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歌舞伎座『八月花形歌舞伎』が開幕!第二部、第三部 公演レポート、舞台写真掲載 2021年08月

(2021年08月05日記載)

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歌舞伎座『八月花形歌舞伎』が開幕!第二部、第三部 公演レポート、舞台写真掲載


歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第二部『仇ゆめ』
左より、狸=中村勘九郎、深雪太夫=中村七之助 提供ⓒ松竹
★関連記事→歌舞伎座『八月花形歌舞伎』が開幕!第一部『加賀見山再岩藤』公演レポート、舞台写真掲載

公演概要(リリースより)

本日8月3日(火)、歌舞伎座8月 公演「八月花形歌舞伎(はちがつはながたかぶき)」が初日の幕を開けました。
各部完全入替えの三部制で上演する「八月花形歌舞伎」は松本幸四郎、中村勘九郎、中村七之助をはじめ
勢いのある花形に、中村雀右衛門、中村扇雀が舞台を引き締め、多彩な魅力のラインナップでお楽しみいただきます!
(※第一部は既報の通り、市川猿之助が当面の間休演することとなり、坂東巳之助が代役にて六役を勤めます)
歌舞伎座では、引き続き出演者・お客様は各部総入替え、客席数(1808席)は 50%(904席)を維持して公演を行います。
お客様に安心して歌舞伎をお楽しみいただけますよう、換気や消毒を徹底するなど、今後も感染予防対策に万全を期してまいります。

公演レポート

第二部は、三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺『真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)』で幕を開けます。
中村七之助演じる豊志賀は、20歳ほど年の離れた中村鶴松演じる新吉と恋仲ですが
顔に腫れ物ができる病となり、不安と焦りを募らせます。
新吉と中村児太郎演じる若い娘のお久の仲を疑い、嫉妬を抱きながら悶死。
若い男に恋焦がれる執念深さと悲哀を持つ豊志賀を、七之助が妖艶に恐ろしく魅せていきます。
中村勘九郎演じる噺家さん蝶が、豊志賀の死の様子をテンポよく語ってみせる場面も見どころ。
客席からは笑いも起きる一方、新吉の恐怖をいつの間にか観客も一緒になって体験してしまう
怪談ものの傑作です。夏の風物詩・怪談話にご期待ください。


歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第二部『真景累ヶ淵』
左より、新吉=中村鶴松、豊志賀=中村七之助 提供ⓒ松竹


続いては、おとぎ話のような展開が魅力の『仇ゆめ(あだゆめ)』。
昭和42(1967)年の初演以来、狸役は十七世から十八世勘三郎へと受け継がれた中村屋ゆかりの舞踊劇です。
中村七之助演じる深雪太夫に恋に落ちた中村勘九郎演じる狸は、溢れる想いをユーモラスな踊りで表現します。
太夫や中村扇雀演じる揚屋の亭主を交えて軽快で楽しい雰囲気に包まれ、
特に勘九郎の狸がアクロバティックな動きやテンポの速い踊りを見せると客席からは笑いと拍手が起きます。
勘九郎は、大河ドラマ「いだてん」の走りや、「久保くん、今日もゴール決めてね!」と
サッカー日本代表へエールを織り込み客席を沸かします。後半は一転、太夫への純情一途な狸の姿がしんみりと、
その想いを受け止める太夫の優しさが温かく描かれ、胸が熱くなる幕切れに客席からはあたたかい拍手が送られました。
『狐狸狐狸ばなし』でも知られる劇作家・北條秀司が描いた、おかしくも切ない傑作をお楽しみください。

     *     *     *

第三部の序幕は、木曽義賢の壮絶な最期が描かれる義太夫狂言の名作『義賢最期(よしかたさいご)』。
昨年4月、松本幸四郎は自身の襲名披露狂言として初役で勤める予定でしたがコロナ禍で公演中止に。
約1年越しに歌舞伎座の舞台で義賢を勤めます。前半は、下部折平が実は源氏一族の多田蔵人であることを見抜き、
源氏再興への本心を明かす義賢の心の推移が、義太夫との掛け合いにより描かれます。
組んだ戸板の上で立ったまま倒れる「戸板倒し」や、直立のまま倒れ込む「仏倒れ」など、迫力に満ちた立廻りは必見。
源氏再興を願い、一人で平家に抗う義賢の覚悟が観る者の心に響く一幕です。

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『義賢最期』
左より、木曽先生義賢=松本幸四郎、下部折平実は多田蔵人=中村隼人 提供ⓒ松竹

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『義賢最期』
『義賢最期』木曽先生義賢=松本幸四郎 提供ⓒ松竹

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『義賢最期』
左より、進野次郎=大谷廣太郎、木曽先生義賢=松本幸四郎 提供ⓒ松竹

続いては『伊達競曲輪鞘當(だてくらべくるわのさやあて)』。荒事味あふれる中村歌昇演じる不破伴左衛門と、
和事味漂う中村隼人演じる名古屋山三による「渡りぜりふ」は聴きどころ。
二人の対照的な衣裳が美しく、そこへ坂東新悟演じる茶屋女房お新が揃うと錦絵のような鮮やかさがあり、
廓情緒にあふれます。歌舞伎の様式美に富んだ華やかな一幕をお楽しみいただきます。

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『伊達競曲輪鞘當』
左より、名古屋山三=中村隼人、茶屋女房お新=坂東新悟、不破伴左衛門=中村歌昇 提供ⓒ松竹


幕切れは、清元の代表的な舞踊『三社祭(さんじゃまつり)』。16 歳の市川染五郎と 17 歳の市川團子は、
歌舞伎座の本興行で『三社祭』を勤める2人としては最年少タイ。それぞれ「悪」と「善」の面をつけた二人が、
悪尽くし、善尽くしの振りを躍動的に踊ります。近年、歌舞伎座8月公演で息を合わせてきた染五郎と團子が、
互いに初役で挑む競演にご期待ください。


歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『三社祭』
左より、善玉=市川團子、悪玉=市川染五郎 提供ⓒ松竹

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『三社祭』
左より、悪玉=市川染五郎、善玉=市川團子 提供ⓒ松竹

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『三社祭』
左より、善玉=市川團子、悪玉=市川染五郎 提供ⓒ松竹

歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部『三社祭』
左より、悪玉=市川染五郎、善玉=市川團子 提供ⓒ松竹

 

 

『八月花形歌舞伎』

 

公演日程:2021年8月3日(火)~28日(土)

【休演】10日(火)、19日(木)

会場:歌舞伎座

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/722

 

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