにしたいですね。

ーーー『連獅子』は、ラグビーW杯のマスコットにもなりましたが、
同級生の中でも『連獅子』ってご存知なのですか?


◆市川團子
「『土蜘蛛』の太刀持をやる」と言っても、なかなか伝わらないのですが、
「あの毛を振るやつやるんだよ」と言うとわかってもらえるので嬉しいですね。
さらに燃えて頑張ろうと思えます。まだ歌舞伎を観たことがない人を誘って、
歌舞伎を広める入り口になれたらなと思いますね。

ーーー團子さんは、いつから歌舞伎に興味を持ち始めたのでしょうか?

◆市川團子
踊りを始めたのが小学校1年生くらいです。そのころから歌舞伎を観させていただいていました。
大詰で二人や三人が同時に決まるところとか、かっこいいなという魅力を感じていたことは覚えていますね。
そこが意識のはじまりですね。

ーーー中車さんと同時に歌舞伎の世界に入られましたが、
前から歌舞伎俳優になるんだよと言われていたのですか?


◆市川團子
自分のお爺様(市川猿翁)が歌舞伎俳優というのは知っておりました。
みんな代々継いでいるのに、うちはちょっと特殊なんだなとは思っていたのですが…。
でも、やると言われた時には、驚きはしましたが、あぁそういうものなのだなと。
ヤッターと素直に受け入れられました。

ーーー今の子どもたちであれば、宇宙飛行士とかユーチューバーとか夢があると思いますが、
そういうことは考えなかったですか?


◆市川團子
1つに絞るより、一緒にやっちゃおうという考えです。
昔から美術が好きで、「それなら絵画の先生になる?」と聞かれた時に、そちらに絞るのではなく、
では全部一緒にやってしまおうと思うので、歌舞伎の絵を描いたり、統合してやるというのが僕の考え方です。
お爺様(市川猿翁)もご病気されて病院で歌舞伎の絵を描いていたということで、その写真集をいただいたので、
その絵を見ながら描いたりしています。

ーーーいろいろなことを全部一緒にやってみたいというお話でしたが、
自分で実現してみたいことって何かありますか?


◆市川團子
最近はプログラミングをやっていますね。まずは、言語を学んでいるところです。
HTMLでサイトが作れたらいいなとか、動画編集もやっています。
例えば歌舞伎のかっこいいところを編集して観てもらえたら。
パソコンを使った分野が重要になっていく時代だと思うので、自分も知識を持っていたらいいなと思っています。

ーーー今後、歌舞伎で演じてみたい役はありますか?

◆市川團子
『黒塚』です。あとは『三人吉三』が好きですが…、どの役かは、決められないです。
あと、お爺様と段四郎さんの『二人三番叟』を観てかっこいいなと思いました。
キレの中に滑らかさがある踊りで感動しました。『義経千本桜(四の切)』もいつかはやらせていただきたいですが、
まずは修業をしないといけないと思っています。

ーーーお父様から俳優として学ぶことはありますか?

◆市川團子
父は努力家だなと思います。車の中でも、家でもずっとお稽古していて、いつもセリフを覚えています。
東大の受験勉強も中学三年生の時からやっていたというので。

ーーー猿之助さんはどんな存在ですか?

◆市川團子
まず憧れがありますし、尊敬しています。お稽古してくださった時に、すごく的確なんです。
難しい感情も、自分が受け取れる最善の方法をピンポイントで言ってくださいます。

ーーー同年代のお友だちを誘うならどうやって誘いますか?

◆市川團子
「毛を振りまくるし、側転もやるから来て!」って(笑)。もちろん毎日全力でやります!という意味で…。
まずはいただいた役をとにかく頑張る!という気持ちです!

 

 

『壽 初春大歌舞伎』

 

日程:2020年1月2日(木)~26日(日)

時間:昼の部 午前11時~

夜の部 午後4時30分~

【貸切】※幕見席は営業

昼の部:7日(火)

 

昼の部

一、醍醐の花見

二、奥州安達原 袖萩祭文

三、新歌舞伎十八番の内 素襖落

四、天衣紛上野初花 河内山 松江邸広間より玄関先まで

 

夜の部

一、義経腰越状 五斗三番叟

二、澤瀉十種の内 連獅子

三、鰯賣戀曳網

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/662/

 

 

 
 

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