エンタメ ターミナル

七代目 中村芝翫さんの次男である中村橋之助さんが、来年10月・11月の歌舞伎座より中村芝翫の名跡として襲名、また長男の中村国生さんが四代目中村橋之助、二男の中村宗生さんが三代目中村福之助、三男の宜生さんが四代目中村歌之助を襲名致します事を発表致します。
中村芝翫の名跡は、江戸時代から続く成駒屋さんの大変大きな名前です。 これまでも数々の名優がおられましたが、七代目は、昭和・平成の歌舞伎界において名女方として活躍されました。時代物、世話物、新歌舞伎、舞踊と幅広い芸域で数多くの当たり役をお持ちになり、品格と風格の漂う芸風は、皆様の記憶に新しいと思います。また、日本俳優協会の会長としても歌舞伎の継承と発展にご尽力され、第四期のさよなら公演や第五期歌舞伎座の建て替えでも大変なご協力を賜り、新しい歌舞伎座の劇場を心待ちにされていました。残念ながら建て替え中の平成23年10月にご逝去され、新しい歌舞伎座に立つことは叶いませんでしたが、今、俳優の皆さんが各世代協力して歌舞伎の継承と発展に努めている事を温かく見守って下さっている事と思います。
お見舞いに参った時に話した中の1つに、橋之助さんの芝翫襲名がありました。
ずっと気にかけてらした橋之助さんのこの日を、もしご存命で見て下さっていたら、どれほど喜んでいただけたかと思っております。

成駒屋にとりまして大事に大事にしております中村芝翫の名跡を八代目として襲名させていただく事となりました。
それに重ねて長男の国生が四代目中村橋之助、二男の宗生が三代目中村福之助、三男の宜生が四代目中村歌之助を襲名します。
こうして親子4人で襲名できることはありがたく感謝、感謝、感謝でございます。
成駒屋という家は、歌右衛門、芝翫、福助、小太郎と、この名跡でして他の家に比べると名跡の少ない家でございました。 私も中学三年生、15歳の時に六代目 歌右衛門のおじさまのお勧めにより、曽お祖父さんの五代目 歌右衛門40年祭にあたり、橋之助の名跡を継がさせていただきました。
前代の中村芝翫は折り目正しい厳格な父でございました。
亡くなったのは10月でしたが8月に呼ばれまして、家族仲良く成駒屋という老舗を兄弟手を携えて守るよう、また八代目の芝翫を継いでほしいという話をしておりました。その時とてもワクワクした記憶がございます。
父の遺言ではありましたが、私は果たして芝翫になれるか・・・と思っておりました。こういうのは人生のタイミングであると思います。今回はまさに時節の到来です。舞台で演ずるだけでなく歌舞伎界の活性化などいろいろと考えていかなければと思っております。
ますます芸に精進していきますが、ぜひ皆様も力をお貸し下さい。
また、襲名が終わった後も素晴らしい歌舞伎という演劇をぜひご愛顧下さいますようお願い致します。

この度、父が15歳から名乗り35年間かけて大きく立派にしてきた橋之助という名前を、この年で継がせていただく事は大変ありがたく思っております。
父が大きくした以上に大きく立派にして胸を張って中村橋之助ですと言えるような役者になりたいと思っています。私の夢は、成駒屋という老舗を守り、兄弟3人で歌舞伎座の大看板になりたいと思っております。
実は昨日兄弟で会議を開き、3人兄弟という強みを活かして毛利元就の三本の矢のように3人で手を携えていこうと決意をしました。
毛利元就の矢は一本では折れてしまいますが、兄弟1人1人が立派な役者となって3人揃った時には誰にも負けないチームワークで頑張っていこうと思っております。

この度、三代目 中村福之助の名跡を襲名させていただく事になりました。嬉しい反面、身を引き締めなければいけないという思いが強くなってきました。未熟者ではありますが、精一杯努力して精進してまいりたいと思いますので宜しくお願い致します。

この度、四代目として中村歌之助としての名跡を襲名する事となりました。
小さい頃から兄達と稽古をしていた事から始まり、今こうして親子4人揃って襲名できる事はとても嬉しいです。
まだわからない事がたくさんありますが、この襲名を通してもっともっと稽古に精進してまいりたいと思いますので宜しくお願い致します。